スーパーマーケットが増えている

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統計データ

最近、東京でスーパーマーケットが増えている。
僕は東京在住ですが、身の回りで新規オープンスーパーがここ数年、数件発生。
それも小さなスーパーではなく、中規模から大型と呼ばれるそれなりの売場面積のものばかり。
東京はかろうじて人口は減っていませんが、日本全体の人口減少期にこれだけスーパーが増える理由を考えました。

 

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スーパーの数は9年で11.7%増加

ここ9年(各年9月)の日本全国のスーパーマーケット数の推移が以下です。


出典:スーパーマーケット店舗数(スーパーマーケット統計調査事務局)

2013年と2021年を比較すると、2,381件増加、増加率は11.7%です。
日本の人口ピークは2008年なので、この時期はずっと人口減少期。
さらには高齢化が進行しているので、単純に考えると食べる量が減っている時期です。
東京だけ人口増加だったとしても、全国合計で人口減少していれば、増える理由が分かりません。
都道府県別の情報が以下です。


出典:スーパーマーケット店舗数(スーパーマーケット統計調査事務局)

2013年と2021年のスーパーマーケット数を比較すると、東京だけ突出して増えています。
他に、東京近郊の県と大阪、愛知あたりが増加しています。
逆に赤文字の県は、同年比較で減少の県です。

東京および大都市圏への人口流入が進み、スーパーが増えています。

売上は変わらず

スーパーの数が増えても、人口減少なので売り上げは減っているのか。
売場1㎡あたり年間売上高情報が以下です。


出典:年次統計調査(一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)

あまり差がない結果です。
50万円未満が減少していれば売上減、200万円以上が増加していれば売上増ですが、どちらとも言えず。


出典:年次統計調査(一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)

追加で年間売上高の平均値と中央値も見てみましたが、こちらも大きな変化がありません。
売上に変化がなく、総人口減少でスーパーに買いに来る人が減るなら、店舗増加要因は何なのか。

食費は2011年以降微増を続けている

消費者側の数字として、総務省にあった2人以上世帯の食費データが以下です。


出典:家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)(総務省)

2011年をボトムに、緩やかに食費が増えています。
ここでやっと、スーパーが増えている理由の1つとして、説明がつきます。

というか、これ以外の理由を探すのであれば、例えば外国人がスーパーで購入などは上げられますが、それが全体に対する影響度を考えるなら多分誤差。
日本のGDP成長率が低く物価の安い国になったので、訪日外国人が増えたと言っても、1億2千万人の毎日の食費からみると影響軽微です。

ココまでまとめると、東京および近郊はスーパーが増えている。
スーパーの1㎡あたり年間売上高は変化がないが、売り上げ面積が増えているので、最終的にスーパー全体の売上は増えている。
そのスーパー全体の売上増は、2人以上世帯では食費が増えているので、これが理由にはなる。
やっと、僕が住んでいる東京でここ数年で数件スーパーが増えた(雑な)説明になりました。

他に、このグラフを見ていて気になったのは、全体がV字型になっている点です。
2011年がボトムで、左右が伸びています。

2011年は、東日本大震災という特殊な年ですが、それ以降緩やかに伸びている。
この期間、平均給与は微増でしたが、それ以上に食に対するウェイトが上がっているような気がします。

子育て時期にお世話になる頻度が増えるスーパー

2012年以降に食費が増える、要素を上げてみます。

・健康志向の高まりで、素材を厳選して購入するようになった
・夫婦世帯の2/3が共働きの時代、総菜などを購入して家で食べる中食が増加
・1人世帯が増え、1人分の料理を作るコストが高いので、スーパーで小分け食材を購入
・特殊事情として2020年以降のコロナ過で、巣ごもりで外食できない分を高級食材にまわした

1つ1つが食費増加に大きな影響を与えるとは思えませんが、全体の流れとしては妥当な気がします。
望む望まざる関わらず堅実に生きる人が、バブル期に比べ増えた現代、その結果家で食べる人が増えた。
他の要因として、少子化なので影響度は高くありませんが、子どもに対する食の姿勢もあります。
わが家は子どもができてから、食材に対して大人だけの時より気を付ける(=高価なモノを選ぶ)ようになりました。

子どもが誕生してから、僕はスーパーに行く回数が増えました。
まとめ買いして回数を減らす方向を目指しつつも、まとめ買いができなかったり、必要なモノが突発的に発生することが増える乳児期。
子どもには食べさせるものが限定され、例えるなら大人ならカップラーメンOKでも、赤ちゃんにはもちろんNGで専用食が基本です。
他にも、子どもが牛乳が大好きなど嗜好が偏る時期など、僕は頻繁に買い出しに行きました。

子どもがある程度の年齢になると、雨降りの休日の目的地として、スーパーに行く使い方もしていました。
1日中雨天時は、公園にも行けず屋内施設もコロナ過だと積極的には行きにくい。
そんな時、大人側の気晴らしがメインでもありますが、子どもと車でスーパーに行く。

子どもにとって、単なる食材の買い出しは喜んで行きたい目的地ではありませんが、時に最終手段も使う。
「〇〇のキャラクターのパン、あったら買おうか?」

モノで釣っているのですが、全体バランスを見ているなら、僕は良いと思う派です。

さいごに

僕は旅行に行くと、スーパーにできるだけ、その土地のスーパーに入ります。
国内外問わずそれは変わらず、スーパーにはその土地の特徴的な食材があります。

日本全国、どこでも同じようなショッピングモールが建って、どこでも同じものが買える。
服などはその通りだと思いますが、スーパーは必ず地の物があります。
日頃見たことがなかったり、東京では値段が高いものが安かったり。

スーパーは旅の目的にならずとも、旅の理由の1つが非日常とするなら、スーパーはその理由にかなう場所です。