資産満足度はここ5年で17%減少、稼いでうまく使う人生の達人

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・2023年資産・貯蓄に満足している人は4.2%、まあ満足しているは23.4%
・「満足している」と「まあ満足している」を足すと27.6%
・「やや不満」だと「不満だ」を足すと71.9%
・男女差はない、年齢では「70歳以上」と「18~29歳」は満足度が高い
・都市規模別では資産・貯蓄満足度に差はない
・地方ブロック別1位は九州、2位は北陸
・雇用形態別1位は「主婦・主夫」、2位は「学生」
・世帯種類別1位は「夫婦だけの1世代世帯」
・子どもの年齢別1位は「大学、大学院、短大生」
・2018年から5年間で資産・貯蓄満足と答えた人は17%減少

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資産・貯蓄について2023年の満足度は27.6%

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は2023年の「資産・貯蓄」の満足度です。
全体では「満足している」4.2%と「まあ満足している」23.4%を足すと27.6%で全体の約1/4が満足側です。
「やや不満だ」39.2%と「不満だ」32.7%を足すと71.9%です。
男女比では大差ありません。

年齢別でみると「70歳以上」の満足度が高く、次いで「18~29歳」です。
近年、初任給が30万円のような企業は増えており、若くともそれなりに給与をもらっているのか、それとも人並みの給与で満足できているのか。
満足度が低い側は中年世代です。

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」 満足か不満か
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は「満足している」%と「まあ満足している」足した結果と、「やや不満だ」「不満だ」を足した結果です。
不満側のオレンジ色の面積が大きく、全体では不満側が大勢を占めています。
「30~39歳」の満足側は21.6%、「40~49歳」の満足側は21.7%と約1/5は満足と回答していますが、それ以外は不満側。
この年代は何かと物入りで、未来が定まっておらず満足度は低いと言えそうです。

地方ブロック別で資産・貯蓄満足度1位は九州

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」都市規模別 地方ブロック別
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は「資産・貯蓄」満足度、都市規模別と地方ブロック別情報です。
都市規模別では大きな差はなく、わずかですが「中都市」が1位、2位は「町村」です。

地方ブロック別の満足度1位は「九州」31.5%、2位は「北陸」30.4%。
満足度最下位は「東北」20.8%、下から2番目は「四国」22.2。
九州と東北を比べると10.7%と、大きな差が出ています。
都道府県別平均給与額では都心部が高く東京が1位ですが、関東の満足度は28.5%と地方ブロック別では上位側ですがTop3に入っていません。

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」都市規模別 雇用形態別
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は「資産・貯蓄」満足度、雇用形態別情報です。
「正規の職員・従業員」は満足度25.9%で1位ではなく、1位は「主婦・主夫」39.4%です。
満足度2位は「学生」で37.2%、最下位は「非正規の職員・従業員」20.1%。
一番収入が高い「正規の職員・従業員」の満足度が高いわけではなく、「主婦・主夫」「学生」が上位です。

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」世帯種類別・婚姻別
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は「資産・貯蓄」満足度、世帯種類別・婚姻別情報です。
世帯種類別1位は「夫婦だけの1世代世帯」31.6%、最下位は「1人世帯」26.3%です。
婚姻別の1位は「既婚で配偶者あり」28.7%、最下位は「既婚で離別または死別」24.3%です。

 

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」子どもの有無 子どもの年齢別
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は「資産・貯蓄」満足度、子どもの有無別と子どもの年齢別情報です。
子どもの有無で差はありません。
子どもの年齢別でみると満足度1位は「大学、大学院、短大生」27.3%、最下位は「乳児、幼児、未就学児」17.5%。
子どもが大学生になれば、自分たちの資産はある程度固まってきます。

2018年から5年間で資産・貯蓄満足と答えた人は17%減少

現在の生活の各面での満足度「資産・貯蓄」
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

上記は「資産・貯蓄」満足度の推移情報です。
最も資産満足度が高いのは2018年の44.6%、最も資産満足度が低いのは2023年の27.6%とどちらも最近です。
満足を指す青色グラフ推移を見てみると、このグラフの最も古い1986年32.6%から2018年まで徐々に上昇し、2021年から一気に下がっています。
2019年に約4割が満足側にいましたが、それ以降3割弱が満足、1割強下がっています。

不満の推移は満足推移とは違い、1986年62.0%から横ばいだったのが、2021年から急激に上昇し2023年は71.9%になっています。
物価上昇や円安で、近年は資産が目減りしている人が多いと言えます。

2024年8月に内閣府が発表した「満足度・生活の質に関する調査」。
この中で「生活満足度の推移と前回調査からの変化」では、2024年が過去最高の生活満足度となったと報告されており、ネットで「そんなわけはない」と盛り上がっていました。

今回のこのブログで見てきた情報は「資産・貯蓄」で「生活満足度」ではありません。
それでも「生活満足度」の中で、「資産・貯蓄」が占める満足度割合が低いとは思えず。
お金がすべてではないと考える人は増えている気がしますが、「過去最高の生活満足度」と言われてうなずける人が多いとは思えません。

お金をうまく使い生きたお金にする

預貯金を含む資産をある程度、確保しておきたいと考える人は増えている気がします。
先行き不透明な時代、何かあった時にまとまったお金を確保しておく発想は、所得が低いほどその意味は重くなります。

考えるとこれは保険と同じ思想で、有事の際、自分の生活が破綻しないように準備しておく。
どの程度準備するかは、自分たちの生活レベルからある程度逆算できます。
一例として、死亡保険で10億円受け取りのものに加入する人は多分おらず、これはリスクを考えすぎ。

書籍「Die with zero」では、死ぬときに資産がゼロを目指そうという考えが書かれています。
この本では貯蓄しすぎない、子どもに資産を遺すなら早い段階が理想など、現実に沿った視点のお話です。

一般人ではありませんが、お金をうまく使った人物として日本史・戦国時代の三英傑、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康がいます。
彼らがどの程度、自分の個人資産を意識していたのか分かりませんが、資産を意識しうまくお金を使った人物と言えます。

織田信長の資産についてのトピックスは楽市楽座が上げられます。
市場の自由化を勧め、商人たちが自由に商売ができる政策をとり、その結果税収が増加しました。
関所撤廃もその1つで、物資の流通が盛んになり領内経済が発展しました。
他にも鉱山経営(伊勢の金山や美濃の銀山)を掌握し、領国経営に充てました。
戦にはお金がかかるため、税収は大切な内政です。

豊臣秀吉は織田信長や徳川家康とは違い、農民生まれなのでもともとの資産はほぼゼロから天下人になった人です。
それゆえなのか、秀吉の政策として効果が高かった太閤検地、全国の土地を測量し正確な税収を確保しました。
秀吉も信長に倣い鉱山経営を推し進めた武将で、佐渡金山や石見銀山などの掌握は有名です。

徳川家康は幼少期は人質、戦国期も周囲に強豪がひしめく三河地方という過酷な状況の中、生き残った武将です。
徳川家康のお金の使い方のうまさと(功績)として挙げられるのが、利根川東遷事業があります。
利根川の流路を変えて、江戸から銚子への水運を整備したことで江戸経済も支えましたが、のちの現代、東京の防災についての礎にもなっています。
他にも渡良瀬川の河川改修を進め、水害対策と水運の安定を図りました。
歌舞伎や浮世絵などの文化活動を奨励、道路や橋の整備を進め物流を改善、貧困層や災害被災者へ支援しました。
平和に向けて、着実にお金を使った武将と言えます。

お金を汚いと考えたり、お金なんかいらないと言うのも、現実離れしている思想。
お金の使い方はその人の生き方と言えるほど、大きなパワーを持っています。

お金を稼いで、うまく使う。
しっかり人生を楽しむ分だけお金を稼ぎ、稼いだ資産を使い切って死ねるなら、良い人生と言えます。

さいごに

いくら稼ぎがあったら幸せなのか有名な話として「限界効用逓減の法則」があります。
ノーベル経済学賞受賞者でもあるプリンストン大学名誉教授ダニエル・カーネマン氏の調査では「収入は幸福比例するが、年収7万5000ドルで幸福度は頭打ちになる」お話です。
7万5000ドルは、1ドル150円換算で1,125万円。
近年の追加調査では、もっと稼いでいても幸福度は上がるというものもあり、いくらが妥当なのかは分かりません。

衣食住が整い、仕事にある程度満足、プライベートもそれなりに充実している収入・資産があれば、外から見れば幸せの土台ができ上がっています。
逆にお金がなく心がすさんでいくのは、因果として成り立ちやすい。

お金を持つのがが幸せとイコールではなくとも、一定のお金が幸せには必要条件となる可能性は高いと言えます。