この文章のトピックスは以下です。
・2011年からの14年で歩数は-10.2%
・減少幅はわずかだが女性の方が多い
・歩数男女比では男性の方が約900歩多い
・年齢が高くなるほど男女とも歩数が減っていく
・平均歩行速度、ウォーキングのピークは50代
・25年で高齢者の歩行速度は1.3倍強
14年で歩数は約1割減少

出典:国民栄養調査(厚生労働省)
上記はここ14年の男女別歩数の推移です。
男性2011年7,233歩、2023年6,628、前後比-605(91.6%)。
女性2011年6,237歩、2023年5,659、前後比-778(87.9%)。
男女とも緩やかに下がっています。
男女比較では、男性が女性より約900歩多く歩いています。

出典:国民栄養調査(厚生労働省)
上記は1つ上の情報に対し、年齢調整をかけたものです。
年齢調整とは、年齢階層別の人口構成比の変化で補正した情報です。
男性2011年7,360歩、2023年6,914、前後比-446(93.9%)。
女性2011年6,577歩、2023年5,922、前後比-655(90.0%)。
1つ上の年齢調整補正していない情報より変化率は減っています。(下がり幅が小さい)
何にせよ、この14年で歩数は約1割、減少しています。
男女比では男性、年齢別では若いほど歩数が多い

出典:国民栄養調査(厚生労働省)
上記は年齢階層別の歩数、男女別2023年の情報です。
どの年齢でも男女比では男性の歩数が女性の歩数を上回っています。
一番乖離率が高いのは[70歳以上]で、男性÷女性=127.0%。
男女とも年齢が上がる毎に歩数が下がっています。
高齢者の歩行速度は25年で1.3倍強

出典:2023年のデータをもとに歩行速度を調査(レイ・フロンティア株式会社)
上記は年代別の平均歩行速度です。
[徒歩]の平均歩行速度は年代が上がる毎に下がっていっています。
対し[ウォーキング]の平均歩行速度は50代がピークの山形グラフ形状。
単純な体力や筋力で考えるなら20代が一番速くなりそうですが、50代がピークなのは歩くスキルが上がっているのか。

出典:高齢者および高齢社会に関する検討ワーキンググループ報告書2024(厚生労働省)
上記は高齢者の通常歩行速度、25年間の変化です。
男性65~69歳の平均歩行速度、1992年1.26m/秒、2017年1.40m/秒、前後比0.14m/秒(111.1%)。
男性80~84歳の平均歩行速度、1992年1.16m/秒、2017年1.44m/秒、前後比0.28m/秒(124.1%)。
女性65~69歳の平均歩行速度、1992年0.86m/秒、2017年1.23m/秒、前後比0.37m/秒(143.0%)。
女性80~84歳の平均歩行速度、1992年0.79m/秒、2017年1.21m/秒、前後比0.52m/秒(153.2%)。
どの階層も歩行速度が上がっており、女性80~84歳に至っては25年間で約1.5倍強です。
平均寿命が長くなり、健康を意識して体を動かす人が増えたと想像できます。
視線を上げて歩く
健康を維持するのに手軽かつ現実的なのは「歩く」。
手間暇がかかってもリスクが低く効果が高いのは水泳ですが、プールに気軽に行ける環境の人は少なく、歩行は日常の中に取り入れられます。
その歩くメリットとデメリットを挙げてみます。
▼メリット
・健康増進
生活習慣病の予防・改善
高血圧・糖尿病・脂質異常症などの予防に効果的
血液循環が良くなる
食後高血糖を防ぎ、血管の老化を抑える
便秘改善・腸内環境の向上
・肉体強化
有酸素運動で心肺機能向上
筋力・関節の維持
転倒予防や腰痛・膝痛の改善
疲れにくい体づくり
・精神面
メンタルヘルスの向上
ストレス軽減
・そのほか
脳の活性化・認知症予防
ダイエット効果
▼デメリット
・歩きすぎによる疲労・関節痛
・けが
・朝ウォーキングの心臓への負担
以前このブログにも記載しましたが、僕は歩くことが好きです。
一駅二駅くらいであれば、歩行移動は楽しみだと考えています。
道順は最短距離を基本として、時間があれば横道にそれて新しい発見を求める。
ただ、これも自分が東京在住なのかもしれないと思っています。
東京には普通の街並みに変化が多く、興味をそそられる要素がたくさんあります。
仮に5kmの歩行で左右が草原のみならば、飽きてしまう。
リラックスモードで歩いている時、脳のモードが日常から非日常に切り替わる。
仕事をしている時は、目先の課題の処理に注力して左脳優位。
歩いている時は左脳も右脳も使って、目先のことであったり未来予測のフワッとした内容など、思考が拡散する。
また視点が変わるので、悩み事に対し違う解決策が思い浮かんだり、そもそも悩む必要などなかったと棚卸できたりもする。
ウォーキングや軽いランニングは、脳のデトックスです。
自分にとってウォーキングや散歩は健康維持の意味もありますが、メンタルヘルス対策です。
生きていれば多分に発生する嫌なことを手放す、アーシングでもあり重荷を減らせる。
僕にとって歩行は生きるバランスを取るのに効果的で、この先もできるだけ歩き続けたい。
そのために、今のうちから筋力を落とさない意味でも、暇を見つけては歩いています。
さいごに
メンタルダウンした人に対し、医者から散歩を進められるお話はよく耳にします。
専門家による根拠ある対処法であり、万能ではなくとも、その効用は実行された方々のお話を聞いていると分かります。
歩行中に目線を上げて、周囲を見渡してみる。
それができるだけでも心に余裕がある状況。
東京都心部ではビルにさえぎられて空が見えない場所はありますが、空を見上げて雲をみると、思い浮かぶことはいろいろあります。
