この文章のトピックスは以下です。
・100円ショップを週に1~3回利用している人は増えている
・100円ショップで購入する商品の1位はキッチン用品、調理器具
・100円ショップで1回訪問当たりの購入数も増えている
・100円ショップ4社の売上推移は基本右肩上がり
・普及品より多少値段がはってもちょっといいものが欲しいと思う人は減少中
・特に若い世代の減少が顕著
・年齢が上がると購買感覚は変わり、適材適所の判断スキルも上がる
100円ショップ利用頻度は増加、1回当たりの購入数は減少
出典:【 100円ショップの利用 】に関するアンケート調査(マイボイス)
上記、3回の100円ショップの利用頻度情報です。
大きくは変わっていませんが、総論は利用頻度が増えています。
2010年、週3回以上利用者は0.8%、2023年は1.2%。
2010年、週1~2回利用者は6.2%、2023年は8.1%。
2010年、月に数回利用者は26.9%、2023年は27.5%。
上記の増加率3つを足すと+2.9%と小さい値ですが、ヘビーユーザーが増えています。
出典:【 100円ショップの利用 】に関するアンケート調査(マイボイス)
上記は2023年の100円ショップで購入した商品情報です。
1位「キッチン用品、調理器具」57.1%、2位「文具」43.4%、3位「収納用品、整理小物」36.6%。
出典:【 100円ショップの利用 】に関するアンケート調査(マイボイス)
上記は100円ショップの利用頻度ではなく、1回当たりの購入回数の情報です。
2019年と2023年の2年を比較して増えているのは「3個」前後比103.1%、「4~5個」105.7%。
減っているのは「1個」87.7%、「2個」94.1%。
訪問回数と同じく、購入個数も増えています。
100円ショップ売上は増加傾向
いまは100円ショップと言えど、200円や300円の商品もあります。
2000年からの情報ですが、総論は右肩上がりです。
ダイソーがサイトにある売上情報では2023年、前年比で下がっており。それゆえ全体も2022年に比べ低くなっています。
出典:ダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツ
上記は100円ショップ4社の故べうtの売り上げ推移です。
4社とも、売上は増加しています。
2000年と2023年を比べると、「ダイソー」は492.9%、「セリア」は1617.4%、「キャンドゥ」は387.9%、「ワッツ」は812.3%。
多少値段が高くとも良いものを求める人は減っている
出典:普及品より、多少値段がはってもちょっといいものが欲しい(博報堂 生活定点調査)
上記は博報堂の生活定点調査の、「普及品より多少値段がはってもちょっといいものが欲しい」と思うかのアンケート結果です。
30年間、基本右肩下がり。
男女合計は「1992年」53.4%、「2022年」30.9%と前後比-22.5%。
男性は「1992年」51.9%、「2022年」33.6%と前後比-18.3%。
女性は「1992年」55.0%、「2022年」28.1%と前後比-26.5%。
女性の方が男性に比べ、値段が高いものではなく普及品で良いと考えています。
出典:普及品より、多少値段がはってもちょっといいものが欲しい(博報堂 生活定点調査)
上記は「普及品より多少値段がはってもちょっといいものが欲しい」と思うかの、年代別結果です。
最高齢属性の「60代」が多少値段が高くてもいいものが欲しい割合が高い。
1992年は「20代」の回答割合は53.5%が多少値段が高くてもいいものが欲しいと答えていましたが、2022年は28.3%と最も低い数字で、若者の堅実さというか可処分所得の少なさが表れています。
適材適所の使い分け
ドラゴンクエストの世界に転生し、気が付くと自分は人類を救う勇者になっていたとします。
道中、経験値を溜めレベルを上げ、自分が強くなっていく。
お金も貯まるので、レベルに応じた武器や防具を買いそろえます。
縛りプレイ(あえて難しい条件を自分で決めてプレイする)で、最初の武器でラスボスを倒すやり方はありますが、通常は最強ランクの武器を獲得してラスボスに挑む。
ゲーム終盤、100円ショップで手に入る重そうな工具を鈍器として戦うのもエンターテインメントとしてはおもしろそうですが、本当に自分の命がかかっているなら普及品の剣ではなく、レアな厳選した剣を探して戦いに挑むのが一般的です。
100円ショップの最大の売りはコスパです。
安さを武器に集客し、たくさんの商品を購入してもらう。
こうした100円ショップを指して、安物買いの銭失いと言われることはあります。
それまで同じ機能の商品が数百円で売られていたものが100円で入手できるため、耐久性や性能などのどこかが欠けている。
商品製造側に立ってみると、金額が決まっているのでいたしかたありません。
そんな100円ショップの商品ですが、総じて悪かろうではなく、採算ギリギリを狙った商品は多数あります。
子どもの小さなおもちゃ収納などは良い例で、いまはネットにジャストサイズで納まる商品情報が溢れていて、100円ショップ製品での小物収納は1つの選択肢です。
ぴったり納まる収納を指してネットスラングで「シンデレラフィット」と言いますが、シンデレラフィット商品に出会うと、トレジャーハンティングのようなちょっと得した気分になれます。
僕も100円ショップ普及期、初めてお店に行ったとき、凄いなと感じました。
ホチキス本体が100円で販売されていることに驚きつつ、緊急性のないものもいくつか購入しました。
ちなみに令和のいま、インバウンド来訪者が増加していますが、彼らの目的地の1つとして100円ショップが上がるのは理解できます。
いま、僕は子どもと100円ショップ行っても、爆買いはしません。
自分が100円ショップでの留意点を意識しており、それは不用意に商品購入してしまう過去の失敗からの経験方針です。
最近の100円ショップは200円以上の商品も増えていますが、100円だから適当にモノを買って良いという姿を子どもに見せたくはないのもある。
安いから適当に買っても良いというのは、SDGs視点でも眉を顰められます。
それでも、子どもが小さいうちは子どもはおもちゃ売り場に直行して、あれこれ物色している。
基本は子どもがねだっても買いませんが、親せきの家に行く前に子どもが先様のお家で手持ち無沙汰になるのを避けるために買ったりはする。
他にシャボン玉セットを複数人購入し、みんなで遊ぶなら良し。
品ぞろえが豊富な100円ショップではこうしたとき便利で、複数人分買ってもたいした金額にはならず、楽しい思い出になります。
100円ショップだから購入しないではなく、適材適所の使い分けです。
当たり前ですが、自分が歳をとって消費行動の考え(指針)は変わりました。
物はなるべく増やさない、買うなら今あるものがなくなった代替品のみにするなど、物を増やさない思想は一定の年齢を超えた人は同意する人が多いはず。
他に、それまでのたくさんの購入経験から、購入時には値段に関わらず一度立ち止まって判断するようになりました。
いま僕は中年ですが、老人になったらきっとよりモノがさらにいらないと考えるようになり、その時自分を支えるのは思い出などの自分の経験、記憶だと予想しています。
親はすでに終活しており、物に対しての欲望はほぼゼロに近い。
使い慣れた物や納得したものを必要最低限保有するシンプルな生活に、たいていの人は傾いていきます。
さいごに
100円ショップの商品は、金額が100円なので製作者側の薄利は間違いなく。
これは社会全体のお金還流や、適度な物価上昇を考えると、モヤっとする点です。
企業努力での改善は普通ですが、100円商品では限界があり、作り手にも生活はあります。
僕は子どもを持って、社会全体をより意識するようになりました。
自分だけが得をするようなものは、長期視点ではどこかいびつになります。
全体調和(中庸)は、大人ならではの視点です。