この文章のトピックスは以下です。
・食洗器の生産台数は減少傾向、生産金額は増加傾向
・1台当たりの金額は上昇
・2人以上世帯の食洗器普及率は2024年で37.3%
・男女別では男性、中年世帯が食洗器をよく使っている
・年収が高いほど食洗器が普及している
・地域ブロック別では近畿、東海、中国・四国の普及率が高い
食器洗い機の生産台数は減少傾向、生産金額は増加傾向
出典:生産動態統計調査(経済産業省)
上記は食器洗い機の生産台数と販売台数推移です。
グラフ内青色線の生産台数はやや減少傾向です。
2013年751,904台、2023年616,571台、前後比-135,333で-18.0%です。
グラフ内オレンジ色線の生産金額はやや増加しています。
2013年\31,354、2023年\35,781、前後比+\4,427で+14.1%です。
出典:生産動態統計調査(経済産業省)
上記は食器洗い機の1台当たりの金額です。
1つ上のグラフの生産金額÷生産台数で算出した数字です。
一般販売価格がもっと高いのではと思うのは、この金額は生産時点の数字のためです。
2013年\41,699、2023年\58,032、前後比+\16,333で+39.2%です。
いまどきの物価上昇はすべてのジャンルに及んでいますが、食器洗い機もその一つです。
総世帯で食器洗い機の普及率は2024年時点で28.5%
出典:生産動態統計調査(経済産業省)
上記は2人以上正対の食器洗い機普及率です。
2005年21.6%、2024年37.3%、前後比+15.7%で、伸長率+172.7%です。
ここ20年で食器洗い機は約1.7倍、普及しています。
2024年の普及率は37.3%と、約1/3強の二人以上のご家庭で使われています。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は食器洗い機の男女・年齢別の2024年普及率情報です。
1つ上のグラフでは2人以上世帯限定でしたが、こちらは総世帯の情報です。
総世帯全体2024年の普及率は28.5%。
男性33.2%、女性17.2%と男女間で約2倍の差が出ています。
普及率最下位は年齢別29歳以下で、8.6%と全体の1割以下。
普及率最上位は40~49歳で39.7%と、約4割が普及しています。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は食器洗い機、世帯年収別の2024年普及率情報です。
一目でわかる年収が高いほど普及率が上がっています。
300万円未満16.1%、1200万円以上61.8%、その差45.7%です。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は食器洗い機、地域ブロック別の2024年普及率情報です。
普及率1位は近畿35.3%、2位は東海34.3%、3位は中国・四国32.8%でここまでが3割超えです。
関東が1位ではなく全体では下位グループ、最下位は北海道・東北21.9%です。
北海道・東北の冬場の寒さを考えたら、食器洗い機は重宝しそうだと感じますが普及は進んでいません。
食洗器の耐用年数・メーカー推奨は10年
消費動向調査では、製品の平均使用年数データがありますが、食洗器についてはデータがありません。
たぶん、食洗器自体、製品が普及したのが近年のためだと思われます。
以下、いくつかのメーカーサイトでの標準仕様年数は「10年」との記載があります。
使用頻度やメンテナンスしているかで変わりますが、メーカー数字が保守的とするなら10数年程度が耐用年数と言えるかもしれません。
食器洗い乾燥機は設計上の標準使用期間として10年間使用されることを想定しています。
出典:食器洗い乾燥機|食器洗い乾燥機の耐用年数はどれくらいですか?(リンナイ)
ビルトイン型の場合、食洗機の標準使用年数は、メーカーによって異なるものの、10年としているメーカーが多く見られます。
出典:食洗機の寿命は何年?寿命と長く使うコツを紹介(三菱電機)
他に食洗器設置時の悩みでよく聞く、海外製品にするか国内メーカーを購入するか。
海外メーカーで有名な「ミーレ」「ボッシュ」「ガゲナウ」「AEG」を選ぶ人もいます。
その理由はいくつかあり、国産メーカーに比べ海外メーカー製品は容量が大きく、予洗い不要(事前に油ものなどを手で洗ってから食洗器に入れる)があります。
ただ、デメリットもあり設置金額が高く、トラブル時には国産メーカーに比べ面倒にはなります。
食洗器は状況が許すならあった方が良い
よく食洗器のメリットとして時短が上げられます。
食器洗い1回10分x朝夕2回で20分。
これを食洗器に置き換えて、予洗いや後片付けで2.5分x2回として5分。
その差15分が食洗器によって1日のうちで生み出された時間とします。
年間に換算すると15分x365日で91.25時間。
2024年10月の東京の最低賃金は時間額1,163円なので、91.25時間x1,163円で106.124円。
最低賃金換算でも、1年間で10万円の価値になります。
この金額を見て、食洗器を購入するかあるいは新築のご家庭で初期設置に含めるのか。
僕はご家族がいるご家庭なら、少し無理しても食洗器を設置した方が良いと思っています。
とくに小さな子どもがいるご家庭は恩恵が高く、圧倒的足りない時間についてわずかな時間ですが着実にサポートしてくれる味方です。
悩ましいのは小さな子どもがいるご家庭は何かと入用の時期で、まとまった出費に敏感になりやすい点です。
余裕がないと、本当はそうしたくなくとも悪い方に流れてしまう。
夫婦で諸所をできるだけ両者が納得して進めないと、それ自体が地雷にもなり得ます。
食洗器導入を夫婦のどちらか一方が勝手に推し進めて、あとあとまで尾を引いても意味がない。
余裕ができた状態をつくり一歩引いた目で眺めて、「これはあったほうがよいな」と判断する。
核家族化が進んだ現代で、親のサポートが見込めないご家族であれば、時間をお金で買う選択は重要です。
そのお金を稼ぐのが難しく時代というのは皮肉です。
わが家では国産メーカーのビルトイン型の食洗器を使っています。
システムキッチンを選ぶときに食洗器付きのものを選択、どの程度使うのか未定の状態でしたが設置しました。
それなりに時間が経過したいま振り返ってみると、食洗器を設置して良かった。
僕自身は手で食器洗いは苦ではなく、いまでも大半は手洗いのみで終わらせますが、食洗器もたまに使う。
軽く予洗いして食洗器に入れておけば、食器がキレイになっています。
ドラえもんの未来想像図にはまだ遠いですが、ずいぶん楽になったと思っています。
さいごに
食洗器の売り文句に節水がありますが、僕はそもそも節水してどの程度のコスト削減になるのか微妙だと思っており、食洗器に節水がメリットだとは考えていません。
それよりも食洗器のメリットは、食洗器専用の洗剤を使っている点。
食洗器専用洗剤は洗浄力の高く、除菌や漂白などの効果が期待できます。
台所用スポンジに菌が繁殖しやすい点からも食洗器の洗浄能力は有効であり、時短メリットとともに生活を豊かにしてくれるアイテムです。