人生と仕事の調和を取るためのワークライフバランス

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統計データ

仕事とプライベートを相互循環させて人生を充実させる思想のワークライフバランス。
仕事中毒へのアンチテーゼの意味は認知されていますが、余暇のみ重視ではないことは意外に誤認されています。
日本のワークライフバランス評価を世界と比較するなら低位置です。
「自己責任」は良くない意味として使われる風潮になってきましたが、どうバランスを取るのかの選択は自分の側にあります。

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全体的に余暇重視者が増えている

毎年、発刊されるレジャー白書にある、仕事と余暇のどちらを重視するかの推移データが以下です。

仕事と余暇重視の割合 推移
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)

グラフ内一番左の青色部分が「仕事より余暇」重視派で、近年に近づくほどその割合が増えています。
2009年と2022年を比較すると+14.7%と、大幅増加しています。

対し、減っているのは「仕事と余暇、同じくらい(-7.2%)」と「余暇より仕事(-6.6%)」の2つです。
ほぼこの2つ減った分が、「仕事より余暇重視」に流れています。

この中で一番小さな数字の「仕事に全力」は、2009年は1.2%、2022年は1.8%。
仕事に重きを置く人は少なくとも、その割合は増えています。

性別・年代別 仕事と余暇の重視 2022年
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)

上記は、性別・年代別の仕事と余暇の重視割合、2022年の情報です。
全体的には男性の方が仕事重視派が多く、男女とも年代が若いほど余暇を大事にしている。
男性は高齢になると余暇重視派が増えていますが、女性は逆に減っています。
70歳代と言えば年金受給年齢であり仕事はしていない人が多いですが、その年代でも仕事を意識しているのは、お金のためと言うより、やらされ仕事ではなく好きな仕事であったり、社会とのつながりを考えているのか。

理想と現実は大きく乖離

ワークライフバランスの理想と現実
出典:2023年 ワークライフ実態調査(株式会社ライボ)

上のグラフはワークライフバランスの理想と現実割合、2023年の情報です。
理想ではプライベート重視派は72.2%。
現実はプライベート重視できている割合は42.5%。
現実は厳しいと言えそうです。

男女別 子育て優先度の希望と現実
出典:仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する参考統計データ(男女共同参画局)

上のグラフは子育て世帯の、仕事と家庭の優先度情報です。
母親希望の最多層は「仕事と家事育児を平等」ですが、現実は圧倒的に「家事育児優先」。
父親希望も母親同様「仕事と家事育児を平等」が最大ボリュームですが、現実は「仕事優先」です。
この辺り、社会全体のシステムや特に男性の意識の問題ですが、現実、ママさん達からの不平不満の証拠的な数字です。

世界的に見て日本は低位置

世界 ワークライフバランス ランキング
出典:Work-Life Balance(OECD)

世界全体で見た時、日本のワークライフバランスがどのくらいの位置にいるのか、OECDのデータがありました。
上位は欧州や北欧が固まっており、高福祉で有名な北欧はやはりこちらに属しています。
1位がイタリアなのは、人生を楽しみたい人が多い民族性なのか。

日本は最下位グループで、日本より下はこのデータ内41か国中、4か国のみ。
OECDが出しているデータなので信ぴょう性はあるとして、一昔前、日本人は働きアリ民族と揶揄された時期は超えていると思いたいですが、こうして国際機関に評価されてみると、まだまだバランス感覚が悪い国とされています。

世界の都市 ワークライフバランス Top10 2022年
出典:Cities with the Best Work-Life Balance 2022(KISI)

最後に、民間会社情報ですが、世界の都市別のワークライフバランス情報です。
この元データ、全部で100都市(Top100)です。
上のグラフはその中のTop10と、日本で唯一入った都市の情報です。

上位は欧州や北欧の都市が並んでいます。
1位はノルウェー、他にスイスが3か国、欧州以外では7位オタワ(カナダ)、8位シドニー(オーストラリア)がランクインしています。

100位以内に入った日本国内の都市は東京の14位のみ。
他の民間データではワークライフバランスと軸は違いますが住みやすい都市として、大阪や福岡などが上がってきますがこの情報では東京のみです。

ここまでをまとめます。
・仕事より余暇重視派が年々増加している
・一番余暇重視しているのは女性20代
・4%台と少数ですが男性10代と30代は仕事重視派がいる
・仕事と余暇の理想と現実のギャップは大きい
・特に子育て世代の女性は仕事も家事育児も平等をもとめているが現実は圧倒的に家事育児優先
・日本のワークライフバランス順位は最下位グループ

仕事も家族チーム運営も両方できる

内閣府にワークライフバランスに関する以下の記載があります。

誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない。
仕事と生活の調和と経済成長は車の両輪であり、若者が経済的に自立し、性や年齢などに関わらず誰もが意欲と能力を発揮して労働市場に参加することは、我が国の活力と成長力を高め、ひいては、少子化の流れを変え、持続可能な社会の実現にも資することとなる。

出典:仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章(内閣府 男女共同参画局)

勘違いとして受け取られる例として「私生活優先ではない」「仕事と生活を半々」でもない。
両方を充実させるのがこの文意です。
これが昭和時代の男性、仕事をしていればそれ以外の家事育児は免除されていた風潮を、反省しているのか分かりません。
あるいは、これを作成した部署が、仕事ばかりしていなければ良いすが。
また、ワークライフバランスと近い言葉で以下もあるようです。

・ワークファミリーバランス
ワークライフバランスの前段階、由来となった言葉。
育児中の女性が仕事と家庭・育児の両立を目指す施策。

・ワーク・ライフ・インテグレーション
仕事と生活を統合(インテグレーション)させて充実を目指す。

・ワーク・イン・ライフ
仕事も人生(ライフ)の1つとしてとらえる。

何にせよリバランスではなく、相互作用によって両方上昇がこれらの思想に通ずる点です。
70対30だったものを50対50にするのではなく、80対60にするようなイメージ。

安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない
仕事に追われ、心身の疲労から健康を害しかねない
仕事と子育てや老親の介護との両立に悩む

出典:仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章(内閣府 男女共同参画局)

人口減少、核家族化が進み、高齢者が増え、収入は増えず、世界的には取り残されている日本。
さまざまな環境が厳しい中、手なりではじり貧というか悪化していくだけなのですが、どうやって自分の人生を構築していくのか見通しが立てられない。

そんな中、いまの日本はワークライフバランスに追い風かどうか考えてみます。
人々の思想として、仕事ばかりの人生はイマイチと考える人は増えているので追い風。
未来展望が暗く、仕事と生活の両方を充実させようとする人は増えていると思えないので逆風。
残業時間規制はどんどん厳しくなっているので追い風。
コロナウィルス過でテレワーク浸透は、追い風かと思っていたのですが、以下のニュースではそうではなく。

テレワーク実施率は 15.5%と過去最低(公益財団法人 日本生産性本部)

僕がワークライフバランスを強く意識したのは、コロナウィルス禍で実施されたフルリモート業務です。
それ以前、僕がフルタイムでオフィスに出社していましたが、平日は朝早く家を出て夜遅く帰宅する生活。
子どもが生まれてからは、帰宅時間はほぼ定時にしましたが、それでも平日のバランスは仕事>>>家庭くらいだったと思います。

それがコロナ過になり、毎日、家にいる。
僕の奥様の体調が悪い時に子どもの登校サポートしたり、昼間に自分の運動もかねてスーパーへ買い物に行く。
日中の1時間くらい、僕の奥様がPTAなどで不在の時は、子どもを意識しつつ仕事をしたりもする。
自分が、家庭のさまざまなシチュエーションに際し、家族チーム運営に参加できるようになりました。

もちろん、平日・日勤帯は仕事優先ですが、任意の時間に昼休みを取得できることも含め、時間の采配が自分側にある。
僕の奥様から「今度の平日の〇時に時間が取れないか」と言われれば、その時間は家族チーム運営時間として確保できる可能性があります。
仕事と家庭がどちらが上でもなく、かつイコールになったわけではありませんが、その境界があいまいになりました。

仕事上の注意点としては、仕事と生活が近接となったため、切り替えや短期集中はより意識せざるを得ない。
リアルワーク時代のダラダラ残業のような意識はゼロになり、トラブルがなければ決まった時間に夕食を食べるようになりました。
他に大きかったのは、無意味な通勤時間がなくなった点は大きな思考の変革点になりました。

ただこれはあくまで僕の業界や環境、性格がリモートワークにマッチしただけであり、全員がリモートワークを選択できたとしても、幸福度が上がるとは思っていません。
リモートワークができない職種もあり、消防士さんやお医者さんなど、物理的な職業は仕事を定時上がりもきっと難しい。
とは言え、残業ゼロを目指す仕組みづくりは、目指した方が良いに1票入れます。

言うまでもなく、残業ゼロが目的ではなく、そこで生み出した時間を活用して生活も仕事も充実させる。
厳しい言い方をすれば、指示待ち型思考ではその理念にのっとり結果を出すのは難しく、自律する人とそうでない人との差は広がります。

僕はいま、ワークライフバランス視点で自己評価したら、人生で最高得点です。
村上春樹さんの言葉で言うと「時間を味方に付ける」が、より身近になりました。

独身時代は仕事三昧でそれはそれで充実していましたが、ステージが違ういまは、広い視点で物事を考えられるようになりました。

さいごに

ワークライフバランス思想が勢力を強めていますが、仕事が好きな人はいまもいます。
以前、一緒に働いていた同僚は「僕は仕事が大好きで、ずっと仕事していても苦にならないです」と言っていました。
実際、その人はいつもオフィスに遅くまで残っており、休日も自宅で仕事の資料などを作っている。

こういう人は一握りですが、彼らはワークライフバランス的な生き方は求めていない。
「仕事ばかりで人生楽しいの?」と言われることがあるのかもしれませんが、その人はいきいきしていました。

残業上限を法律で決めるのは、全体幸福視点や声を上げにくい人を救う面でも良い施策です。
組織運営上、例外は作らないので、残業規制は仕事が好きな人にとってはネガティブな施策になります。

それでも本人が本気で仕事をしたいと考え、上長がある程度状況が見られるなら、例外はあって良いと僕は考えています。