親の仕事を子どもと話すとき

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育児・子供観察

子どもにとって、自分の親がどんな仕事をしているか。
業種によって、外から見て大枠がつかめるものと、デスクワークのように何をしているのかわからない職種があります。
テレワークによって、親が自宅で仕事をしている姿を子どもが見る。
その姿を見ても、子どもにとって親が何をしているか、つかめないような気もします。

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父母の仕事をたいていの子は知っている

自分の両親の仕事を知っているかのアンケート結果が以下です。


出典:子供のキャリア観と親の働く姿に関する調査(株式会社アイデム)

2018年と2021年の、父親と母親の認知結果です。
9割を超えているのは共通していますが、父親側は2021年に減少、母親側は2021年に増加と反対の動きです。
理由が思いつきません。

 


出典:子供のキャリア観と親の働く姿に関する調査(株式会社アイデム)

次に父母の働く姿を見たことがあるか。
2018年に比べ2021年は、父母とも増加。
父親の方が増加率は高く、2018年に33.8%から2021年は41.5%になっています。
母親は父親に比べ働く姿を子どもが見ており、2021年には49.6%と、ほぼ半数の子どもが母親の働く姿を見ています。


出典:子供のキャリア観と親の働く姿に関する調査(株式会社アイデム)

最後に、在宅勤務別の親の働く姿を見たことがあるかです。
父母とも、在宅勤務従事者であれば、子どもはその姿を自宅で見たことがあるが多い。
分からないのは、在宅で働いているにもかかわらず、働く姿を見たことがないという回答。
父親側では43.3%、母親側では29.8%とそれなりにあります。
仕事部屋には子どもは絶対に入れないルールなのか。

親の働く姿を自宅で見る子ども

テレワーク以前、子どもにとって親の仕事を見る機会は、自営業などでなければ身近ではありませんでした。
それがテレワーク普及で、親が自宅で働き、その姿を見る子どもも増えました。


出典:令和3年 情報通信白書(総務省)

コロナ過でテレワークが普及したと言っても、企業規模でその差はある。
上記の期間、大企業の平均は61%、中小企業の平均は31%。


出典:令和3年 情報通信白書(総務省)

業種別にみると、情報通信業が1位で55.7%。
オフィスワーカー色が強い業種が上位に並び、エッセンシャルワーカー職種は低位。
全体平均は24.7%と、1つ上のグラフより低い数字になっています。


出典:令和3年 情報通信白書(総務省)

地域別にみると、関東が圧倒的に高い数字で36.3%。
3大都市圏を要するブロックが次いで高い結果です。

親視点でみると子どもは親の仕事を3/4知っている

以下は、親視点で子どもが親の仕事を知っているかの結果です。


出典:子どもと親の仕事 小学生にママ・パパの仕事はどう映っているか大公開!(コクリコ)

76.2%の親が、子どもは自分の仕事を知っていると回答しています。
「少し知っている」が61.9%と、一般的にはほぼここに当たるのも納得。


出典:子どもと親の仕事 小学生にママ・パパの仕事はどう映っているか大公開!(コクリコ)

親の職場見学や働いている姿について、子どもが見たことがあるの結果が上記。
「職場に実際に行って働いている姿を見たことがある」が17.2%ですが、見学できれば、子どもにとって理解しやすいと感じます。
ただ、時代はセキュリティに厳しく、ビルに入るにも入館カードが必要だったりと、親の職場を見る子どもは少なくなっています。

「一緒に働いている職場の人に会ったことがある」が26.4%と1/4。
社宅利用者や職場と自宅が近距離であれば、子どもは両親の職場の同僚と会うシーンを思いつきますが、これも今の時代は少なくなっているのではないか。

休みの日に、職場の同僚とその家族が集まってバーベキューするのはいまは昔、それに近い行為が現代日本でどのくらい開催されているのか。
会社の同僚とのつながりの薄さもさることながら、そこに駆り出される奥様・旦那様と子どもが、喜んで参加するのをあまり想像できません。

仕事を説明するのは難しい

僕はいま、完全在宅勤務で、数か月に1回、必要な時のみ出社しています。
僕がIT業界に所属しているので、フルリモートワークが成り立っているとも思っています。
そんな僕の仕事風景は、パソコンに向かっているか、リモート会議しているか、考えているか。

子どもから見て父親の仕事はどういうものか、見て分かるとは思えません。
実際にパソコン越しに会議している僕の姿を子どもは見ており、こちらの音をミュートにして会議の会話を子どもに聞かせたこともありますが、訳の分からん話をしているのだな、くらいの認識だと思っています。

子どもは僕の仕事部屋に入ってきたとき、僕がヘッドセットしていると、いま話してダメなんだとそっとドアを閉める。
ヘッドセット越しに誰かと話している姿を見て、それが仕事なんだと認識する。

ポジションにもよりますが、仕事で大事なのは「話す」よりも「考える」です。
必要最低限の会議で、意思決定するときには話す必要がありますが、往々にして会議は冗長になり、仕事をしている風だけで中身が伴わない。
子どもにとって、会議が仕事と言われても、その真意は伝わりません。

消防士や実際に手術するようなお医者さんなら、外から見て仕事が何かわかる。
オフィスワーカーの仕事は、子どもに説明しにくいと、改めて感じます。

僕には、わが家の子どもに僕の仕事を知っていてほしい欲求はありません。
邪魔してはいけない時間帯に遊びをせがまれるようなら、仕事の内容とともに重要性を説く必要がありますが、そんな状況になっておらず。
最低限、仕事をすることで自分たちの生活が成り立っているくらいのフワッとした認識で良いと思っています。

親の仕事を見て、子どもに好影響を与えられるだろうという希望も間違っている可能性が高い。
普遍的に残りそうな仕事ならまだしも、これだけ職種の寿命が短くなった時代、親の仕事が子どもが成人したとき、旬の業種として残っている可能性を考えれば分かります。

仕事ではなく、働いている姿を子どもに見せるのは意味がある。
部下へのパワハラ的なネガティブシーンを見せたい親はいないと思いますが、楽しんで働いている姿は子どもにとって好影響になります。
親が仕事イコール辛いのもとしか考えられないのであれば、どこかボタンの掛け違いをしている可能性が高い。
子どもとお風呂に入っている時などに仕事のことを聞かれたとき、つらいことも楽しいこともうまく伝えられれば理想的です。

僕はコロナ過で、初めて在宅ワークを経験し、その結果、子どもに働いている姿を見せるようになりました。
それが何かメリットがあったかと考えても、変わりはなく、

そんな事より、ありきたりですが僕にとっては、子どもと平日遊ぶ・勉強を教える時間が、大幅に増えた点が良かったと思っています
フルタイムで会社に出社していた時は、平日は朝の少しの時間だけ子どもと話せましたが、帰宅後はそんな時間でもなく。
在宅勤務で通勤時間ゼロだと、夜、子どもといろいろできる時間が存在する。

子どもと本気で遊ぶ方が仕事よりキツイときもありつつも、子どもとの時間はいまだけのお楽しみ。
仕事を子どもに理解してもらうのも、子どもと本気で向き合ったことがない人に子育ての楽しさを伝えるのも、難易度が高いと感じます。

最後に、他のご家庭もそうした結果になっているグラフを以下に掲載します。


出典:子どもと親の仕事 小学生にママ・パパの仕事はどう映っているか大公開!(コクリコ)

さいごに

僕が自宅の仕事部屋で仕事をしていると、たまに子どもが遊びに来ます。
僕は会議中や集中して考える時間であれば「ちょっと後にしてね」と断りますが、そうでなければ短時間話したりします。

僕は在宅勤務になって、子どもとのコミュニケーション時間が増えたと上述しました。
それ以外に、内心感じているのは、子どもの精神面がより安定した。
これは主観かつ子どもの成長もあるので、僕の在宅状況がどのくらい影響しているか分かりません。
ただ、僕の奥様も「ずいぶんと精神的に成長している」と評価しています。

僕が全日出社していた時期といまのフルタイム在宅勤務で、家庭内の雰囲気がどうなったか僕にはわかりません。
それでも、いまわが家では家族が自宅にいる時間が増え、多少のすったもんだはありますが、つつがなく日常が流れている。

病気になって健康のありがたみが分かるのと同じく、平穏な日常の大切さを感じています。