健康寿命と平均寿命の差は人生全体比で10%以上

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育児・子供観察

身体の寿命とともに、近年、耳にするようになった健康寿命。活発に動けなくなった年齢を指す状況ですが、高齢化社会では切実な内容です。できるだけ身体が動く状況を維持するのは、中年以降、古い友人に会うと話題にのぼる鉄板ネタです。子どもがいるなら、少なくとも子どもが成人まで健康でありたい発想は、子持ち世代の共通項です。

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2021年は平均寿命が前年割れ

最初に日本人の平均寿命です。

日本人の平均寿命
出典:令和3年簡易生命表の概況(厚生労働省)

データは戦後の1947年から2021年までのもの。近年はやや鈍化しつつ伸長を続けていましたが、2021年、前年割れしています。2020年と2021年を比べると、男性が0.09歳、女性が0.14歳、平均寿命が縮んでいます。とはいえ、未来予測を見ると2040年は現代より寿命が延びており、コロナウィルス過は異常値ではあります。

このグラフの一番古い1947年は、男性が50.06歳、女性が53.96歳が平均寿命。「人生50年」が文字通りの意味だった時代ですが、2021年は男女平均で84.52歳。成長率では162%となっており、いまの時代50歳で亡くなると「若かったのに」と言われる部類になりました。

以下、健康寿命のグラフですが、先に健康寿命の定義についてWHOの情報によると以下です。

平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間。WHO(世界保健機関)が提唱した指標で、平均寿命から、衰弱・病気・痴呆などによる介護期間を差し引いたもの。

出典:健康寿命(コトバンク)

平均寿命と健康寿命
出典:健康寿命の令和元年値について(厚生労働省)

2019年の健康寿命は、男性が72.68歳、女性が75.38歳。平均寿命との差は、男性が8.73歳、女性が12.07歳となり、最後の10年前後、活動的に暮らせていません。人生全体の割合にすると、男性が89.3%、女性が86.2%が健康時代で、残りの10%以上が介護等のお世話になっています。

世界の平均寿命
出典:令和3年簡易生命表の概況(厚生労働省)l

参考情報ですが、世界を見渡してみると、日本は最長寿国の1つです。それとともに、このグラフを見ていて気づくのですが、平均寿命が70歳未満の国が少ない。後進国と呼ばれた国々や戦争・内戦が、ロシアによるウクライナ侵攻を除いて近年、大きな話を聞かなくなりました。世界全体では着実に人間は平和に向かって進んでいる情報が読み取れます。

悪性新生物は高齢化の副産物

死因別にみた死亡率の年次推移
出典:令和3年簡易生命表の概況(厚生労働省)

死因の1位は悪性新生物(ガン)で、1強状態です。2位は心疾患、3位が老衰、現代では老衰が3位なのはどのくらいの人が知っているかと思う内容です。昭和時代に多かった脳血管疾患は、2020年では4位に下がっています。

年齢階級別にみた主な死因の構成割合 2020年
出典:令和3年簡易生命表の概況(厚生労働省)

2020年の年齢別に見た情報ですが、薄い水色の悪性新生物(ガン)が中高年を中心に大きく締めています。若年層世代で最大ボリュームなのが、ピンク色部分の自殺。高齢者世代について老衰以外で若者世代にないものとして、肺炎があります。

出産高齢化と兄弟年齢が狭まる

母の出生時平均年齢
出典:令和3年度「出生に関する統計」の概況(厚生労働省)

第1子情報は、グラフ内の濃い青線、一番下の線です。2019年と1975年を比べるとちょうど5歳、初産年齢が上昇しています。

グラフ内でもう1つ特徴的なのが第3子の年齢は、第1子・第2子に比べ上昇率が低い。第3子出産年齢は、2019年と1975年比で3.5歳。兄弟年齢が1975年は5歳、離れていましたが、現代は近い年齢の兄弟が増えています。

仮に子どもが2人いるして、2019年の第2子出産年齢が32.7歳。そこから、その子が大学をストレートで卒業するとして、22歳を足すとママの年齢は54.7歳。パパの年齢はママの年齢に2歳足して56.7歳とするなら、60歳の還暦近くが子育ての一段落時期になります。

子どもが巣立つまで健康でいたい。僕の身近な子育て中のパパママが、口をそろえて発言する言葉です。これを実現するなら、60歳前まで一定の健康を保っていることが求められます。

中年期以降の雑談の鉄板ネタは健康

2022年年末に、僕は実家に帰省した時、幼馴染と会って話しをする機会がありました。相手の中年男性は、2022年11月に大病を経験、心臓そばの大動脈破裂を起こし、命の危機に瀕しました。一時、脳への血流が止まったため左半身不随となりましたが、幸いにも回復し、後遺症もなく以前と変わらない生活に戻りました。

この話題がその会合時の主題になり、同年代と会って話す内容が、いよいよ健康ネタになったと感じます。若いころ他人事として見ていた中年期以降の健康や薬の話題が、会って最初に出てくる話題であり、メインディッシュにもなっている。

他にも、懐かしい関係性だと、あいつはいま何をしているとか、そのご家庭事情なども風聞として出てきます。ですが、共通友人やそのご家族の健康ネタは刺身のツマのように付随して出てきて、病気ネタはよりエキセントリック情報として頻出します。

平凡ネタなのか分かりませんが、健康に対し日常でどんなことに気使っているか、自分たちの不摂生を告白する内容にも当たりますが話題にはなりやすい。食事や運動をどのくらい実行できているか、健康診断は毎年、受けているか。現代人の大半は健康診断を定期的に受けていますが、一昔前の人の一部は、年1回の健康診断を受診しない人がいました。

健康診断を受けていれば安心とは考えない人が、いまの僕の身の回りの主流で、あくまで健康診断は1つの目安にしかならない。健康診断ではみつからない病気は存在する前提で、健康感度の高い人は不安点を自費で検査、たとえば脳ドックや血液によるがん検診を受けています。自分たちの高齢父母の状況を実感し、切実に身近になってきている。家族の病歴を客観的にみられる年齢にもなり、遺伝と向き合うようにもなります。

子どもがいる中年ご家庭であれば、自分の健康が家族の責任としてとらえる人も多い。働いている人であれば、自分の年齢からあとこれだけの年齢はしっかり働く覚悟のような。中年を過ぎ、自分の仕事面における着地点、自分の限界のようなものを見据えたうえで、現役として走り続ける。

走り続けるためには、定期的な運動をしていないと、身体的な老化に健康が追い越され、生命エネルギーが減っていきます。ロールプレイングゲームでいうと、自分の最大HPが減っていく。最大HP減少は、そのまま最大MP(精神エネルギー)減少につながります。

最大MPが減少し「俺はいいや」のような言葉を使わないよう、自分の好奇心をどう保つのか。中年以降、身体と精神は両輪であり、どちらかが減るともう片方も危うくなるのを体感するようになります。

両輪のどちらかと言うなら僕は身体がまず考えやすい、かつベースになるため、日ごろの身体メンテナンスがその最適解だと考えています。身体が動かなくなると、徐々に精神エネルギーは減っていく。

どこにでもいる中年のオッサン達、懐かしい友人と集まると出てくる普遍的なお話です。

さいごに

コロナウィルス禍でアメリカの平均寿命が過去2年間で2.7年短くなりました。平均寿命の低下要因の50%は、新型コロナウイルスのパンデミックによるものとのこと。

アメリカは日本と比べ、コロナウィルス蔓延を受容した国。その結果、罹患した人のうち高齢者の死亡者が増加しました社会の活力(経済)とパンデミックのバランス感覚について、日本とアメリカで違いを感じるニュースです。

コロナ過は死を少しだけ身近に感じさせました。しかし良く考えてみると、それは自分が死を身近に感じる年齢になっただけかもしれません。