運の先

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育児・子供観察

運が良いと思い込む。
そうすると実際に結果が出やすいのは、研究結果でも裏付けられています。
運だけではなく、それを実力にするためにもう一歩踏み込んでみる。
人生のコントローラーを自分の側に置いておくと、楽しさが増えます。

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運が良いと思い込むのは正しい

運が悪いと思っている人は、実際に運が悪くなる。
運が良いと思い込んで行動する人は、良い結果がついてくる。
このお話は、ネットを探せばいくらでも出てきます。

有名な心理学者ライサン・ダミッシュによる心理学実験も思い込む面で、近い内容です。
・このボールはパターがよく入るラッキーボール
・このボールはただのボール
上記2つの言葉とともに渡されたゴルフボールを入れる実験の結果、ラッキーボール側が3割以上、成功したというもの。

「あの人は運を持っている」のような言い回しは、雑談のなかでたまに話題になる。
集団が大きくなれば、何人かは運が良いと評判になる人が出てきます。

反対に、ため息ばかりついている人の周りに人が集まることはなく。
負のサイクルを自分で作っている人は、結果的に運がないと分類されます。

この辺り「運」で片付けるのは浅慮で、何らかの行動の結果が本来の原因ですが、結果を出している人を指して運が良いという評判は、どこにでもあります。

セルフコントロールの重要性

「朝起きたら10回、自分は運が良いと声に出そう」
運を良くするために推奨されるアクションの一例として上記のようなものがあり、類する啓発本は無数に存在します。
これが間違っているのではなく、笑顔でいると幸せな気持ちになるのは、いまの科学で定説です。

アクション→結果→分析・考察→計画→アクション→(続く)
朝起き10回コールだけでは、笑顔→良い結果で終わるので、良いサイクルとしては不十分です。

自分の本気度や、事前準備など、運を引き入れるための準備はたくさんある。
目的地の設定→どうやって行くか計画→アクション→結果→分析・考察→計画→アクション
良いサイクルが習慣化できれば、他にも応用が利きます。

本来の意味での「運」は自分の側でコントロールできない部分なので、コントロールできる部分に注力する。
失敗だったとしても、しっかり思考すれば、どこがどの程度ダメだったのかが分かる。
あの部分をチューニングすれば次回は成功するとか、何回やっても勝ち筋が見いだせないので違う土俵に行く。
良い結果が理想ですが、撤退しても納得できれば、笑顔にもなれます。

自分の思いを具現化し続ける人は、できる範囲の部分についてコントローラーを手放しません。

口癖のラッキー発言

子どもが成長して、言葉を覚え、たどたどしく使い出す。
はじめは知っている単語を駆使して、しどろもどろに「うーんと、うーーーんと、あのね、あれなの」。
一生懸命、自分の気持ちや物事を説明しようと必死な姿に、待ちの姿勢を取る。
大人同士の場合、的確な言葉を使えばプラス、分かりにくければマイナスですが、子どもは過渡期の何でもトライ中。

子どもは、シチュエーションに適した単語を覚えた時、使いたがるのも1つ。
イタズラが見つかってごまかしたいのか「忘れた」で逃げようとするのも、一定までは許容です。
また、保育園/幼稚園に所属したり友達が増えてくると、友達が使っていた言葉をまねて親の知らない単語を口走り出します。

わが家の子どもが、一時「ラッキー」を連呼する時期がありました。
発生元が友達なのか絵本なのかテレビ・ネットなのか、どこにでも出てくる言葉なので分かりませんが、とにかく良いことがあるとラッキーと言う。
「ラッキー」の日本語「運」について、コトバンクでは以下でした。

① 幸、不幸などをもたらし、状況を動かしていく、人の力ではどうすることもできない作用。巡り合わせ。運命。
② (特に、よい場合をいう) 幸運。しあわせ。⇔不運。

出典:(コトバンク)

夕ご飯のおかずが好きなメニュー、図書館で読みたかった本が借りられた時、雨に降られそうな天気に外出して帰宅後すぐに降雨、それぞれラッキーと発言する。
「今晩〇〇が食べたい」と母親にリクエストして好きなメニューになる可能性がある点で、これは自分でコントロール可能。
図書館でたまたま書架にあった本はたまたまそこにあっただけ。
雨に降られなかったのは、降り出す前に帰宅時間をコントロールする意味で、半分自分側で調整できる。

わが家の子どもは、偶然性を無視してラッキーを使っているので、本来の意味としては微妙です。
それでも、子どもは正しいと思って使っており、言葉自体ポジティブなので、僕は微笑ましく聞いていました。

自因自果

言葉の意味と使い方が違うのであれば、適宜、子どもにわかるように説明して修正していく。
毎回、指摘するのではなく、子どもにとってしつこく感じられないくらいのバランス感覚を持って話す。
子どもに言葉の意味を説明していると、自分の説明が正しいか不安になるくらいが謙虚姿勢としてはちょうど良いものです。

子どもが成長して大人になったとき、失敗最小化戦略が大半になってしまわないよう、挑戦できる人であってほしい。
「君はいつも違っている」と厳しい指摘を繰り返した結果、自分はダメなんだと思い込んでしまう子の話はよく聞きます。
間違いを知り、受け止め、修正する経験を積み、いつでもチャンスにスイングできる人になってほしい。

「神経質で不安を抱きやすい」気質の日本人は68.2%と、以前以下を書きましたが、心配性がベースで合っても、ポジティブな言葉を使う習慣は、周囲の人へもプラスに影響します。

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自分の発言には、対外的にも自分の中でも責任が伴う。
仏教でいうところの以下です。

善因善果
悪因悪果
自因自果

とは言え、子ども時分は、そこまで深く考える必要はなく。
「ラッキー!」とぴょんぴょん飛び跳ねる子どもの姿自体、親として嬉しくもアリ、うらやましくもアリ。

親側の子ども依存と言われたとしても、子どもの喜んでいる姿は、親にとって強力なモチベーションです。
師匠は弟子の成長を喜ぶものと同じ。

人生が笑顔ばかりではいられないのは、成長すればいずれ分かります。
起こった事象を受け止め、悲しい時には悲しみ、嬉しい時には喜ぶ。
悲しい時間も人生では大切ですが、子どもの笑顔は親にとって代えがたいものです。

自分の言葉や行動をコントロールして、たくさんの楽しい果実を作る。
収穫した果実を、周囲にも共有できる人は、どこにいても生きていけます。

さいごに

松下幸之助さんが面接で使った有名な質問肢に「あなたは運が良いですか」があります。
Noと答えた人は、採用しなかったというお話です。
この質問、いまの時代はコンプライアンス違反に抵触しそうで微妙ですが、言わんとしていることは分かる。
一緒に働く人の考え方を知るうえで、分かりやすい質問です。
ポジティブな人とネガティブな人、どちらと一緒に働きたいか、たいていは前者になります。

自分は運が良いと思います、と面接者が答えたとしても、もう一歩踏み込んでみる。
自分がコントロールしたの結果の運が良さなら戦力、能天気な運の良さであれば回避対象です。