この文章のトピックスは以下です。
・テレビ普及率はずっと95%以上で微減が続いている
・テレビ視聴年数の平均は9.2年
・若い世代のテレビ保有率は79.1%
・世帯人数、年収が多いほどテレビ保有率は高い
・テレビのインターネット接続状況は60.6%
・高齢者のテレビインターネット接続率は低い
・テレビをインターネット接続してやっているのは動画視聴
テレビ普及率は95%以上だが微減中
出典:消費動向調査 令和6年3月実施調査結果 (内閣府)
上記はテレビ普及率の推移です。
2005年からの情報、わずかに下がりつつありますが、全期間95%は上回っています。
最高値は2008年の99.7%、最低値は2023年の95.1%、最新年2024年は96.0%です。
出典:消費動向調査 令和6年3月実施調査結果 (内閣府)
上記はテレビ使用年数の推移です。
全期間平均は9.2年、最高値は2023年と2024年の10.7年、最低値は2014年の6.3年です
2014年が大きく下がっていますが、この年大きな災害が発生したかというと微妙で、11月に長野県地震はありましたがそれ以外巨大災害は発生しておらず原因不明です。
若い世代のテレビ保有率は他の世代に比べ頭1つ低い
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記は男女別・年齢別のテレビ保有状況です。
男女を比べると男性が+5.1%、年齢別では「60~65歳」が一番高く、昨今のニュース通り「20~29歳」79.1%とテレビ保有者が減っています。
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記は家族人数別・家族構成者数別のテレビ保有状況です。
家族人数が増えるほどテレビ保有率は高く、単身者のみ大きく保有率が低い。
あとは「大人2人(非高齢者のみ)」も全体平均から見るとわずかに低く、現役世代でテレビを保有しない人がいます。
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記は世帯年収別のテレビ保有状況です。
世帯年収が上がるほどテレビ保有率が高く、最低は「200万円未満」の88.9%です。
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記は都市規模別・地方ブロック別のテレビ保有状況です。
都市規模別ではわずかに都心部のテレビ保有率が低い結果です。
地方ブロック別では大差なく、わずかに「南関東」「中国」「九州・沖縄」が低いのみです。
テレビをインターネット接続して動画視聴している人が多い
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記はテレビのインターネット接続状況、男女別と年齢別情報です。
全体ではテレビをインターネット接続しているのは60.6%。
男女別では男性が11.0%と女性を大きく上回っています。
年齢別では高齢者ほどインターネット接続をしておらず、最高値は「30~39歳」の74.8%です。
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記はテレビのインターネット接続状況、家族人数別・家族構成者数別情報です。
家族人数が増えるほどテレビのインターネット接続割合が高く、単身者は最低値48.2%です
家族構成者別では、高齢者がいる世帯のインターネット接続率が低く、最高値は「大人が2人以下+子ども」の76.4%です。
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記はテレビのインターネット接続状況、世帯年収別情報です。
世帯年収が上がるほどテレビのインターネット接続率は高いですが、「1500~2000万円未満」がわずかに谷間ができています。
出典:通信利用動向調査(総務省)
上記はテレビをインターネット接続して、何に利用しているかの情報です。
1位は「有料動画配信サービスの視聴」で全体では61.0%がこの利用目的としています。
2位は「放送局の無料・有料動画配信サービスの視聴」50.0%、3位は「ハイブリッドキャスト機能の利用」35.2%。
男女の差として、男性は「有料動画配信サービスの視聴」が高く、女性は「放送局の無料・有料動画配信サービスの視聴」が男性より高い数字です。
若い世代ほど利用率が高いのはこれまでにも述べてきましたが、「20~29歳」は「放送局の無料・有料動画配信サービスの視聴」が1位という特徴が見て取れます。
ただ、総論テレビをインターネット接続して何をしているかというなら「有料・無料の動画配信サービスを見ている」と言えます。
テレビの役割が変わってきている
今回見たデータでは、テレビ保有率は2024年時点で95%以上と、いまでもテレビは日本家庭のほとんどに存在しています。
それでも、テレビ業界の先行きを明るいと考える人はいまは少なく、広告料収入の減少や若者のテレビ離れはテレビ業界にとって暗い影を差しています。
この先、テレビがどんな役割を担っていくのか。
昭和時代のテレビ普及期は、テレビは家庭の中心にありました。
主にリビングに置かれた一家に1台のテレビ、そこに家族が集まりテレビはニュースや娯楽の主役を担っていました。
令和時代に減っている、家族だんらん風景です。
この先、技術進化でテレビの存在は薄れていくと僕は予想しています。
現代のスマホがその先駆けですが、メディアへのアクセスはいまよりパーソナライズ化していく。
ホログラム技術と仮想現実(VR)で、人々はホログラムデバイスを使ってリアルタイムで情報を得たり、物語の主人公になってエンターテインメントを楽しんだりする。
ニュースのような普遍的な情報は今と変わらずだれもが視聴できますが、場所や時間は個人にゆだねられる。
そこにはAIが深く関与(製作)するニュース番組があり、24時間最新の情報が流れていると予想します。
エンタメ方面では、双方向というか参加型(体験型)の番組と受け身型の番組に分かれていく。
映画のような受け身型で製作者の意図をくみ取るものや、お笑いのような娯楽も何らかの形式で番組提供される。
今と変わらずYouTUBEのような無料視聴もありつつ、ネットフリックスのように高額な製作費をかけて作られた番組を視聴者がお金を払ってみるようなスタイルが進むと予想しています。
昭和時代には家族のつながりの1つとして、リビングにテレビがあったと先ほど載しました。
答辞の自宅は狭く、二間(ふたま)に親子4人以上が暮らしているご家庭も多く、必然、家族が集まる場所、食事をする部屋にテレビがありました。
その家族に寄り添うように、テレビが横にいました。
この先、日本が昭和時代のように濃い人間関係を望み、そこに回帰するかと言えば僕にはそうは思えず。
濃密な関係性は強制や我慢が前提にあり、選択肢がなかった時代はしぶしぶそれに従っただけで、選択肢があれば自分の好みに沿って行動を決める。
いまの「推し活」はその典型例です。
いま地上波テレビ番組は、決まった時間に決まった番組を見るような見方は減っています。
もちろん残っている面もあり、乳幼児向け番組「おかあさんといっしょ」を子どもに決まった時間に店ながら朝の準備をするのは、育児の鉄板です。
そうではなく大人になると地上波を見るにしても、外付け録画機器に撮り貯めて、週末など時間が取れるときにゆっくり見る。
あるいは、サブスク動画に加入して自分の好きな番組を一気見する。
そのうち、携帯端末や腕時計から浮き上がるように画像照射できる機器が生まれ、どこでもいまのテレビのような画面が見られる。
あるいは、網膜や脳内に直接テレビ画像を取り込む技術などもできるかもしれない。
令和初めの現代はまだ、リビングにテレビ受像機があります。
しかし、家族団らんのようなコミュニケーションツールとしての役割は減ってきています。
さいごに
いまのテレビ視聴者は高齢者が多いとして、どの程度の割合か分かりませんが変化したくない人がいるとします。
人間は変化したくない生き物であり、心理学的に見ても思いつく点はあります。。
・恒常性維持(ホメオスタシス):人間の脳は現状を維持しようとする本能的な傾向
・損失回避の法則: 人間は利益を得る喜びよりも、損失を避ける痛みを強く感じる
・保有効果: 人は自分が持っているものを実際よりも高く評価す
・サンクコスト効果: すでに投資した時間や労力を無駄にしたくないという心理
・現状維持バイアス: 過去に成功した行動や環境を維持しようとする傾向
・不確実性の回避: 進化の過程で不確実性を避けるのが生存に有利
そうは言っても、新たなテクノロジーは増えて続けています。
すべてが良い訳でもなく必要でもありませんが、好奇心を持って柔軟に取り入れていかないと脳が劣化します。