シートベルト後席非着用率は一般道で43.7%、人生にも通ずる転ばぬ先の杖

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・2023年時点では前席のシートベルト着用率はほぼ100%
・後席のシートベルト着用率、一般道は43.7%、高速道路は78.7%
・都道府県別でシートベルト着用率が低いのは北陸、関西、四国、沖縄
・死亡事故時、後席のシートベルト非着用者は66%
・シートベルト非着用の致死率は、高速道路ではシートベルト着用者に比べ256倍

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高速道路で後席シートベルト着用率、2023年は78.7%

2008年、改正道路交通法により後席も含め、シートベルト着用が義務化されました。
義務化と言っても検挙された時、以下の表の通り一般道では後部座席シートベルト未着用の場合は累積点数に加算されません。

減点・一般道路 減点・高速道路 反則金
運転席・助手席 1点 1点 なし
後部座席 なし 1点 なし

シートベルト着用率 一般道路
出典:シートベルト着用状況全国調査結果(令和5年)(警察庁)

上記は警察庁発表情報の、一般道路のシートベルト着用率です。
運転席は2007年95.0%、2023年99.2%、いまはほぼ100%に近い着用率です。
助手席は2007年86.3%、2023年97.1%、約10%着用率が上がって、こちらもたいていの人がシートベルトを着用しています。
対し、後部座席は2007年8.8%、2023年43.7%、いまでも着用率は半数以下です。

シートベルト着用率 高速道路
出典:シートベルト着用状況全国調査結果(令和5年)(警察庁)

上記は警察庁発表情報の、高速道路のシートベルト着用率です。
運転席は2007年98.5%、2023年99.6%、一般道路と同様ほぼ100%です。
助手席は2007年93.5%、2023年98.6%、一般道路に比べ以前も着用していましたが、こちらもほぼ100%に近い着用率です。
後部座席は2007年13.5%、2023年78.7%、ここが一番伸びています。
とは言え、いまでも2割強の人が、高速道路でもシートベルトを着用していません。

都道府県別にシートベルト着用率を見ると沖縄が圧倒的最下位

2023年、運転席と助手席のシートベルト着用率はほぼ100%に近いため、このブロックでは後部座席のシートベルト着用率の都道府県別情報です。

シートベルト着用率 後部座席 都道府県別 一般道路
出典:シートベルト着用状況全国調査結果(令和5年)(警察庁)

上記は2023年の一般道路の都道府県別、後部座席シートベルト着用率です。
全国平均は43.5%で、グラフ内赤色部分です。
着用率が低いのは北陸、関西、四国、沖縄、特に沖縄は圧倒的最下位で12.6%です。
着用率が高い地域ブロックは、関東です。

シートベルト着用率 後部座席 都道府県別 高速道路
出典:シートベルト着用状況全国調査結果(令和5年)(警察庁)

上記は2023年の高速道路の都道府県別、後部座席シートベルト着用率です。
全国平均は78.8%で、グラフ内赤色部分です。
全体傾向は、1つ上の一般道路と変わらず東京や栃木、千葉など一般道では平均以上ですが、高速道路は平均以下の都道府県もあります。
あとは、沖縄県が相変わらず圧倒的最下位です。

高速道路でシートベルト非着用の致死割合は着用者の256倍

自動車乗車中死者の乗車位置別・シートベルト着用率
出典:後席乗員がシートベルトを着用していなかった事故の特徴(財団法人 交通事故総合分析センター)

上記は自動車事故にあって死亡したとき、シートベルトを着用していたかの情報です。
死亡事故時、運転席のシートベルト非着用者は44%。
死亡事故時、前席のシートベルト非着用者は35%。
死亡事故時、後席のシートベルト非着用者は66%。
後席が最も値が高いのは、シートベルト非着用者が多いためと言えます。

後部座席シートベルト着用・非着用別致死率
出典:全ての座席でシートベルトを着用しましょう(警察庁)

1つ上のグラフの違う視点からの情報ですが、一般道路と高速道路それぞれで、シートベルト装着有無別の致死率が上記です。
当たり前ですが、一般道路・高速道路のどちらもシートベルト非着用者の致死率が高い。
一般道路では3.3倍、高速道路では256倍と、速い速度となる高速道路での致死率は、相当に高いと言えます。

チャレンジするための土台

学生が社会人になるとき、人生の大きな岐路に立ちます。
自分の性格ややりたいこと、社会の流れ、友人をはじめとする周囲の人からの影響の中から、いろいろ考えて次の一歩を踏み出す。

こうした折、いばらの道と分かっていても挑戦的な目標に挑む人。
争いが苦手で、調和を重視する業界・会社を目指す人。
新卒時点では社会経験や知識が乏しく、視野が狭いのは普通。
その中で、できる限り分析して覚悟をもって行先を選択します。
その時どの程度、リスクを許容するのか、リスク回避を考えるか。

車のシートベルトは、幅5cmより少し広いただの化学繊維です。
ただ、この化学繊維がいざというときに自分や家族の命を守る可能性を高めます。

ひと昔前はシートベルトをせずに運転する人はいたらしいですが、法的強制もありいまはたいていの人がシートベルトをしており、未装着は現代の一般的な感覚から言うと眉を顰められます。
シートベルトは一例で、様々なことに対しリスクに敏感な人が増え、安全に対する意識も時代とともに上がっています。
まれに高齢者が運転する車に子どもが同乗していて、車の中で子どもが暴れまわっている光景を見て、違和感を感じる人は多いのではないか。
シートベルトをした方が良いかと質問されたら、Noという人はよほどの何かがある人です。

人間は環境に影響されます。
それが当たり前という環境を作っておくと、身体が勝手に習慣化で動きます。

子どもの時から、乗車時はシートベルト装着が当たり前であれば、無意識にシートベルトするようになる。
「事故が起こった時にシートベルトは守ってくれる」と親が子どもに説明しても、その時点の子どもにどこまでその言葉が浸透しているかは不明です。
子どもが小学生になったころ、学校で交通安全指導を警察官の方が学校に訪れて教えてくれる。
それ以外にも、オフセット衝突実験で飛び上がる人形の動画などを見ると、事故に会うとどうなるか理解できます。

健康であるかどうかは、遊ぶ、仕事をする、人生を楽しむなど何をするにもベースです。
乗車時にシートベルトをするかどうかの問い自体ナンセンスで、健康を損なわないために考えるまでもなく装着する一択となります。

チャレンジし続けるために、取るべきリスクを取って不必要なリスクを回避する。
走っていると、道路に落下物があったり、穴が開いているかもしれません。
あるいは周囲には、自分がコントロールできない他人が運転する車も走っています。

乗車時も人生も同じで、当たり前の選択としてシートベルト装着は、いざというときに効力を発揮します。

さいごに

2024年、イギリスで9歳以下のたばこ禁止法案が可決されました。
時代は少しずつ安全側へ傾いており、現在の喫煙者の権利は残しつつ喫煙者は減っていくようです。

日本でも、シートベルト着用義務の法律がなかった時代の人にとって、シートベルト着用を嫌がる人がいたのは想像できます。
とは言え、いまは法律で装着は義務化されており、それによって救われて命は多い。

僕は運転時のシートベルト装着は、事故時以外にも、運転姿勢が安定するメリットがあると思っています。