子どもの集中力維持時間

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育児・子供観察

集中して課題に取り組む。
他の何かをしながらでは、良い結果を生み出すことは難しく、その方法として集中は大事です。
人間の特性やテクニックも駆使しつつ、時間を有意義に使う。
余った時間をご褒美として、自分のために使うのは人生の達人です。

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子どもの集中力持続時間は年齢x2分

集中して何かに取り組む。
仕事でも子どもの夏休みの宿題でも、ゴールを目指すときの1つの理想です。

集中力が有限なのも、いまは枚挙にいとまはありません。
限られたリソースをどう使うか。

▼子どもの年齢別の集中力

年齢 集中力の持続時間
2才 4〜6分
4才 8〜12分
6才 12〜18分
8才 16〜24分
10才 20〜30分
12才 24〜36分
14才 28〜42分
16才 32〜48分

出典:NORMAL ATTENTION SPAN EXPECTATIONS BY AGE(Brain Balance Achievement Centers)

上記、アメリカの調査結果ですが、子どもの集中力のレポートです。
出典が脳に関するサイトで、脳科学で考えると子どもの集中力は「年齢x2分」。
5歳なら10分、10歳なら20分です。

子どもの集中力はそれほど続かない。
実際の子どもを見ていても、特にやりたくないことに関しての飽きの速さは、親の堪忍袋への挑戦状です。
少しずつイロイロできるようになる子どもらしく、集中力も歳を重ねて少しずつ伸びています。

▼年齢による脳のピーク

年齢 ピーク能力
18歳前後 情報処理能力と記憶力
22歳 名前を記憶する能力
32歳前後 顔認識能力
43歳前後 集中力
48歳 感情認知能力
50歳 基本的な計算能力
50歳前後 新しい情報を学び、理解する能力
67歳前後 語彙力

出典:The ages you’re the smartest at everything throughout your life(businessinside)

上記は「集中力」を含む、年齢による脳のピークです。
人間の集中力のピークは43歳前後と、中年すぎくらいが集中力のピークです。

これらは一般論ですが、平均値として考えて、自分の戦略に活かす。
あるいは、子どもの夏休みの宿題のようなものをゴール達成するために、どうするかの基礎として考える。

間違った方法、たとえば根性論は良い結果を生み出さないのも、いまは一般認識になりました。
プロスポーツ選手やオリンピアンなど、練習時間が1時間終了もあり得ます。
彼らも集中力が有限と考え、短時間でいかに効果を上げるか、考え抜かれたトレーニングをします。

集中力を妨げるものと休憩の効用

この文章を書いているいまは、8月で子どもの夏休み期間。
夏休みの宿題を完遂させるために、四六時中親が子どもに「勉強しなさい」は親子どちらにとっても良くはなく。
大半の子どもがやりたがらない宿題を、どう前向きにするか。(モチベーション管理)
ルーチン化し集中する環境が整えば、夏休みの宿題完了も近くなります。
それは子どもにとって達成感、結果を出すためのやり方を学ぶ場でもあります。

ゴールするために子どもが集中できる環境を目指し、集中を妨げるものを排除する。

・全体像を子どもと一緒に考え、その日、どのくらいやるかの設計図をイメージする(ゴールイメージの明確化)
・おもちゃや漫画を勉強環境の周りに置かない
・同じ教科を続けてやるか、気分転換に複数強化を少しずつやるか考える
・集中して終わらせたあと、ご褒美的なYouTubeを10分見ても良い
・勉強する時間を決める
・周囲の雑音をなくす
・親が手を出すときと出さないときを使い分ける
・適度な休憩を入れる

長時間学習”よりも短時間で集中して行う“積み上げ型学習”の方が、学習の定着・集中力に対して効果があるということが判明
①「15分×3 (計45分)学習」グループの上昇スコアが「60分学習」グループの117.2%に。
②こまめな休憩は集中力に関係する「ガンマ波パワー」の回復を促し、集中力維持に貢献すると科学的に判明。

出典:学習時間を細かく分けた「45分」で「60分」と同等以上の学習効果を発揮(ベネッセホールディングス)

他にも、以前書いた以下の文章でも、休憩優位の情報があります。

休憩中の脳内処理力が20倍
短い休憩が劇的にスキル向上させる。 寝ている時に脳内で情報整理されるのは既知ですが、起床時の休憩中の脳内状態についての研究結果が発表されました。 そういわれると、リラックス時にひらめきが多いのは思い当たる。 目的によって行動は変わりますが、...

人間は長時間続けて何かをするよりも、適度な休憩を入れる方が良い結果が出る。
仕事で有名になったポモドーロテクニックもその1つです。

ポモドーロ・テクニック

ポモドーロ・テクニックとは、1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリによって考案された時間管理術。
このテクニックではタイマーを使用し、一般的には25分の作業と短い休息で作業時間と休息時間を分割する。1セットを「ポモドーロ」と呼ぶ。これはイタリア語で「トマト」を意味する言葉で、シリロが大学生時代にトマト型のキッチンタイマーを使用していたことにちなむ。

達成しようとするタスクを選ぶ
キッチンタイマーで25分を設定する
タイマーが鳴るまでタスクに集中する
少し休憩する(5分程度)
ステップ2 – 4を4回繰り返したら、少し長めに休憩する(15分 – 30分)

出典:ポモドーロ・テクニック(wiki)

ベンチャー企業経営者のブログなどを眺めていると、よく何らかの時間管理術の記載を見ます。
ポモドーロ・テクニックルールも良く見ますし、会社全体ルールとして30分以上の打ち合わせ禁止なども聞きます。

ポモドーロ・テクニックと異なりますが、人間の集中力は「15分周期(15分、45分、90分)」説があります。
これに倣っていると僕は考えているのですが、小学校の授業が45分、大学が90分。

小学校1年生の集中力持続時間が7歳x2分で15分なら、小学校低学年の45分はなかなか厳しい。
多分、先生方が緩急を使い分けて、子どもたちの誘導しているのが目に浮かびますが、なかなかに技巧派です。

学生や社会人問わず、どこにでもサラリとこなす人がいます。
難題であっても、着実に進捗があったり、いつの間にかゴールにたどり着いている。

集中は手段で、目的は成果です。
人と同じ結果は平凡にしかならず、大きな結果を残すために通常とは違う何かを見つける手段として、集中する時間を確保する。
結果論ですが、こういう人たちは「時間の使い方がうまい」と言われます。

辞め時の見極め

仮のシチュエーションとして、膨大な量の人間が判断しないといけない不定形なexcel作業をやらないといけないとします。
ざっと見積もって約5時間かかるもの。

まず、いつ取り掛かるかを考えてみる。
脳の回転が良い時間帯にやるのか、良く言われる午後の脳がまったりした時間をその作業を充てるのか。
作業は人間判断が入り、5時間かかりそうなのであれば、午後を選ぶとします。

手を付けてみて、細かなチューニングして波に乗る。
10分くらいはいつの間にか経過し、気が付くと1時間過ぎていることもある。
頭はなんとなくボンヤリしているのであれば、集中力が途切れている時間帯に入っています。
作業ミスの可能性も高まっている。

タスク配分を自分で采配できるのであれば、明確な辞め時がないので、休憩判断は自分にゆだねられる。
集中力が落ちて、間違った成果物になるなら、そのやり方は悪手です。

こういう時こそ25分ルールをあらかじめ設定し、作業効率と正しい結果の良いポイントを目指す。
おもしろいドラマを見つけて辞め時が見つけられず徹夜して見続ける経験がある人は、ルール化は効果的です。
自分の好きなことをやっていて、いつの間にか時間が経過していた経験がない人はまずいないと思いますが。

集中するためにキーになるのは辞め時。
あと少しだけやろう、を明確に切って捨てるルール化。
サンクコストや株取引の損切りを持ち出すまでもなく、撤退戦略の明確化は人間が苦手と捉え決めておく。

他にも、自分の特性、脳の動き、一般的な統計結果など、イロイロ並べてみて、自分なりの汎用的なやり方を身に着ける。
25分ルールではなく15分ルールがちょうど良い人もいるはずです。

子どもの中には、夏休みが始まった当初「1週間で宿題を全部終わらす」という子もいます。
実際に終わらせる子は放置(口を出さない)ですが、見積もりが甘い子はその見積の精度を上げたり、無理な計画をたてないよう親がサポートする。
こどもの環境、性質、習慣をみつつ、集中できる時間をみつけて、早く宿題を終わらせるルールを一緒に立ててチェック機構を作ってゴールにたどり着く。

その経験は、社会では最低条件ですし、それが当たり前と早くから気づければ、遠くに行けます。

さいごに

集中とは逆になりますが、隙間時間をうまく使える人も、結果を出しやすい素養です。
頭の中で複数タスクが平行処理されていて、メインタスクが一段落し次の山に向かう前のわずかな時間に、いくつかを片づける。

子どもなら、友達と遊んできた後や習い事の後の夕ご飯前のぽっかり空いた10分くらいの時間。
その10分で、宿題の中でも小さなボリュームの物を片づけておくとか、大きめタスクの全体像を構想しておくなどが癖つけば、人生は相当楽になります。

集中できる時間も大切ですし、隙間時間の活用も1つの手段。
どちらも、余力(余暇)時間の確保につながり、確保した時間は自分のための時間です。