【2019年】絵本ミリオンぶっく・2019年は9冊追加

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本・読書

100万冊以上売れた絵本をあつめた、全国書店ネットワークe-hon発行の『ミリオンぶっく』。
この『ミリオンブック』は毎年、無料の小冊子として一部の本屋で配られています。
2019年は9冊が新たに追加されました。
2018年は3冊だったので、2019年は100万冊に届いた本が多かったようです。

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ミリオンぶっくとは

『ミリオンぶっく』は全国書店ネットワークe-hon、が2006年より発行している無料冊子。
ここには0歳~5歳までのベストセラー(100万冊以上売れた本)が掲載されています。
以下のWebサイトが本家ですが、小冊子として全国約1,500軒の書店でも配布されています。

外部サイト:ミリオンブック(全国書店ネットワークe-hon)

100万冊超えなので、まさしくベストセラーばかり。
子どもに絵本を読み聞かせしていた方は、このラインナップの中で、かなり知っているものが多いはずです。
また、自分が子どもの頃絵本を読んでいるのであれば、「これ読んだなぁ」と思うものも見つかると思います。
いわゆる絵本の「古典」ともいうべき内容。
原作が外国のものもいくつか含まれています。

2019年に追加された9冊

だるまさんの

▼あらすじ

愛嬌たっぷりの絵柄と、動き。
『だるまさんが』の続編である『だるまさんの』。
め(目)、て(手)、は(歯)、け(毛)、お(尾)。
今作も見開きで毎回、わくわくさせてくれる作品で。

▼感想

前作でもおなじみの、あの愛嬌のあるだるまさんが再登場。
だ・る・ま・さ・ん・の・・・。
音感も子どもにとっては、心地よいと想像します。
何度も読み返して分かっていても、子どもは喜ぶ姿が目に浮かびます。

もしもしおでんわ

▼あらすじ

寝ぼけ眼(まなこ)の主人公モモちゃんのところに電話がかかってきます。
「もしもしモモちゃんです」というと、いろいろな人がモモちゃんに話しかけます。
モモちゃんは彼らと一緒にお散歩にいくことにしました。

▼感想

おひさまや動物から、人間に電話がかかってくるファンタジー設定。
それでもみんなでお散歩する、絵本ならではのストーリー。
初版が1970年と半世紀前からのベストセラー。
いわさきちひろさんの水彩画のやさしい絵柄も特徴的です。

バムとケロのおかいもの

▼あらすじ

一週間の真ん中の水曜日は、カエルのケロも早起き。
この日は市場があいているので、それを楽しみにしています。
バムと一緒に市場に行って、買い物をしたりご飯を食べたり。
たくさん買っておうちについたら、疲れて寝てしまいました。

▼感想

やさいい絵柄と色遣いが印象的な作品。
空白ではなく、画面いっぱいにいろいろなものが描かれています。
ありふれた日常の一コマを、すこしコミカルに演出。
少し年齢が高めの子ども向けの作品。

14ひきのひっこし

▼あらすじ

父母、祖父母、兄弟10匹のネズミさん家族。
森の奥をめざして、引っ越し開始。
道中、イタチさんや上り坂の難所を超えて。
無事に素敵な根っこを見つけて、みんなで夜ご飯。

▼感想

探検や冒険を感じるストーリー。
画面いっぱいの絵に、下に1行だけの文字。
絵で見せる、絵本の見本のような作品です。
優しい色使いの作品です。

すてきな三にんぐみ

▼あらすじ

それぞれの武器を持った三にんぐみ泥棒が、町にやってきました。
最初は泥棒だったのですが、ひょんなことから女の子を奪ってしまい。
女の子の説得で、心を入れ替えた三にんぐみ。
たくさんの悲しい子どもを集めて、お城に住めるようにしました。

▼感想

表紙も含め、一見、怖い印象の絵本です。
登場人物が泥棒設定なので、一見とっつきにくい作品とも思いますが、そうではありません。
泥棒が改心して良い行いをする、王道のストーリー。
明るいだけの作品にはない変化球も、子どもには良い影響を与えると思っています。

ずーっとずっとだいすきだよ

▼あらすじ

主人個の男の子と、犬のエルフィーは一緒に育ちました。
ある朝、飼っていた犬のエルフィーは死んでしまっていました。
飼い主の男の子はエルフィーに毎晩「ずーっと、だいすきだよ」と話しかけていました。
他の飼い主は気持ちをエルフィーに伝えていなかったので、悲しかったのですが、男の子はすこしだけ気持ちを伝えていたので楽でした。
次に動物を飼うときも、自分の気持ちを伝えようと男の子は思いました。

▼感想

愛するものと死別する、これも絵本の不変のテーマ。
そして気持ちを言語化しておくのも、いまの時代にぴったりの内容。
想いが強ければ強いほど、死別のショックは大きいです。
絵本を読むのは、それをほんの少しだけ練習するようなものかもしれません。

はなをくんくん

▼あらすじ

冬眠中のくまさんや、野ねずみ、小さなかたつむりもさん。
目覚めた後にみんな。はなをくんくんさせています。
いいにおいがする方向にみんなが描けていく。
そこには季節を感じるものが。

▼感想

ほとんどが白と黒のモノクロ作品。
それは、最終頁への序章。
テーマは季節、冬から春に変わるその暖かさを感じさせるとき。
動物たちのやさしい表情も、暖かさを感じさせる作品です。

もじゃもじゃ

▼あらすじ

主人公は髪の毛がもじゃもじゃな女の子ルルちゃん。
犬や木も、もじゃもじゃ。
それをチョキチョキ。
みんなスッキリしました。

▼感想

せなけいこさんらしい、切り絵のような絵柄。
ストーリーも文字数もはシンプルなので、小さな子ども向け作品。
チョキチョキの音感も、もじゃもじゃ同様、擬音で子どもに受けます。
女の子の方が、好きになるかもしれません。

アンパンマンのサンタクロース

▼あらすじ

雪に埋まったクマのサンタクロースを助けだすアンパンマン。
サンタクロースはお腹ペコペコなので、アンパンマンは自分の顔を食べさせました。
それでもサンタは寒さで動けず、アンパンマンが代役に。
調子に乗ったアンパンマンは、プレゼンをを配りすぎて、途中で足りなくなってしまいました。
そこに助けに来たのは・・・。。

▼感想

本作はクリスマスのお話でもあり、サンタさんとプレゼントがモチーフ。
今回はちょっと調子に乗ったアンパンでしたが、エンディングもハッピーエンド。
序盤にはアンパンマンの王道である、自分の顔を食べさせるシーンがあります。
顔のないアンパンマンが飛ぶ姿はシュールです。

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さいごに

冒頭にも記載しましたが、2019年に新たにミリオンセラーに追加された本は9冊。
2018年の3冊から考えると、累積して100万冊に達したのがたまたま集中しただけですが、豊作だった年と言えます。

ミリオンまでは、せなけいこさんの『もじゃ もじゃ』が1970年が初版のように、それなりの年月がかかっています。
歴史に磨かれた本は、好き嫌いはあるかもしれませんが、どれも魅力的です。

2019年のミリオンセラーの中で、個人的に好きな作品は『ずーっとずっとだいすきだよ』。
主人公の男の子の立ち直りが早すぎなのでは、との意見もありますが、身近な動物の死は子どもに考えてもらいたい内容。
僕自身、自分が飼っていた犬の死といのは、いまでも心に静かに残っている内容です。