お年玉をあげる金額はここ10年で2割増加

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育児・子供観察

自分が子どもの時、お正月の最大の狙いは「お年玉」。
何を買うか空想にふけるのは、12月の中旬以降のお楽しみ。
ここ10年の推移をみてみると、総論、お年玉は増額。
僕は子どもを持ってお年玉に対する想いは変わりました。

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子どもにとって年間で最大のインカムイベント

いまは、若い年齢でもお金を稼げる手段が増え、8歳のユーチューバーが20億円以上稼ぐ時代です。
そうしたお年玉以外の収入がある子どもも一部いますが、一般的な子どもはお年玉が、1年の中で一番、まとまったお金が入る時。

僕はお正月は、イヤイヤながらお年玉のために、親戚周りをした記憶が残っています。
正直、お年玉目的のためなので、もらうもの(お年玉)をもらって、さっさと退散したい。

帰宅して、お年玉でゲームを買って遊んでいたい。
興味のない大人の雑談や、子どもにとってあまりうれしくないおせち料理などもできれば遠慮したい。

それでももらうもの(お年玉)をもらうために、イヤな顔をするのも気が引ける気持ちも少しある。
なので、親戚のオジサンオバサンに投げかけられる内容の薄い質問に、適当に少し笑顔を顔に浮かべて答える。
ただ、内心は一刻も早く、この時間が過ぎ去らないか。

そしていよいよブツ(お年玉)を、手渡される。
すこし大きめの笑顔で「アリガトウございます」。

嫌な子どもですが、標準的なのではとも思っています。

お年玉は年々増額

お年玉をもらえる金額は、増えているのか減っているのか。

少子化の流れで考えると、大人にとってあげる人数が少ないので、増額の可能性が考えられます。
ただ大人側の可処分所得(使えるお金)が、格差拡大社会だと総数減少と考えると、わずかな所得が高い人は高額お年玉だが、それ以外は減額。
主に減額対象になる人が多い(≒中流所得者の減少)と、僕は想定しています。

実際のデータ、ここ10年の推移は以下でした。


出典:お年玉に関する意識調査(住信SBIネット銀行株式会社)
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)

最初に採用している数値について1点補足します。
2020年の[15歳未満人口]だけは、まだ発表されていないので、2019年12月の数字です。
それ以外は確定値で、2011年から2020年の情報を採用しています。

上のグラフは[平均支出額]と[15歳未満人口]です。
青色グラフの[平均支出額]は増えています。
グラフの単位が大きので少しわかりにくいですが、実数では2011年と2020年を比べると120.9%。
あげる金額(総額)が2割、増加しています。

オレンジ色の[15歳未満人口]の右肩下がりは、いまや一般常識です。
実数では2011年と2020年を比べると90.9%で、約1割減少。

[平均支出額]について1つ考えた方が良いと思っているのが、アンケートに答えた人がどんな人なのか。
アンケート回答者は、お年玉を上げられる人(一定水準以)と予想されます。
お年玉を上げるのも苦しい人は、対象となっていないもしくは少ない。
社会全体の平均ではない可能性を僕は考えました。

とは言いつつも、これも踏まえ、変化球的なグラフが2つ目と3つ目です。

全体で見ても増額


出典:お年玉に関する意識調査(住信SBIネット銀行株式会社)
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)

2つ目のグラフは1つ目グラフで採用した[平均支出額]と[15歳未満人口]を掛け算した結果です。
全体でお年玉で動くお金が、増えているのか。

総論横這い、増えても減ってもいないようです。
実数では2011年と2020年を比べると109.9%で、約1割増加。

3つ目のグラフは、1万人当たりのお年玉金額です。
1万人という単位は置いておくとして、見たいのは「1人当たりのもらえる金額」が増えているのか減っているのか。

結果は、今回作成した3つのグラフの中で一番、差が出て「もらえる金額は増えている」のようです。
実数では2011年と2020年を比べると133.0%。

世の中のニュースや発表数値から、僕は日本の現状は、高所得者は増え、それ以外の大半は所得が減っていると思っています。
お年玉が、それに比例するのであれば、総合的にはお年玉が減少しているかも、と思ったのですが逆の結果。

見栄を張るような時代でもなく、親戚づきあいも薄い時代。
にもかかわらず、お年玉増額は説明がつきにくい。
お年玉は別家計なのかと考えてしまいます。

さいごに

何にせよ、お年玉をもらうのは、たいていの子どもにとって楽しみ。
自分の子ども時代を思い起こしても、それは間違いありません。

ただ、自分が大人になってお年玉を上げる側になって、当然考えることは変わります。
僕はいま、お年玉を上げる行為に「尻のすわりの悪さ」を感じています。

それが何でだろうと考えてみると、力を持つものが獲得物を力の弱いものに分けあたえる優越感。
考えすぎですが上から目線に近いような、イメージを自分が持ってしまっているようです。

こんな考えの人は少ないのかもしれませんが、僕はお年玉を渡すのが得意ではないのだなぁと、毎年正月に振り返っています。