子どもの交通事故は減っているが2021年以降は少し増加

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日本全体でも、子どもに絞っても交通事故は減少し続けています。
若干、2020年以降増えていますが、2020年がコロナ自粛のピークの年という特殊事情はあります。
子どもの事故件数は、水曜の夕方が多いのは、以前から変わっていません。
交通事故は加害者・被害者、関係者はみんな不幸にしかなりませんが、子どもの事故は親として想像したくない最右翼の1つです。

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交通事故は2004年をピークに下落傾向

ここ11年の19歳以下の交通事故の死亡者数推移が以下です。

子どもの年齢別 交通死亡事故者数
出典:道路の交通に関する統計(警視庁)

この中で一番死亡者数が多い年齢層は「15~19歳」で、2022年は86人。
「15~19歳」の2012年は181人なので、2022年は2012年に比べ-95人と47.5%に減少。
それ以外の2022年の各階層の交通事故・死亡者数は以下です。
4歳以下=14人(2012年比46.7%)
5~9歳=9人(2012年比27.3%)
10~14歳=4人(2012年比21.1%)

子どもの年齢別 人口10万人当たり 交通死亡事故者数
出典:道路の交通に関する統計(警視庁)

少子化が進んでいるので、実際の件数ではなく人口10万人当たりの情報が上記です。
グラフトレンドは実数と変わらず、右肩下がり。
2022年の各階層の交通事故・10万人当たりの死亡者数は以下です。
4歳以下=0.32人(2012年比56.4%)
5~9歳=0.18人(2012年比29.7%)
10~14歳=0.07人(2012年比23.2%)
15~19歳=1.54人(2012年比51.7%)

全年齢 交通事故発生数の推移
出典:交通事故発生状況(警視庁)

補足として、全年齢層の交通事故件数は上記です。
1960年台と2000年台前半に山があります。
ピークは2004年の952,720件、2022年は300,839件と約7割減少しています。

いずれにしても、近年になるほど交通事故は減っています。

子どもの事故、曜日別では水曜、時間帯は夕方が多い

ここからは全国の情報ではなく、警察庁にあった2023年上半期の情報です

子供の交通人身事故発生件数
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

グラフ内オレンジ線の「死者数」は右軸で、1桁です。
「発生件数」と「負傷者」は2020年が最低値で、それ以降増えています。
2020年はコロナウィルス蔓延で、外出控え風潮が高まった年です。
それ以降の数値増加は、コロナ過慣れで少しずつ外出が増えたとも考えられます。

曜日別子どもの交通事故発生件数
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

曜日別では、一番交通事故が発生しているのは水曜日。
と言っても突出しているかと言えばそうではありません。

時間帯別 子どもの交通事故発生件数
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

時間帯別でみると「16時~18時」がピークでその前後が高い。
通常、子どもは午前中、学校にいるので当たり前と言えば当たり前。
学校が終わった後の午後、特に夕方、子どもの交通事故発生件数が多い。

子どもの事故遭遇1位は自転車乗車中で約2/3

子どもがどんな状況で交通事故にあっているのかが以下です。

子どもの交通事故発生件数 状態別発生状況
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

交通事故にあうときの状況として、1位は自転車に乗っている時で67.1%。
2位が歩行中の32.8%で、発生状況はほぼこの2つです。

子どもの交通事故 自転車乗用中の発生状況
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

自転車に乗っていてどんな状況で交通事故にあっているのかの情報が上記です。
1位は「出会頭」、2位は「車両単独」、3位は「人対自転車」。
この3つで全体の74.2%と大半の原因です。

子どもの交通事故 自転車乗用中の違反別発生状況
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

子どもが交通事故にあった時、違反や操作ミスしていたかの情報が上記です。
1位は「違反なし」、2位は「ハンドルブレーキ操作ミス」、3位は「安全不確認」。
違反していない状態の33.5%と約1/3ですが、自分の違反とは関わらず事故にあっています。

子どもの交通事故 歩行中の発生状況
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

子どもの交通事項遭遇のうち2位である歩行中、どんな状況で交通事故にあっているのかの情報が上記です。
1位は「その他」となっており、2位の「横断歩道」や3位の「横断中」ではない場所です。
5位に「路上遊戯中」がありますが、交通事故が多かった昭和時代はもっと子どもが道路で遊んでいて、事故にあっていたと想像できます。

子どもの交通事故 歩行中 違反発生状況
出典:子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)(警察庁)

子どもの歩行中、どんな違反していて事故にあったかのか。
1位は「違反なし」で74.0%、約3/4は違反していない状況で交通事故にあっています。
2位は定番の「飛出し」12.7%と、1位に比べると一気に下がります。

 

ここまでをまとめます。
・子どもの交通死亡事故は減っている
・全年齢の交通事故件数も2000年台前半をピークに下がり続けている
・ただし2021年はコロナ過外出自粛の影響したのか最低値でそれ以降少し増えている
・曜日別に見ると水曜、時間帯は夕方に子どもは事故にあっている
・事故の大半は自転車運転中で、次いで歩行中

交通事故はだれも幸せにしない

気が付いたら、地面に横たわっていた。
僕は子どもの頃、何度か自転車に乗っていて交通事故の当事者になり、上記はそのうちの1回で、車に引っ掛けられたときの状況です。

いま、思い返してみても注意力散漫で周囲をよく見ていないので何度も事故にあっていた、と反省すべき子どもでした。
幸い大きなけがに至らず後遺症もありませんが、現代の感覚から比べると危機意識レベルが何段階か低いのは間違いない。

交通事故に遭遇すると、加害者・被害者、その家族などの関係者全員が不幸になります。
自分が大人になり、車を運転するようになったのでこの言葉が身に染みて分かります。
いまのところ、僕は車運転時に人身事故を起こしたことはないのですが、だれかを車でひいて死亡させたと考えると相手のご家族の人生、自分の人生に大きな影を落とすのは容易に想像できる。

僕が子どもを持ったことも、これに拍車をかけています。
こちらが加害者の状況で、相手が大人であってもこちらに非があるのは変わりませんが、被害者が子どもであったならと考えると、差別と言われても深刻度が違いそう。
と言うのは、わが家の子どもが交通事故にあったと想像すると、自分の中でインパクトが計り知れない。

自分が独身の頃は、もっと傲慢だったとも思っています。
子どもに対して特別視することもなく、フラットと言えば聞こえは良いですが、子どもの未来のような発想は持ち合わせていない。
僕は子どもを持って、自分の自動車運転に対しての周辺配慮意識が1段以上上がりました。

上記のような子どもの有無とはたぶん無関係に、いまは上のグラフの通り事故が減っています。
原因として車側の安全技術向上がその一翼であるのは間違いなく、車のセンサーや自動ブレーキ、歩行者エアバッグなど、事故発生抑止技術は日進月歩です。

人を不幸にする技術もありますが、基本、技術は人をサポートするもの。
それが年々向上し、人間側の意識も向上すれば社会の幸福総量は上がるはず。

何度も書いていますが、車の自動運転が普及すれば交通事故件数、年間1桁は難しいかもしれませんが、2桁に納まると僕は予想しています。
年老いていくと認知機能や反射機能が衰え、とっさの対処ができなくなる。
人間の運転がリスクであり、現代はそれを技術でカバーしていく過渡期です。

近未来、大半の状況では自動運転で許される状況の時のみ人間が運転する。
僕は車の運転が好きですが、上記でも良いと考えています。

さいごに

子どもが嬉しい時や興奮している時、衝動的になる。
友達との追いかけっこが楽しくて、道に飛び出すのもその1つです。
視野が狭く、危険が分かっていないので、大人脳なら回避できるお話です。

ただ、いまの子どもたちの危険やリスク感覚は、親世代よりレベルが高いと思っています。
アウトロー的な子どもは減り、ルールを守る子は増えている。

車の安全技術進歩面だけではなく、子どものソフト面(安全意識)も高まっていると周囲の子どもを見ていて感じます。