この文章のトピックスは以下です。
・正月に自宅で過ごす人は約2/3
・おせちを購入する人も約2/3
・おせち購入金額は2万~3万円が最多で38.7%
・おせち購入金額は年々、上昇している
・おせちを食べる理由の1位は「毎年の恒例行事、習慣」で約2/3
・おせちを食べる人数は2~4人が最多
お正月は自宅で過ごす人が多い
今回、おせちの状況を見たいと思い、その前段として正月、どう過ごすかについての情報が以下です。
出典:最新おせちトレンド!『婦人画報のおせち2025』意識調査結果(株式会社ハースト婦人画報社)
1位「自宅」67.6%、2位「実家・地元に帰る」22.7%で、この2つで90.3%です。
おせちを食べるとして、外食も可能性はありますが、一般的には個人宅で食するとして大半の人がおせちを食べられる環境にいます。
出典:2025年お正月の過ごし方・おせちに関する意識調査(株式会社 松屋)
上記は2024年正月と2025年正月予定の、元日の過ごし方データです。
「自宅」は2024年67.6%、2025年予定65.2%、前後比-2.4%。
「実家や親戚宅」は2024年23.3%、2025年予定24.1%、前後比+0.8%。
「国内旅行」は2024年3.2%、2025年予定4.2%、前後比+1.0%。
この2年で大きな変化はなく、自宅が少し減り、実家や親戚宅、国内旅行がわずかに増えています。
おせちを購入する人は約2/3
出典:最新おせちトレンド!『婦人画報のおせち2025』意識調査結果(株式会社ハースト婦人画報社)
おせちを購入するかのアンケート結果が上記です。
「購入する」は68.4%で約2/3。
「購入しない」は11.8%なので、かなりの割合のご家庭ではおせちがありそうです。
出典:2025年お正月の過ごし方・おせちに関する意識調査(株式会社 松屋)
上記は2024年と2025年のおせち購入情報です。
1位「購入する」が増えていて、2024年55.1%、2025年65.1%、前後比+10.0%です。
この2年で減っているのは「自宅で作る」2024年20.7%、2025年14.5%、前後比-6.2%。
ほかに「食べない」2024年14.0%、2025年8.8%、前後比-5.2%。
おせちを食べる人は昨年に比べ増えているが、自宅で作る人と食べない人は減っています。
出典:最新おせちトレンド!『婦人画報のおせち2025』意識調査結果(株式会社ハースト婦人画報社)
上記はおせち購入金額情報です。
1位「2万~3万円未満」38.7%、2位「1万~2万円未満」31.9%、3位「3万~5万円未満」22.1%。
「1万~3万円未満」でまとめると70.6%、「1万~5万円未満まで」含めると92.7%で、このあたりが売れ筋価格帯です。
出典:おせちから考える食品流通(経済産業省)
上記はおせちの価格帯推移です。
総論、金額は上がっています。
1万円未満は2016年9.5%、2023年1.5%、前後比-8.0%。
一番伸びている属性は2万~3万円未満で、2016年29.2%、2023年40.6%、前後比+11.4%です。
出典:2024年の重詰おせち市場(富士経済グループ)
上記は富士総研のおせち市場実績と予測です。
2019からは緩やかに伸びて、近年は横ばい。
高齢化と人口減少を考えると、この先の大幅増は見込めないと予測します。
おせちを食べる人数は2~4人が最多
出典:2025年お正月の過ごし方・おせちに関する意識調査(株式会社 松屋)
上記はおせちを食べる理由、複数回答結果です。
1位「毎年の恒例行事、習慣」68.5%、2位「日本の大切な伝統行事だから」45.0%、3位「ゆっくり過ごしたいから」28.5%。
おせちは自分で作ると大変な時間がかかりますが、市販品を購入して台所に立つ時間を減らすのは分かります。
出典:2025年お正月の過ごし方・おせちに関する意識調査(株式会社 松屋)
上記は、おせちを購入する時の選ぶポイントです。
1位「味」63.0%、2位「好きなものが入っている」52.5%、3位「品数やボリューム」28.2%。
味が好きと答える人が約2/3で、残りの約1/3は味は嫌いなのか。
2位「好きなものが入っている」52.5%も、味のことを指しているとは思いますが、子どもにとっておせちの味が全部好きと言う子はほぼいない思っています。
出典:2025年お正月の過ごし方・おせちに関する意識調査(株式会社 松屋)
上記は子どもも含んでおせちを食べる人数情報です。
2人~4人が大多数でこの分類で64.9%と約2/3を占めています。
現代は核家族化、高齢化なので、3世帯や親戚一同でおせちをいただくのは以前に比べ減っています。
おせちはいつか衰退するのか
おせちは5分類に分けられ、それぞれ代表的なモノが以下です。
カッコ内はその食べ物の意味です。
▼祝い肴
・黒豆(まめに生きる、働く)
・数の子(子孫繁栄)
・田作り(豊作、五穀豊穣)
・たたきごぼう(ごぼうが地中に根をはることから繁栄)
▼口取り
・栗きんとん(色からお金が貯まる)
・紅白かまぼこ(紅は魔除け、白は浄化)
・伊達巻(昔の巻物の形で知識が上がる、学業成就)
・昆布巻き(昆布がよろこぶの言葉あわせ)
▼焼き物
・ブリ(出世魚から出世する)
・鮭(災難を避けるの「避け」の語呂合わせ)
・鯛(めでたい)
・伊勢エビ(曲がった姿から腰が曲がるくらい長寿)
▼酢の物
・紅白なます(紅白の食べ物、紅白の意味は上記紅白かまぼこ)
・ちょろぎ(「長老木」の語呂合わせ)
・酢れんこん(れんこんの穴が開いている姿から先を見通す)
▼煮物
・煮しめ(複数の食材を煮込むことから家庭円満)
・手綱こんにゃく(その形から自分を引き締める)
・たけのこ(たけのこの成長力から成長、出世)
・くわい(くわいの芽がまっすぐ育つことから立身出世)
この中で、子ども視点ではかまぼこや伊達巻、伊勢エビ当たりは味として好きそうですが、それ以外は不人気ではないか。
上記のカッコ内の通りそれぞれの食べ物に意味がありますが、そんなことは子どもの耳には素通りです。
自分が子どもの頃、おせちの中で好きなモノばかり食べていると、親からこの食べ物はこういう意味があって・・・と言われてしぶしぶ1つだけ手を出す。
僕は大人になってもおせちを積極的に食べたいとは思っていません。
お呼ばれでおせちを食べる時、僕は「おせちだな」「種類がたくさんあるので1つずつくらいは手を伸ばそう」としか考えません。
おせちは縁起物で日本の文化ですが、おいしさのみで比較するなら、現代の普及食材におせちは負けていると思っています。
おせちを食べる理由
おせちは神様をおもてなしするための意味もあります。そのおせちを食べる理由としては以下などがあります。
・神様にお供えするものを一緒に食べることで御利益にあずかる
・神様を迎える際にせわしくしない
・台所を使わない出典:おせち料理の定番【21種類】食材に込められた意味や重箱への詰め方も解説(鈴廣かまぼこ)
上記3つ目の「台所を使わない」は、確かに現代は時間が足りなく、正月くらいはなるべく台所を使わないと考えるなら妥当です。
それ以外の上2つは神様が出てきている時点で、無神論者が増えている現代社会と相性が悪い。
いまわが家ではおせちは購入せず、正月に実家でお呼ばれにあずかっています。
父母がいなくなった時、自分がおせちを購入するか微妙で、子どもがおせちを食べる機会はきっと減少します。
おせち食べる機会がなくなった子どもが親になった時、おせちが食卓に上るか微妙で、年賀状と同じような衰退の道を歩むのか。
上記で、おせちは現代の普及食材に対し味で負けていると記載しましたが、これは中年期くらいまでを指しています。
高齢になってくると味覚、食べたいものが変わっていきます。
僕は、近年は和食の地味な味を好むようになりました。
地味の極致、ごぼうの煮物をしみじみおいしいと思っており、年相応に脂っこいものから離れていく。
人間の寿命が延びて、高齢者が増えるので、地味な食べ物が好きな人が増える。
高齢になると、文化や風習を考えるようになる、あるいは次世代に継承する発想も出てくる。
日本の人口減少は確定ですが、おせちは淘汰されるのではなく残る可能性を感じます。
さいごに
僕は伊勢海老が入っているような高級おせちは食べたことがありません。
おせちに入る食材で、伊勢海老を除いて高価な部類なのは数の子。
僕は、おせちの中で一番食べたいと思うのはこの数の子です。
あのコリコリした触感が好きで、魚卵好きでもあり、つい箸が伸びる。
と言っても、おせちは1種類の量はそれほど多くないため、数の子ばかりを食べるわけにはいかず。
数の子を食べた後、カモフラージュ的に黒豆や田作りなど他のものを食べた後、また数の子を一つまみする。
やってる行為は、自分の子どもの時と変わっていないと思っています。