この文章のトピックスは以下です。
・オートキャンプ参加人口は近年減少している
・オートキャンプ参加率は男性が女性の約1.3倍~1.5倍
・年代別では男性10代20代が大きく参加率が高い
・キャンピングカー保有台数は伸び続けている
・北海道と都市部の人がキャンピングカーを保有している割合が多い
コロナ渦前後でオートキャンプ人口は減少
出典:オートキャンプ白書2024(一般社団法人 日本オートキャンプ協会)
上記は「オートキャンプ白書2024」によるオートキャンプ参加人口推移です。
2013年750万人、2023年600万人、前後比-150万人(80.0%)です。
グラフは山型になっており、近年、減少傾向です。
出典:レジャー白書(公益財団法人日本生産性本部)
上記は違う情報ソースである「レジャー白書」のオートキャンプ参加人口推移です。
2010年430万人、2023年240万人、前後比-190万人(55.8%)です。
参加人数が1つ上のオートキャンプ白書情報と違っていますが、どちらも最新年の2023年は減少の流れです。
コロナ渦で人との集合が危険とされていた時期、ドライブを楽しむ人が増えたとニュースにありましたが、オートキャンプ人口増加とはなっていません。
オートキャンプするのは若い男性が多い
出典:レジャー白書(公益財団法人日本生産性本部)
上記は男女別のオートキャンプ参加率です。
一貫して男性の参加割合が多く、男女差はこの期間ほぼ変わっていません。
出典:レジャー白書(公益財団法人日本生産性本部)
上記は男女別・年代別のオートキャンプ参加率です。
とびぬけて参加率が高いのは10代男性、次点は20代男性です。
女性は緩やかな山型で、高齢者はオートキャンプ参加率は低い。
出典:レジャー白書(公益財団法人日本生産性本部)
上記はオートキャンプ、居住地域別参加率です。
地域別参加率でみると北陸、長野・山梨が高い。
他に大阪、兵庫、四国も上位陣に入っています。
キャンピングカー保有台数は伸び続けている
出典:年次報告書2024年(一般社団法人日本RV協会)
上記はキャンピングカー保有台数推移です。
一貫して保有台数は増えています。
購入して売るのではなく、ずっと保有している可能性を感じます。
出典:キャンピングカー白書2025(一般社団法人日本オートキャンプ協会)
上記はキャンピングカー販売額です。
販売額も1つ上のグラフキャンピングカー保有台数と同じく伸び続けています。
ただ、ここには価格上昇が理由として含まれています。
出典:国内キャンピングカーの登録と販売の動向(一般社団法人日本オートキャンプ協会)
上記は2023年3月の都道府県別の自走式キャンピングカー登録台数です。
これはキャンピングトレーラーは除く、自走式の台数です。
保有台数1位は北海道、2位グループが関東圏です。
次いで愛知、大阪、福岡と人口密集地域が続いています。
野生を呼び起こすためのキャンピングカー
僕はマイカーを保有しており、ドライブが好きです。
キャンプは好きで以前は年1回はキャンプに行っていましたが、最近はご無沙汰で、もっぱら旅先での宿はホテルばかりです。
キャンピングカーは保有していません。
自分が標準とは思っていませんが、キャンピングカーを購入するかと言われると大半の方と同じく「買わない」選択をします。
2025年4月のマイカー保有台数は8282万台。
2024年のキャンピングカー保有台数をマイカー保有台数で割ると0.199%。
マイカーとキャンピングカーは別物ですが、マイカー比普及率で考えるなら0.2%です。
この数字が物語る通り、キャンピングカー保有にはハードルがあります。
キャンピングカーを普段使いのマイカーと兼用するなら不要ですが、マイカーと別にするなら維持費がかかります。
保険などの車の維持費、そして自宅に置ける駐車場がなければ、毎月の賃貸駐車場料金が発生します。
軽自動車のキャンピングカーもありますが、ハイエースのロングタイプなどの大型車種になると借りられる駐車場も制限される。
年に数回の旅でこれだけの維持費をかけるかと天秤にかけると、僕はホテルを選択してしまいます。
これらの発想の根底には、今の生活が時間に追われていることや、効率優先思考になっているとは感じます。
目的がキャンプであれば、コテージやグランピングもいまはかなりの普及しています。
バーベキューセットもレンタルできるので、キッチン利用としてのキャンピングカーの出番は不要にもなる。
そうするとキャンピングカーの威力が発揮されるのは、長期キャンプの時やキャンプ場サイトがなさそうな場所を回る時など。
たとえば北海道一周を、1週間かけてキャンピングカーで回るのは魅力的です。
ただ、これを子どもに提案しても、食いつきが良いとは思えない。
自分の子ども時代を思い出しても、即物的なものへの魅力に負け続けていたので、これは大人ならではの感覚だと思っています。
両親がキャンプが好きでキャンピングカーを保有し、毎年長期でキャンピングカー旅行に行くご家族はいると想像しています。
子どもはしぶしぶそれについていく、あるいは好きなアクティビティを親が設定してそれを目標としてついていくのもイメージできる。
これは、このご家族のルーティンでもあり歴史にもなるので、将来の良い思い出として残る可能性が高い。
そしてキャンピングカーとお別れの時、いままでいろいろなところにつれて行ってくれてありがとう、と家族の一員のようなポジションにキャンピングカーがなっているのかもしれません。
現代の環境をふまえキャンピングカーの特徴を一言で表すなら「選択した自由」が妥当ではないか。
パックツアーであれば、なんでもセッティングされて、目的地に連れて行ってくれる。
対極としてキャンピングカーでの自走であれば、自分で目的地を決め、プランを立てて、運転して移動し、自炊して車泊する。
自分で決めて、自分で動き、自分でトラブル対処する。
ネット普及でキャンプサイトもネット予約できますが、あえてそれをせずにスマホの電源を切り、1週間キャンピングカーで旅をしてみるのは、便利な時代へのアンチテーゼのようでもある。
旅先のツーリストインフォメーション的な施設の活用は良しとして、物理的に地元の人とやりとりして、好きな方角に好きな時間に移動してキャンピングカーを(許可されている場所に)停車して寝る。
若い人たちには響かなさそうな提案ですが、僕は面白そうだと感じます。
スマホがあれば何でもできてしまう時代ゆえ、あえてスマホ普及以前の旅をしてみる。
大げさですが、自分の中の野生を呼び起こすような経験になるかもしれません。
さいごに
キャンピングカーにトイレを付けるか(トイレ付キャンピングカーにするか)の選択肢があります。
知り合いのキャンピングカー持ちの方は、トイレがあると生活感が出すぎるのでつけない選択肢をしています。
実際、いまのキャンプサイトはトイレやお風呂設備が充実しているので、車内にトイレがなくても不都合が少ない。
よほどの場所に行くのでなければ、トイレなしで十分という発想はうなずけます。
今の時代、いろいろな選択肢があって便利度も増している。
キャンプのやり方1つをとっても、それを感じます。