現代、老齢世代を除く大人の大半が保有しているスマートフォン。
2022年には中学生の76%、約3/4がスマホ保有しています。
近年、月額料金は下がっており、近年の物価上昇から考えると逆の動きをしています。
スマホを子どもにいつ保有させるか親は悩みますが、持たせないではなくいつ持たせるかだけの、タイミングのお話です。
日本でのスマホ保有率は8割弱
まずは2022年の年齢別、スマートフォン・フィーチャーフォンの保有率情報が以下です。
出典:通信利用動向調査(総務省)
現代では大半の大人が持っているスマホ、20歳~59歳のスマホ保有率は9割を超えています。
「携帯電話」保有率は年齢が高くなるにつれ高く、「80歳以上」では29.7%と約3割。
「80歳以上」のスマホ保有率は27.3%と、この世代はスマホより「携帯電話」保有が高い。
上のグラフ内の折れ線グラフは「通信規格が5G」割合ですが、20歳~39歳の層が一番高くなっています。
5G普及は人口密度が高いエリアなので、この年代は都市部に集まっているとも言えます。
出典:通信利用動向調査(総務省)
年収別のスマホ・フィーチャーフォン保有率情報が上記です。
スマホ保有率は、「200万円未満」が54.0%と一番低く、200万円以上は一気に上昇しています。
保有率1位は「1000~1500万円未満」の87.7%、年収最上位の「2000万円以上」は少し下がって82.5%。フィーチャーフォンは年収が高いほど、低い割合です。
出典:通信利用動向調査(総務省)
都道府県別のスマホ・フィーチャーフォン保有率情報が上記です。
全国平均は74.1%、全体傾向は人口が多い都道府県のスマホ保有率が高い。
1位は「東京」85.5%で、「千葉県」や「神奈川県」も近い数字。
最下位は「山形県」64.2%で、東北地方は「宮城県」80.1%を除いて全県60%台です。
小生高学年で約4割、中学では約3/4がスマホ保有
この段落は、子どもについてのデータです。
出典:スマホ所有率小学5年生で半数、中学2年生で8割を超える(モバイル社会研究所 NTT DOCOMO)
2018年から2022年の5年間のスマホ、キッズ携帯保有率情報が上記です。
キッズ携帯にはガラケー(フィーチャーフォン)も含まれています。
全体傾向は、スマホが増え、キッズ携帯が減っている。
特に、小学生のスマホ増加が高く、グラフ内5年間で「スマホ・小1~小3」は266.7%、「スマホ・小4~小6」は217.6%と2倍超え。
「スマホ・中1~中3」も、「2018年」は59%から「2022年」76%と増えていますが、前後比128.8%。
反対に、ガラケーは約半数に減っています。
出典:スマホ所有率小学5年生で半数、中学2年生で8割を超える(モバイル社会研究所 NTT DOCOMO)
年齢階層別・男女のスマホ保有率情報が上記です。
小学生低学年は、男子が女子をわずかに上回っています。
それが小学生高学年以降になると、女子が男子を約10%上回り逆転しています。
出典:スマホ所有率小学5年生で半数、中学2年生で8割を超える(モバイル社会研究所 NTT DOCOMO)
2022年時点での子ども達のスマホ端末分類が上記です。
小学校時点ではandroid優位ですが、中学生になるとiPhoneが約2/3と逆転。
小学生で初めて持つ端末は安価なandroidを買ったが、その後、周囲の影響もあるのか中学時点ではiPhone優位になるのか。
多人数兄弟のご家庭で、複数台の新品iPhoneを買い与えるなら、それなりの出費です。
スマホ料金は近年減っている
小中学生のスマホ月額利用料金が以下です。
出典:子どものスマホの利用料金「3000円未満」が増加:中学生の利用料金に対する保護者の意識 「高い」は減少「安い」「普通」が約8割に(モバイル社会研究所 NTT DOCOMO)
小中学生どちらも、ここ数年で3000円以上の割合が減少、料金が低下しています。
特に小学生は1000円未満の割合が4割前後と、小学生向けのプランが拡充したのか、格安SIMを選んでいるのか。
小学生と中学生を比べると、中学生の方がやや高額になっています。
出典:子どものスマホの利用料金「3000円未満」が増加:中学生の利用料金に対する保護者の意識 「高い」は減少「安い」「普通」が約8割に(モバイル社会研究所 NTT DOCOMO)
上記は保護者に聞いた、子どものスマホ料金が高いかのアンケート結果です。
1つ上のグラフ、実際の月額料金の流れと同様、小学生の方が安いと感じる割合が多い。
ただし、中学生の回答も、近年になるにつれ、「高いと思う」と考える割合が減少しています。
出典:家計調査(総務省)
最後に総務省にある「世帯全体の年間携帯電話料金と、携帯電話料金の消費支出に占める割合」情報が上記です。
子どもだけではなく大人も含めた結果ですが、ピークは2019年の\127,336で、全体は山型グラフになっています。
折れ線グラフの世帯消費支出に占める携帯電話料金割合もほぼ山形です。
世の中のさまざまな物価が上昇している中、携帯料金は近年減少しています。
ここまでをまとめます。
・日本全体でのスマホ保有率は77.3%、フィーチャーフォンは19.0%
・20歳代~30歳代、年収が高い、都心部がスマホ保有率が高い
・小中学生は年々スマホ保有率が上がっている
・男子より女子がスマホ保有率が高い
・小学生ではandroid>iPhoneだが、中学生になると逆転
・移動電話通信料金はここ数年少しずつ減っている
スマホ功罪を意識したうえでスマホと向き合う
初めて子どもがスマホを持たせる年齢をネットで見てみると、中学と高校入学時が多いようです。
中学や高校の入学祝として、あるいは一つの節目としてスマホデビューのシナリオは納得感があります。
あとは、スマホを持つ理由で上位に来る「友達が持っているから」。
スマホを持たせるのが遅めのご家庭では、「ウチはウチ、よそはよそ」の定番ワードが連呼されていると想像できます。
他に、進学先が自宅から遠くなるため、セキュリティー面で親が持たせるパターン。
東京では、通勤電車に小学生が乗っている姿は日常的で、その子はやはりスマホを持っている。
余談ですが、一人で大きな大人に囲まれて、電車通学しているの子を見ると、田舎育ちの僕はそれだけでも凄いと思っています。
上記のように通学が遠く必要度が高くなりスマホを持たせるか、周囲の子どものスマホ保有率に引っ張られて持たせるのか分かりません。
理由如何によらず、子どもにスマホを持つ懸念点を以下、上げます。
・スマホ依存症、ゲーム依存、ネット依存
・睡眠不足
・成績低下、体力低下
・目が悪くなる
・家族とのコミュニケーションが減る
・SNSでトラブルに巻きもまれる
・ネットで不用意な発言をして炎上
・いじめ問題
・プライバシーや個人情報を理解していない
・費用(月額費用、ガチャなどの課金)
・怪しいサイトを見ての悪影響、詐欺にあう
上記、どれも重度になると生活や人生に支障が出ますが、だからスマホを持たせないのではなく、僕はいつから持たせるかだけの問題だと考えています。
ITスキルが低くとも生きていけますが、ITを使いこなしている人と比べるなら選択肢は変わります。
不慣れな時期、親がサポートするのは必要で、ペアレンタルコントロールであったり一緒に使ったり。
スマホを使う姿勢としても、親が四六時中スマホを触っているような家庭環境では、子どもに「スマホ止めなさい」の説得力がありません。
恐いから避けるではなく、必要度が高いなら怖さやリスクを知った上で使いこなす。
包丁の危険面だけをみてしまうと、料理はできません。
この先、IT進歩が停滞する未来は、僕には想像できません。
いまネット接続にはスマホやパソコンが必要ですが、やがてそれが身体に近いものに置き換わっていく。
たとえばメガネのような形式であり、その先は網膜投射のような外見上はわからないような形になっていくと思っています。
そんな時代でも、現代の「スマホをいつ持たせるか」の悩みは、「いつIT接続デバイスを子どもに身に着けさせるか」に変わるだけで、親の悩みは変わりません。
スマホを持つメリットとして、「子どもとすぐに連絡が取れる」というアンケート結果がネットにありました。
親視点のセキュリティー面でみるなら、すぐに連絡が取れる状況は安心感があります。
ただ振り返ってみると、自分の子どもの頃は当然、リアルタイム連絡ツールはありませんでした。
僕含め、子どもは子ども同士で日が暮れるまで外で遊んでいて、親が公園に探しに来ることはよくありました。
スマホやガラケー普及以前は、子ども達は親の目が届かないすぐに連絡の取れないところで、自分達で判断していられた時代でもあった。
スマホで得られる利点は多く、スマホ自体の排除は現代では非現実的です。
その上でスマホ保有で失うものについても考えるのは、スマホとの向かい合い方の1つの視点です。
さいごに
人間には承認欲求があり、自己が確立していない子ども時代はその大半を外部に求める。
子どもに限らず大人も、SNS利用目的の一つに、承認欲求があるのは理解できます。
そう考えると、自分が子ども時代にスマホ保有していたら、SNS依存しない自信は僕にはありません。
フォロワー数や再生回数など、わかりやすく数値化されているのもそれを助長する。
仕事で定量化は必須ですが、子ども時代にはそれが諸刃になります。