お菓子の売り上げが伸びている

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育児・子供観察

お菓子売上は、全体傾向として微増です。
中でもここ20年で一番伸びているのは「チョコレート」で、下がったのが「チューインガム」。
時代は健康志向に向かっているので、超加工食品のニーズは減少しそうですが、わずかであっても増えている。
身近なストレス解消や少しの後ろめたさも、お菓子に手が伸びる要因かもしれません。

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お菓子売上は20年で109.1%

ここ20年のお菓子小売金額の推移が以下です。

お菓子 小売金額 推移
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

わずかに前年割れしている年もありますが、トレンドは微増。
2003年(31,485億円)と2022年(34,361億円)を比べると、2,876億円の増加で増加率は109.1%。

もう1つトピックは、2020年に下がっています。
2020年はコロナウィルス開始年で、この年は前年比94.0%とこの期間内では最大の下落幅です。
コロナ過で、1つ思いつくのはリモートワーク普及。
会社での需要減と家庭での需要増が考えられますが、結果、会社>家庭だったのか。

お菓子 1人当たりの候売り金額
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)
日本の総人口
出典:人口推計(e-stat)

日本の人口のピークは2008年で、それ以降は減っています。
高齢化も進んでいるので、総人口で割るのが適当は分かりませんが、上記はお菓子小売合計額÷全人口です。

総論、微増です。
コロナ過初年の2020年は下がっていますが、1人当たりのお菓子売上はわずかながら上昇し続けています。

チョコレートは約1.4倍、チューインガムが約1/3

お菓子 小売金額合計の推移 分類別
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

お菓子の種類別売り上げの積み上げ結果が以下です。
これでは良く分からないので、2003年起点のお菓子種類別増減率が以下です。

お菓子 小売金額合計の増減率
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

2003年と2022年を比べて一番伸びているのが「チョコレート」の139.4%。
伸びている側の次点は、「スナック菓子」134.9%、「ビスケット」134.0%です。

減少側は「チューインガム」37.9%、「せんべい」85.5%、「洋生菓子」89.8%。
「チューインガム」はこの20年で約1/3になっています。
「せんべい」は、高齢者に親和性が高そうですが、歯が弱くなると厳しいのかワースト2位。
「洋生菓子」は下がる理由が分かりませんが、人の交流が減ったことや経済的理由で削減されたなどは想像できます。

お菓子 2022年 種類別金額
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

2022年単年の種類別売上が上記です。
「チョコレート」が1位、その下に2位集団がいて、3位集団は一気に下がっています。

お菓子 2022年1世帯当たり月別菓子支出金額
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

2022年の月別情報があったので、こちらもグラフ化して見ました。
3月、8月、12月が高い。
春休みや夏休みの長期休暇と年末(12月)、お菓子の売上が高くなっています。

輸入輸出とも1位はチョコレート

2022年 菓子輸出
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

2022年のお菓子輸出情報が上記です。
1位「チョコレート菓子」2位「キャンディー類」3位「あられ、せんべいその他米菓」。
スーパーやコンビニで買える日本のチョコレートの味がおいしいがゆえ、輸出1位なのか。
3位の「あられ、せんべいその他米菓」も、コメ文化の日本らしいと感じます。

2022年 菓子輸入
出典:菓子関係データ(全日本菓子協会)

上記は輸入情報です。
輸出同様、1位が「チョコレート菓子」。
たしかに、高級チョコレートからアメリカテイストの超甘いチョコレートバーなど、思い当たるものがあります。
2位の「ビスケット、クッキー及びクラッカー」も、世界展開しているメーカーの製品が思い当たります。

ここまでをまとめると以下です。
・お菓子はここ20年微増トレンド
・人口減少期だが1人当たり売り上げは上昇
・チョコレートが一番売上も高く伸びてもいる
・お菓子は子どもの長期休暇時期によく売れる

お菓子は名バイプレーヤー

お菓子を食べるとき、少し悪いことをしている気持ちになる。
健康への関心が高い現代人、そう思う人も増えている気がします。
「好きなモノが食べられないなら死ぬ」の物言いがありますが、現代は健康診断で見える化されることで、そうも言っていられないプレッシャーがあります。

飲酒喫煙が減り、野菜や魚を取り入れた身体に良い食べ物を食べ、適度な運動を心掛ける。
寿命が延び、働く期間も長くなり、「充実した老後」のような言葉にも追いかけられる。
もう少しすると、健康が信仰になるのかもしれません。

それでも、健康になるためにに生きる人は多分いない。
健康は生きる目的ではなく、お金と同様、何かをするための手段です。

スナック菓子は超加工食品で、いまの科学では発がん率を高めるものとされています。
だからと言って食べないのではなく、上記の通りお菓子売上は微増しています。

一般論として、大人は子どもより理性があるとして、なぜ大人がお菓子を食べるのか。
大人が食べたいと思うのは、ストレス解消などもあるかもしれませんが、そこに「おいしさ」は間違いなくある。
自分一人で食べるときもあれば、仲間と集まった時の賑やかしのような、気分を盛り上げもできる。
現代において、お菓子は生活に寄り添う名バイプレーヤーと感じます。

企業努力のたまものですが、お菓子はおいしい。
自制心が緩い子どもがお菓子食べたいと思うのは、自分の子ども時代を考えても「まぁ、そうだよな」と感じます。

人が食べているものがが美味しそうに見えるのもあります。
子ども達が公園に集まって、自分のお菓子は自分で持ってきているのに、友達のお菓子をじーっと見る。
相手のママさんが「良かったら、まだあるから食べる」の言葉に、満面の笑みを浮かべる。
食欲が、人間の三大欲求なのを体現するシーンです。

女性が1週間働いたご褒美に、週末、スーパーでアイスクリームですがハーゲンダッツを購入して食べる。
定価で購入するには少し高いので、スーパーで少し安く販売しているタイミングに出会ったとき手を伸ばす。
スイーツをたくさん食べるのは健康面でも体型面でも気になるので、たまにしか実行しない自分ブレーキが働く。
大人の男性であれば、スナック菓子がこれに当たりそうな気がします。
実際、僕の身の回りでよく聞くお話で、現代人は大人になっても節制を意識しつつお菓子を食べています。

お菓子を食べて少し健康面でマイナスになったとしても、それを上回って人生に彩(いろどり)を添えてくれる。
大分持ち上げすぎですが、お菓子は人生の楽しみの1つです。

さいごに

僕が働きだしたころ、まだ残業上限規制がありませんでした。
当時の僕の就業先はIT業界だったため、徹夜作業も日常的にあり、絵にかいたような悪い食生活が蔓延していました。

夜、半分惰性の深夜作業を見越して、近くのコンビニでカップラーメンとお菓子とジュースを買ってオフィスに戻る。
机の上でカップラーメンを食べ、ポテトチップの袋を全開に開いて、箸でつまんで食べる。
缶コーヒーや、カフェイン系のドリンク、清涼飲料水などが水分補給源。
結果、お腹周りやあご回りがぽよんとしている同僚は、それなりにいました。

そこから時代は流れ令和になり、当時、中年太りだった人たちがいま、どうなっているか。
身の回り観測では、半数くらいはスリムになっています。

オッサンのお腹周りで時代を語るには微妙ですが、いまは身体も心もシュッとした人が多くなりました。