この文章のトピックスは以下です。
・ここ12年で飼う犬の数は約2割減少、飼う猫の数は約1割増加
・犬猫を飼う世帯は減っている
・1世帯当たりで飼う犬猫の頭数は増えている
・人気犬種1位はトイ・プードル、猫種は混血猫
・犬猫とも年齢が上がる毎に診療費はあがっていく
・犬と猫を比べると犬の方が猫より診療費は約1.4倍
・犬猫とも寿命はここ15年で1歳強伸びている
猫を飼う人は増え、犬を飼う人は減っている
出典:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
上記は、犬と猫の飼育頭数数位です。
犬は2013年8,714千頭、2024年6,796千頭、前後比-1,918千頭(78.0%)。
猫は2013年8,409千頭、2024年9,155千頭、前後比+746千頭(108.9%)。
飼う犬の数は約2割減り、猫の数は約1割増えています。
犬を飼う人が減っている理由として、以下があります。
・散歩やしつけなどの手間がかかる
・吠えるなど周辺環境配慮が必要
・外で飼えない
・猫より飼育費用が高い
・犬のブリーダーが減った
出典:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
上記は、犬と猫の世帯飼育率です。
犬は2013年12.9%、2024年8.8%、前後比-4.1%。
猫は2013年9.0%、2024年8.6%、前後比-0.4%。
どちらも減っていますが、飼育頭数と同じく猫に比べ犬の減少率が大きい。
出典:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
上記は、1世帯当たりの平均飼育頭数です。
犬は2013年1.24頭、2024年1.32頭、前後比+0.08頭(106.5%)。
猫は2013年1.71頭、2024年1.81頭、前後比+0.1頭(105.8%)。
どちらも近年に近づくにつれ多頭飼いする人は少しずつ増えています。
出典:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
上記は現在犬を飼っているか、年代別情報です。
この期間、どの年代も減っており、全体平均ではでは-3.4%。
一番減り幅が大きいのは50代の-5.9%です。
出典:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
上記は現在猫を飼っているか、年代別情報です。
この期間の増減率全体値はちょうど100%で、増えも減りもしていません。
個別年代で見ると「50代」「60代」が-0.3%、「70代」が+0.4%と小さな値です。
犬は小型犬が人気、猫の人気1位品種は混血猫
出典:家庭どうぶつ白書(アニコム)
上記は犬の全年齢の人気品種、上位20位です。
おなじみの犬種が並んでいますが、いまは小型犬が多い。
1位から20位までを合計すると、91.2%です。
出典:家庭どうぶつ白書(アニコム)
上記は猫の全年齢の人気品種、上位20位です。
1位が「混血猫」で28.3%と、猫は混血種が最上位です。
1位から20位までを合計すると95.6%を占めています。
犬は猫の約1.4倍の医療費がかかる
出典:家庭どうぶつ白書(アニコム)
上記は犬猫の年齢別、年間診療費・平均です。
全年齢を通じて、犬の方が猫より診療費は高く、全年齢平均では犬が猫の約1.4倍です。
また、犬猫ともに年齢が上がる毎に診療費は高くなっています。
出典:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
上記は犬と猫の平均寿命推移です。
犬は2010年13.87歳、2024年14.9歳、前後比+1.03歳(107.4%)。
猫は2010年14.36歳、2024年15.92歳、前後比+1.56歳(110.9%)。
わずかずつですが、どちらも寿命が延び続けています。
生き物と相対する
ことわざ「犬も歩けば棒に当たる」について、僕は2つある意味のうち1つしか知りませんでした。
僕は、犬が棒にぶつかる絵を幼少期にかるたなどで見て、このことわざ「日常でも、災難(棒に当たる)にあうから気を付けましょう」と認識していました。
以下がこのことわざの2つの意味です。
1 何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。
2 出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。出典:犬(いぬ)も歩(ある)けば棒(ぼう)に当(あ)たる(デジタル大辞泉)
災難と幸運の逆説的な2つの意味を持つことわざも珍しい。
この1と2を読んで、現代を象徴している2つだと感じます。
1はリスク回避思考。
世代で総括するのは乱暴ですが、いまの若者を指してリスク回避思考はよく見聞きしますし、言わんとしていることは周囲の若者の一部には当てはまる。
ただよく考えるといまの若者に限ったお話ではなく、日本人は昔から保守的で横並び思想が強い民族なので、自分も例外ではない。
それでもいまの若者エピソードの1つとして、異性に告白してその告白文を本人が入っていない別グループSNSにさらされるような話を聞くと、告白しない人が増えるのは理解できます。
他に日常での楽しみの選択肢が多く、自分のテリトリー内で充実(と錯覚)できるため、行動を起こして災難に遭いたくなくなる土壌はあります。
2のやってみたら幸運に出会う。
街を散歩していて、おいしいパン屋さんに出会う。
花屋さん、レストラン、模型店でも何でもよく、心を開いて外界と接触すればセレンディピティはあります。
「犬も歩けば棒に当たる」の教訓は、アクションにはリスクもリターンもあるが、動かなければ何も始まらないと僕は捉えています。
そしてマイナスとプラスはイコールではなく、非対称性になります。
成功と失敗の費用対効果は非対称
「極めて優れたアウトプット」がもたらすリターンと、「極めてダメなアウトプット」がもたらすロスには非対称性があり、しばしば「ロスよりリターンの方がはるかに大きい」という事は意識しておいた方が良いと思います。
なぜそういうことになるかというと「極めてダメなアウトプット」は無視され、すぐに忘れられるのに対して、「極めて優れたアプトプット」は、その人の社会資本を一気に厚くして生涯に渡って金融その他の資本の形成に貢献してくれるからです。
長打と凡打の確率が同じであり、長打が大きなリターンを持続的に生み出すのに対して、凡打が些細なロスを一時的に生み出すだけなのであれば、リターンを最大化するにためには「とにかく打席の数を増やす」が合理的な戦略という事になります。
つまり人生の経営戦略において重要なKPIは「打率」ではなく「打席数」なのだ、ということです。人生の経営戦略 ページ229
自分が年を重ねたので分かったことの1つ、20歳代~30歳代は特に失敗が許されやすく、どれだけ手を上げるかは後々に影響します。
高齢者へのアンケートでも、人生で後悔していることで「もっと挑戦しておけばよかった」は上位に出てきます。
そして現実世界での経験が、老後の自分を支えてくれる面もある。
今回、この文章を作るうえでの元情報を見ていた時、ペットの死が怖くペットを飼わないという意見がありました。
この意見は死別経験者だからなのか分かりませんが、一緒にいた時間の温かさを知っているためにそう思うのかもしれません。
そして犬や猫に限らず、どんな動物を飼うにしてもたいていの場合は動物側が先に死にます。
その時には心にぽっかりと穴が開きますが、時間の経過で少しずつ日常に戻っていく。
心の整理が一段落した後は、何かの拍子にふと思い出すことがあっても、軽い疼痛で済むように人間の心はできています。
動物は自分の死をもって最後に大切なことを教えてくれる、と以前読んだ本の中に本にありました。
僕も経験者として、その通りだと思っています。
さいごに
猫が好きだった歴史的人物として平安時代の宇多天皇のエピソードがあります。
父の光孝天皇から黒猫を賜り、自身が天皇に即位する前から溺愛。
日記『寛平御記』に、猫の毛並みの美しさやネズミ捕りの腕前、「父からもらったから仕方なく飼っている」と照れ隠しする記述からは愛猫家と言えそうです。
上野の銅像で有名な西郷隆盛さんと愛犬のツン。
西郷さんは有名な犬好きで、山歩きの際に犬に食料を与え自分の食べる分がなくなることもあったらしい。
動物を飼っている・飼ったことがある人は、この光景が目に浮かぶと思います。