子ども時代のお手伝いは自分に返ってくる

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育児・子供観察

子どもがお手伝いしてくれるのは、たいていの親が望むもの。
現実は自発的にお手伝いしてくれる子は、25%というアンケート結果があります。
お手伝いは子どもの自立視点でみると、さまざまな点で効果的なのは言うまでもなく。
ルーチンワークのようなタスクでも、工夫次第でたくさんの気づきがあります。

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小学校低学年は週に1日以上自発的にお手伝い

以下、2022年のマイナビ子育て読者のパパ・ママ503名の「子どものお手伝い」アンケート結果です。
新しい情報ですが、年齢情報がないため、子どもが何歳なのかは分かりませんが結果は以下。

お子さんの「お手伝い」への取り組み方
出典:「子どものお手伝い」に関するアンケート(マイナビ子育て)

「自分から進んで取り組む」は26%と約1/4です。
次に「頼まれると取り組む」と「言われてしぶしぶ取り組む」を足すと73%。
上のグラフには「お手伝いをしない」回答がないので、2015年と少し古いですが別の情報元データが以下です。

子どもがお手伝いをする頻度
出典:小中学生のお手伝いに関する調査(日本生活協同組合連合会)

全般的には、小さな子どもの方がお手伝いする割合が高い。
上記グラフ内一番右「(お手伝いを)ほとんどしていない」が、年齢が高くなるほど、割合が増えています。

子どもが“自発的に”お手伝いをする頻度
出典:小中学生のお手伝いに関する調査(日本生活協同組合連合会)

上記は、親が依頼・指示するのではなく、自発的にお手伝いをする頻度です。
当たり前ですが、親が依頼してお手伝いをする頻度より、お手伝いする子どもは少ない。
とは言え、小学校低学年時は、週に1日以上自発的にお手伝いをしています。

よくやるお手伝いは食事関連

子どもが日頃手伝っていること
出典:小中学生のお手伝いに関する調査(日本生活協同組合連合会)

1位「食後の食器下げ」65.1%、2位「食事の準備」37.0%、3位「弟・妹の世話」29.0%。
食事関連が1位と2位なのは、お手伝いの基本でもあり、一人で生きていくうえでの必要スキルにもなります。
親目線では3位の「弟・妹の世話」は、ケンカが始まると手間は増えますが、いろいろな意味でありがたいお話。

おうちで子どもが好きなお手伝いはなに?
出典:おうちで子どもが好きなお手伝いはなに(ARINA株式会社、おうち教材の森会)

上記は別の情報元ですが、やはり食べ物に関するお手伝いが多い。
5位「靴を並べる」はお手伝いなのか微妙かもしれませんが、家族で出かけるとき全員の靴を子どもが率先して靴箱から出してくれる配慮的な行為は、小さなころからそれが当たり前になるなら大人になっても周囲の人から好かれます。

親よりも子どものほうが上手にこなせること
出典:小中学生のお手伝いに関する調査(日本生活協同組合連合会)

上記は「親より子どもの方が上手にこなせるお手伝い」と視点がおもしろかったので引用しました。
1位「弟・妹の世話」10.4%、2位「スマホ・PC操作」8.1%、3位「テレビ録画」4.8%。
子どもは習得が早く、デジタル機器やスマホなど、親が知らない機能もあっという間に使いこなします。

お手伝いで報酬をあげるのは小学生からが大半

子どものお手伝い頻度を上げるために、親側が気を付ける。

子どもが自発的にお手伝いをするようになるために大事だと思うこと
出典:小中学生のお手伝いに関する調査(日本生活協同組合連合会)

上記、お手伝いするようになるために大事にしていることですが、どれも納得のラインナップです。
ありがとうは最たるものですが、気持ち良くお手伝いをしてもらうのは、特に幼少期の子どもであればそれがゴールにもなり得るくらい大事です。

「お手伝い」から生まれる親子コミュニケーションは重要か
出典:「子どものお手伝い」に関するアンケート(マイナビ子育て)

2択回答なので、良い質問ではありませんが、言わんとしている内容は理解できます。
お手伝いをお願いするところから、一緒にやったり、あえて手を出さずサポートに徹する。
そこには間違いなくコミュニケーション要素が詰まっており、仮に言葉が少なくとも濃密な時間です。

子どものお手伝いでの報酬をいつからあげているか
出典:子どものお手伝いでの報酬をいつからあげているか(子供の習い事図鑑)

上記、お手伝いしたらいつからおこづかいなどの報酬をあげるかですが、小学校時代が大半です。
お手伝いに対して報酬を出すのは、一昔前であれば報酬のために動く、報酬がないと動かない人になるとネガティブ意見がありました。
以下、過去に書いたた文章で、アンダーマイニング効果はありますが、いまは適切な状況を作られれば報酬は問題ありません。

子どもへのご褒美も適切な方法ならプラス
子どもにご褒美をあげるときに悩む。 アンケートをみてみると、9割の親が子どもにご褒美をあげています。 ご褒美は子どものためにならないなどの、ご褒美論争は長年続いています。 いまの研究結果では、一定条件で褒美をあげるのは、成績向上につながりま...

ここまでをまとめます。
・自分から進んでお手伝いする子は26%
・年齢が上がる毎にお手伝いをする子どもは減る
・お手伝いの種類は食事関係が多い
・親側はお手伝いを重要コミュニケーションと考えている
・お手伝い報酬の大半は小学校のうちから

お手伝いは経験すべきマルチタスク

子どもにとって、お手伝いのメリットを上げます。

・成功体験、自信がつく
・工夫経験、想像力向上
・手先のトレーニング
・責任感が身に付く
・家事全般能力の向上、将来の役に立つ
・料理のお手伝いの場合、食事への関心が変わる
・親がいつも何をしているか理解できる
・家族内コミュニケーション
・所属欲求が満たされる
・褒められて承認欲求が満たされる
・スケジューリング、プロジェクトマネージメント
・報酬(お小遣いなど)が貰える

メンバーのモチベーション管理は、会社での中間管理職にとって深い課題です。
モチベーション管理自体は、会社以外でも一般知になり、それは子どもと向き合う時にも使えます。

頭ごなしに「やりなさい」は、良い結果につながらない。
言い方、やり方を工夫して、子ども側がいつの間にか実行している。
言葉は悪いですが、特に幼少期の子どもを動物とするなら、ご褒美も含め手を変え品を変えは1つの方法論です。

子どもにとっての重要点「自己肯定感が高まる」は、諸刃の剣であっても一定以上は持っていた方が良い。
自己肯定感を高めるために、成功経験を積み重ねるのは因果関係です。

いまは何でもアプリが存在しますが、お手伝いアプリもやはりあります。
機能としては、お手伝いポイント管理、複数人登録、履歴が見られるなど。
それをお小遣いに換金するかなど、各ご家庭の方針となります。
子どもが小さいうちにスマホを買い与えるのが悩ましい時は、紙での管理もある。

いままで、やっていなかったことも最初から全部でないにしても一部、子どもができるものを切り出していく。
お味噌汁を初めから全行程を子どもに任せるのではなく、入れる材料の加工部分だけ切り出す。
慣れてきたらお味噌を入れて溶くパートもやらせて、そのうち一人でお味噌汁が作れるようになる。

つい自分が手を出してしまいそうになりますが、辛抱強く子どもができるように待つと、子どもの未来の財産になります。
失敗も含めた経験が家族の歴史でもあり、あとで振り返ってみると味わい深い育児経験。
思い出の中の「実家のみそ汁の味」にもつながります。

塾を含む勉強だけに注力し、お手伝いをさせないなら、大人になった時バランスを欠いた人にならないか。
座学のみ強い頭でっかちでは、行動必須の現代、活躍の場は限定されます。

家族分の料理を作るなら、食材の調達から調理、何時に完成させるかなど複合タスクです。
お手伝いを通して工夫を凝らす経験は、自分のためにも人のためにもなります。

さいごに

人によって身に着けるタイミングは違いますが、社会に出るとほぼ全員やるべきことをタスクとして処理するクセというか習慣が身につきます。
家事に当てはめてみると、洗い物や、ゴミ出しなど、見えない家事も含めてタスクは無数にあります。
これら単純作業は、音楽をかけたり鼻歌を歌いながら、淡々とこなしていくだけ。

生きている間中、能動的か受動的かはありますが、やることはどんどん積みあがっていきます。
そのタスクを順位付けして、こなしていかないとリカバリーが大変。
アリとキリギリスでいうアリの仕事のようですが、掃除に100点はなく、結果タスクは無限に存在します。
妥当なレベルを維持するためにアクションする。

いつもやっているタスクでも、あれこれ考えてみると工夫箇所はあります。
改善点を見つけたとき嬉しいですし、人生はこの繰り返しです。