しっかり睡眠時間を取る重要性は、いまや一般常識レベルです。
子どもでも大人でも、睡眠不足がさまざまな問題につながる。
20年間の子どもの睡眠時間推移を見てみると微増でした。
当たり前を、当たり前に実行する人が増えていると思っています。
遅い時間のベビーカー
たとえば渋谷のセンター街で、夜9時過ぎの時間に、ベビーカーを押している親子を見かけます。
渋谷は夜になっても人が多い場所があり、そこでのベビーカー移動は、東京ならではの光景かもしれません。
日本人らしき親子もいますが、中国人など海外の親子もいます。
ベビーカーに乗った子どもは、しっかり起きている子もいれば、グッスリの子も。
僕は自分にとっても、子どもにとっても睡眠が大事と考えています。
と言っても、夜、みかける親子に「子どもは早く寝た方が良いですよ」は絶対に言いません。
日ごろは早寝で、事情があってその日だけ夜の時間帯に移動している。
そもそも他人様の家庭の方針は、だれかが軽々しく口出ししてはいけない、と僕は考えています。
それでも、わが家では「子どもはしっかり寝る」はかなり重要度の高い方針です。
10歳代前半の睡眠時間の推移
子どもの睡眠のお話なので、睡眠時間データを探しました。
以下が10歳~14歳の、男女別の睡眠時間推移です。
本当は乳幼児の時間推移を見たかったのですが、探しきれず。
子どもの睡眠時間増減傾向が目的のため、ひとまずこの情報をグラフ化しました。
出典:社会生活基本調査の結果(総務省統計局)
縦軸はゼロからにしているので、変動幅は見えにくいです。
このグラフがゆえ見えるものとして「ここ20年でほとんど変わっていない、微増」です。
細かい数字を見ると、20年間で男子が23分増加、女子が9分増加でした。
僕は「子どもの睡眠時間減少が危ない」のようなニュースを見聞きしているイメージを持っていました。
僕が誤った情報ばかりに触れているのか、バッドニュースが記憶に残りやすいのか。
この社会生活基本調査データでは逆でした。
睡眠時間は減少ではなく増加。
睡眠時間が重要なのはいまや当たり前の時代。
スマホなど誘惑も増えている中、その当たり前を実践している人が増えているとも取れます。
睡眠時間と学力の相関
当たり前をしてどうなるのか。
典型的な例として、睡眠時間と学力の関係グラフが以下です。
出典:Sleep schedules and daytime functioning in adolescents.(US National Library of Medicine National Institutes of Health)
この睡眠習慣調査は、アメリカの3,120人の高校生を対象に行われたものです。
一言で表すと「睡眠時間が長い子どもは成績が良い」です。
こうした研究結果は、他にも日本国内、海外ともあります。
それらの理由で良く出てくるのが、睡眠不足による集中力欠如、記憶力や認識力、モチベーションなどの低下。
言われなくとも、たいていの人が、体感的にわかっていることです。
徹夜した後、ボンヤリして、仕事に集中できない。
他にも、睡眠が重要というお話は、枚挙にいとまがありません。
ホルモンバランスが整うので肥満になりにくい
22:00~2:00が睡眠のゴールデンタイム
精神が安定傾向、うつになりにくい
記憶にかかわる脳の部位海馬は、睡眠時間5~6時間の子どもは9~10時間の子どもに比べて1割小さい
それでも理想睡眠時間と現実睡眠時間で、乖離がある(寝足りない)人が多いのが現実です。
習慣化こそ最上施策
冒頭、わが家では「子どもはしっかり寝る」方針と書きました。
これには「良いことを続ける習慣化の一例を体感してほしい」面もあります。
僕は「人間は意志が弱い」前提で、物事に当たると良いと思っています。
何かを続けようとして、続かない経験はたいてい誰しも思い当たる。
英語を話せるようになろうと、中途半端に勉強して身についていないのはその典型例です。
逆に、習慣化できた人の例として、知り合いにNHK英会話を3年聴いて、英語でビジネスを継続している人がいます。
その人は、日常的に海外との取引を続けているので、英語が風化もしない。
続ける環境をつくるのは、目的地へたどり着くための最上の施策です。
そして、成功体験からやる気を育てる。
ちゃんと寝て、テストや運動で結果を出し、少しずつ難易度を上げていく。
しっかり寝る習慣化できていると、その先につながる可能性が高いと思っています。
さいごに
夜、小さな年齢の兄弟が、1件屋風の飲食店から出てきて、外で遊んでいる。
遅い時間まで開店している、自営業のお店のご家庭の子ども達です。
何でも自由に選べる環境であれば、早寝が子どもに良いとは思います。
それでも、こうした両親が夜遅くまで働いている状況で、子どもに早寝を共用するかといえば悩ましい。
子ども達はお父さんお母さんが、お店が終わるのを待っている。
遅い時間なので、閉店後に遊んでもらえないのを分かっていても、起きて待っている。
ひょっとすると、大好きなお母さんお父さんのそばにいたいだけ。
そう考えてしまうと「早寝した方がよいのだけど、その気持ちは分かる」と思ってしまいます。