日本国内でも世界的に見ても、タブレット保有率は踊り場にきています。
タブレット保有率は、中高年の年代、子どもがいて、高年収ほと高い。
ここ数年、子どものタブレット保有は上昇しましたが、いまは横ばいになりました。
子どもにタブレットを見せるとき親は躊躇しますが、デジタルネイティブ世代の子どもと一緒にうまく付き合っていく手法を模索するくらいで良い気がします。
タブレット保有率は40%だが鈍化
最初に日本全体のタブレット保有率が以下です。
出典:情報通信白書(総務省)
このグラフ内の一番古い年が2010年で、タブレット保有率は7.2%。
最新年の2022年が40.0%になっており、この間、約5.5倍に伸長しています。
ただここ数年、伸び率は鈍化しており、一番高い年は2018年の40.1%です。
出典:令和4年通信利用動向調査(総務省)
2022年、男女別タブレット保有率は上記です。
男性は42.7%、女性は29.4%と、男性保有率が高く約1.5倍です。
出典:令和4年通信利用動向調査(総務省)
年代別タブレット保有率が上記です。
最多層は40~49歳の56.9%で、この前後の年齢層がタブレット保有率が高くなっています。
人数が多い家族、子どもがいるほどタブレット保有率が高い
出典:令和4年通信利用動向調査(総務省)
世帯人員数によってのタブレット保有率が上記です。
世帯に所属する人数が多いほど、タブレット保有率が高くなっています。
1台のタブレットをたくさんの人が使うであれば、活用されていると言えそうです。
出典:令和4年通信利用動向調査(総務省)
同居メンバーが単身者か大人のみか、子どもがいるのかによってのタブレット保有率が上記です。
一番タブレット保有率が高いのが「大人が2人以下+子ども」で61.3%。
子どもが同居しているとタブレット保有率が高く、高齢世帯のみ世帯は最低値の17.6%と低い結果です。
出典:令和4年通信利用動向調査(総務省)
世帯年収別、タブレット保有率は上記です。
世帯年収が高いほどタブレット保有率が高く、奇麗な右肩上がりです。
出典:令和4年通信利用動向調査(総務省)
都道府県別、タブレット保有率情報が上記です。
全国平均は37.2%、東京が頭一つ高く、人口が多い都道府県がやや高い結果です。
とは言え、四国の徳島や愛媛は高く、高知は最下位と東京以外は不規則になっています。
世界的に見てもタブレット保有率は鈍化
出典:令和4年版 情報通信白書(総務省)
近年の世界全体のタブレット保有率情報が上記です。
この情報では2017年がタブレット保有率が一番高く、2024年に向けて下がっています。
同時期、スマホは微増を続けており、スマホの大画面化がタブレット需要を侵食している可能性を感じます。
出典:2023年7月21日【2022年度実態調査結果_ICT所有率】(教育ネット総合研究所)
出典:2021年2月1日【小学1年生家庭でのタブレット所有率】(教育ネット総合研究所)
日本国内で、子どものタブレット所有率情報が上記です。
グラフ内6年間の経過で見ると増加していますが、最新年の2022年は2021年にくらべ下がっています。
他には、小学校1年生からタブレットを保有しているのが現代っぽいですが、タブレット自体は鈍化ステージに入っています。
ここまでをまとめます。
・日本国内のタブレット保有率は40%前後で鈍化中
・女性より男性、中年層の保有率が高い
・人数が多い家族、子どもがいるほど保有率が高い
・世界のタブレット出荷台数は減っている
・日本の子どもタブレット保有率はここ数年で増加して、いまは横ばい
子どものタブレット視聴に葛藤する大人
スマホを見続ける大人は増えていると、僕は考えています。
それくらい、スマホの先のネットには人を引き付けるものがある。
「ネットは広大だわ」という有名なアニメの言葉は、現代ではリアルなお話です。
YouTubeで、自分の興味がある分野をひとたび視聴すると、関連動画が横に並ぶ。
同じYouTuberの動画を見ても良いし、違った視点の動画もおもしろい。
今の若者は、TikTokなどのショート動画が人気ですが、いずれも手軽に気楽に視聴できる。
子どもの将来なりたい職業としてYouTuberが上がってくるのも、彼らが日常的にYouTubeに接触している結果です。
子どものタブレット使用をいつから解禁するか、デメリットは許容できるか、子どもを持つ親は悩みます。
現実、子どもにタブレットを渡して見せている時、大人は自分の時間が確保できます。
その間に家事を片付けたり、自分の時間としてゆっくりしたりという大人側のメリットもある。
ただ、そこに子どもの目が悪くならないか、危ない情報に触れていないか、外で遊ばせた方が良かったのではないかなど、モヤモヤ感も付きまとっている。
現代では、たいていの親はスクリーンタイム(スマホやタブレット、テレビなどの視聴時間)が長くなると、発達面でたとえば語彙が少なくなるなどの悪影響があるのは知っています。
反面、動画を見て理解が深まる、あるいは一例として海外の大学の授業をみるなど教育的要素もある。
そして、タブレットを渡しておけば、子どもはおとなしくしている。
タブレットやスマホは、諸刃の剣です。
リスク回避思考なのかリアル大事発想なのかいろいろありますが、世の中にはタブレットやスマホを一切禁止の家庭方針のお家もあります。
この方針の言わんとしていることは、子どもを持つ親として理解できます。
この場合、禁止期間はIT経験ができませんが、解禁すれば子どもの興味にもよりますがそれほど心配しなくても良さそうとも感じます。
わが家では、1日の視聴時間を決めて、タブレットを渡しています。
子どもはダラダラ見続けることはなく、最初に決めた時間制限ルールを守り続けられている。
ルールを破ったらタブレット禁止なので、それに従っているだけでもありますが。
あとは長距離移動時に、休憩を入れつつタブレット視聴は解禁しています。
車や新幹線で長距離のときに、その時子どもが興味を持っている番組を見せている。
おとなしくじっとしていてほしいとき、タブレットやスマホは無敵のツールです。
楽しいは大事ですが、依存はいただけない。
タブレットやスマホには中毒性があります。
やや無理筋かもしれませんが、幼少期からのタブレット視聴はワクチン思想と同じく、弱毒で体を慣らしておく面もあるのではないか。
ネットに免疫がなかったとき、現代社会を渡っていくのはいろいろ弊害が想像できます。
タブレットを敵とみなすのではなく、やや癖のある友達あたりが妥当なのではないか。
タブレット視聴は子ども・大人の差異なく、ルールを決めて視聴するのが、現代の教科書的回答です。
さいごに
スマホは個人に特化した端末で身近なもの。
パソコンは画面が大きく、アウトプット作業としても使える。
タブレットはその中間点で、中途半端な端末だと僕は位置付けています。
強みはその適当な大きさの画面で、手軽にインプットするためのツール。
そうであるがゆえ、この先のタブレット販売台数予測は減少傾向なのかもしれません。
近未来、画面をたとえば時計のような端末から空中に表示できるようになれば、いまのスマホやタブレットの役目は終わります。
その時、MoMAあたりに骨董品扱いのスマホとタブレットが収蔵されていると予測できます。