習い事を辞める目安

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育児・子供観察

子どもが習い事を初めて、どこで辞めるか。
子どもの気持ち、辞める期間、辞める理由など、考えるパラメータは多いもの。
GRITで考えるなら、2年間継続は1つの目安です。
子どもが習い事で技術を習得するとともに、心も豊かになれるなら最高の環境になります。

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習い事を辞めたいという子は約半数

子どもがどこかのタイミングで、習い事を辞めたいという。
アンケート結果を見ると、その割合は半数程度です。


出典:「子どものならいごと」についてのアンケート(コクリコ)

「習い事をさせていない」が6.7%で、残りの習い事を辞めたいと言った子とそうではない子がほぼ半々。
2021年12月24日~2022年1月7日のアンケートなので最近の情報ですが、子どもが辞めたいと言わない割合が半数。
習い事を選ぶとき、事前判断が上手くできているのかもしれません。


出典:2年未満で習い事をやめる理由は「お子さまと習い事の相性」(ベネッセ)

こちらは2010年の少し古いデータですが、習い事の継続期間情報です。
一番多いのは「1年~2年未満」で22.3%、2番目が「2年~3年未満」の17.6%。
2年未満を合計すると、47.3%とほぼ半数になります。


出典:2年未満で習い事をやめる理由は「お子さまと習い事の相性」(ベネッセ)

2010年のデータですが、辞めた理由の1位が「時間(が合わなくなった)」の29.0%。
2位が「子どもの習い事の相性」の24.4%で、以下ばらけています。


出典:『子どもの習い事に関するアンケート調査』を実施(株式会社イオレ)

習い事を辞めた理由で、もう少し新しい情報として2018年の別のデータがありました。
2010年と比べ、1位が「子どもの意思」の35.3%と、子どもの意向が最上位になっています。
2位の「他の習い事を始めるため」の30.6%も、近年らしいと感じます。

辞める判断は、始める判断よりも難しい

習い事を始めるにあたり、いまは以前に比べるなら子どもの意思が尊重されると、僕は周囲を見て感じます。
親が選択肢を並べ、強制的にやりなさいというより、これやってみる?の勧誘形式。
昔と変わらないのは、友達がやっているから一緒にやりたいも良く聞きます。

上のグラフで辞める理由の1位が「子どもの意思」というのも、その裏返し。
子どもが辞めたいと言い、親子で話し合って結果辞める、会話シーンが思い浮かびます。

上の学習曲線で考えた時、一気に伸びる負の曲線が、時間的・経済的には最適です。
この場合、成長が鈍化したところが、辞めるかどうかのタイミング。

他に、S字曲線だったり、向いていない習い事だと正の曲線になったり。
この場合、早い段階で習い事を辞めたいという子どもが増える可能性が高いのはしょうがない。
成長が感じられない、イコール楽しくない。
縄跳びの交差飛びが、数か月経ってもできそうになければ、子どもが辞めたいコールは発動されます。

辞める判断は、始める判断よりも難しい。
子どもが辞めたいと親に言い、親が分かりましたと、悩むことなく結論に至るシチュエーションは、悪材料が明確な時くらいしか想像できません。
引越しで物理的に遠くなったり、習い事仲間とおおきなトラブルを抱えた時など。

上記は曲線で描かれていますが、実際は成長を感じられないプラトー時期(足踏み期)が存在します。
イメージとしては階段のように一定成長しない期間があって、ある日1段階段を上る。
習い事に行くたびに、毎回手応えが感じられる成長は多分存在しません。

良い文章に出合ったり、数学で難問をクリアしたとき「あーそういう事だったのか」と頭の中でつながる瞬間。
その視野が広がるような、視点があがるような感覚は、プラトー時期の先に存在します。
人生において最上級の体験であり、身体に電気が走るという物言いは、こういう事なのかと思っています。

GRITと辞める判断

成功する要素はIQではなくやり抜く力(GRIT)と、多数のデータを用いてベストセラーになった本です。
他の人より継続してやり続けることが、結果、成功につながるというお話です。
それ以外にも周りに継続し続ける人が多い環境に身をおくや、GRIT力が高い人の方が幸福感が高いなど子どもを持つ親には気になるキーワードが溢れています。
目安としての何かを続ける継続期間について、GRITには以下の記載があります。

高校で課外活動を1年以上続けた生徒たちは、大学の卒業率が著しく高く、コミュニティのボランティア活動への参加率も高いことがわかった。
さらに、過大活動を2年以上続けた生徒に限って、1週間当たりの課外活動時間数が多かった生徒ほど、就職率も高く、収入も多いことがわかった。

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これはこの本の一例であり、アメリカの高校生のお話なので、そこは留意点かもしれません。
1つの事例として、2年以上続けるが目安と言えます。
この本ではやり抜く力(GRIT)は、環境を整備してそれを鍛えられる、と言う結論も親には心強い内容です。

師に出会えたなら僥倖

子どもにたくさんの経験をさせたい。
現実は時間・費用・そのほかの制約で、すべてのことはできません。
これ以外にも、子どもの嗜好、子どもは遊びたいし親側も遊ばせたいなど、考える点はあります。

1つの習い事を選ぶのは、他の習い事を捨てる。
最大5つくらいまでは掛け持ちができるとしても、5つもやると遊ぶ時間はなくなります。
いつも疲れている状態で、1つ1つの習い事の密度が下がってしまっては本末転倒。

僕はわが家の子どもと習い事をするとき、子どもと話して一緒に選びました。
子どもが日ごろ遊んでいるコンテンツや、子どもの性格、親のエゴをごちゃまぜにして、いくつかの選択肢を提示。
その中から、子どもが選んだものを、子どもにやらせています。

最初の約束は、1年続ける。
結果、わが家の子どもには自分が選んだ習い事がフィットしたようで、習い事の時間を楽しみにしています。

習い事自体を子どもが楽しんでくれるのは1つの理想です。
つらい時間か楽しい時間か、比べるまでもありません。

僕の理想論ですが、習い事継続にとって隠しパラメータとして、子どもが指導者を好きか、尊敬できるような人かがあります。
習い事なので技術的指導は基本として、メンタルサポート面や指導者の姿勢を、子どもが見て凄いなと思えるか。

子どもなので、姿勢部分で理解できない点は多いとしても、平等配慮や見事な受け答え、ユーモアセンスなど。
人生の指針になるような人がいると、子どもにとって大きな財産になります。

いまの時代、目先のことうまくできる人をロールモデルにしても、時代の速さに即しません。
そうではなく、生き方や考え方、人との接し方のようなものはタイムレス。

社会人で言うなら、最初に当たった上司が本当の意味で、後輩育成を考えるような人だったなら。
どこかで読んだニュース記事で、世界展開している会社で支店長クラス以上になった人の要因を調査した結論が、最初の上司が当たりだったか(部下に厳しく温かくサポートしていたか)、というのは身につまされるお話です。
後輩は、その時は分からなくとも、あとから自分に宿った種がそういうことだったのだと気づく時がきます。

子どもが熱中できる。
習い事の内容が良い。
参加している友達と一定以上の関係性を築けている。
指導者との相性が良い。

マッチする項目が多ければ多いほど、習い事が意義深い時間になります。

さいごに

合わなければ辞める。
いまは体験レッスンのような制度がたいていあるので、参加後のミスマッチは少なくなっている気がしますが、どこかで嫌になる時が来たとして、すぐに辞めさせるか。

僕は根性論が苦手なので、石の上にも3年のことわざは、目の届かないところに置きたい。
それでもGRITのように、一定期間、蓄積が必要なことは経験的にも賛成の立場です。

おもしろさがわかるのは、その人のレベルによります。
将棋での「歴史に残る一手」を理解するには、ある程度の技術が必要になります。

深みにはまりこんで、名人芸が分かるようになる。
じんわりと、深く楽しい時間です。