幸福度ランキングで日本は51位、幸福は年齢とともに変わる

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・世界幸福度(生活満足度)ランキング2024年情報、日本は51位
・ここ10年、日本の順位は50位前後を行ったり来たりしている
・30歳未満のランキング、日本はロシアより下の73位
・60歳以上のランキング、日本は36位と全年齢幸福度より高い
・100歳以上まで生きたいと考える日本人は他の国に比べ圧倒的に少ない
・日本の未来が明るいと答える人も他国に比べ少ない
・それでも生まれ変わるなら日本が良いと答える人は約2/3いる

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世界幸福度ランキングで日本は51位

世界各国の生活満足度ランキング 2024
出典:World Happiness Report 2024(The World Happiness Report)

上記は、世界幸福度(生活満足度)ランキング2024年、全年齢の情報です。
10点満点評価の結果で、上位10か国とそのほかいくつかの国の情報です。

世間認知通り、上位は北欧や西欧の名前が並んでいます。
オーストラリアは10位、ニュージーランドは11位、カナダ15位、イギリス20位、アメリカ23位です。
日本は51位で、52位に韓国となっています。

日本の生活満足度 国別順位 推移
出典:World Happiness Report 2024(The World Happiness Report)

日本のここ10年の、世界幸福度(生活満足度)ランキング推移が上記です。
2015年は46位、最も悪い年は2020年の62位、2023年は47位と上昇しましたが、2024年は51位と順位を下げています。
平均で見ても意味はありませんが、ここ10年の平均は53位で、50位付近をいったりきたりしています。

先進国は若者は幸福ではなく老人は幸福と答える人が多い

世界各国の幸福度ランキング 若者 (30歳未満) 2021~2023年
出典:World Happiness Report 2024(The World Happiness Report)

上記は、30歳未満に絞った世界幸福度(生活満足度)ランキング2024年の情報です。
全年齢情報では北欧・西欧がTop10を占めていましたが、30歳未満では上位の顔ぶれが変わっています。

1位リトアニア、2位イスラエル、3位セルビア、4位アイスランド、5位デンマーク。
6位ルクセンブルク、7位フィンランド、8位ルーマニア、9位オランダ、10位チェコ。
52位韓国、58位カナダ、62位アメリカ、68位ロシア。
日本はロシアより下の73位で、全年齢では51位でしたが30歳未満の幸福感は全年齢に比べて低い結果です。

世界各国の幸福度ランキング60歳以上 2021~2023年
出典:World Happiness Report 2024(The World Happiness Report)

上記は、60歳以上に絞った世界幸福度(生活満足度)ランキング2024年の情報です。
1位デンマーク、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位アイスランド。
6位ニュージーランド、7位オランダ、8位カナダ、9位オーストラリア、10位アメリカ。
38位イタリア、59位韓国、66位ロシア。

日本はイタリアより上位の36位で、30歳未満では全年齢より下だったのもあり、60歳以上は全年齢51位より上の結果です。
上位陣は北欧・西欧の国が多い結果で、総じて老人年齢は幸福度が高く若者はそうでもない。
日本もここに属します。

100歳まで生きたい人、日本は他国に比べて少ない

100歳まで生きたいと思うか
出典:100年生活者研究所 2024定点調査レポート1 人生100年時代の二つの視点(株式会社Hakuhodo DY Matrix)

上記は博報堂(株式会社Hakuhodo DY Matrix)がアンケートを取った、100歳まで生きたいかの結果です。

日本は「とてもそう思う」と「そう思う」と答えた、ポジティブ回答者27.4%とが他国と比べて低い。
日本以外のすべての国は、半数以上が100歳以上まで生きたいと回答しています。

日本の未来についてどう考えているか
出典:100年生活者研究所 2024定点調査レポート1 人生100年時代の二つの視点(株式会社Hakuhodo DY Matrix)

上記は自分の国の未来について、どう考えているかの結果です。
「この国の未来は明るいと思う」「この国の人の幸福度は、長期的には上がっていく」「今後10年で、この口の経済は成長する」の3項目。
いずれも、日本は最下位の結果です。

子どもだけが未来の要素ではありませんが、国の衰退に人口は大きく影響します。
韓国の2022年の合計特殊出生率は0.72(暫定値)と、日本の2023年の出生数予想値1.20前後よりはるかに低いですが、その韓国より日本人は未来に悲観的です。

ただし、最後の解答結果「いま、生まれ変わるとしてもこの国が良い」のみ、日本は最下位ではなく他国を含む下位グループに入っています。
日本の未来は明るくないが、それでも日本に生まれたい人は63.7%と約2/3です。

なんとかなる感覚は強ポテンシャル

幸福を考える視点として、以下3つがあります。

・マキシマイザー
最高の結果、100点を目指す、完璧主義的
・サティスファイザー
満額回答ではなくどこかで割り切る、80点を目指す姿勢
・ミニマリスト
近年増えている思想の1つ、必要最小限で暮らすライフスタイル

最初に「ミニマリスト」ですが、これは「マキシマイザー」と「サティスファイザー」と少し視点が異なります。
資本主義的、物や情報あふれに対する反動姿勢で、不必要なモノをなるべく持たない。
「できるだけ持たない」状態を目指すが、必要最小限の物は当然必要なので「サティスファイザー」に近い思想です。

「マキシマイザー」と「サティスファイザー」はアメリカの心理学者バリー・シュワルツ博士の研究で有名です。
結論として、幸福度アンケートを取った結果は「マキシマイザー」より「サティスファイザー」の幸福度が高かった。

マキシマイザーは幸福追求するためにたくさんのことを調べ、その中から決断を下します。
大量の情報を調べ上げるのも相当な熱量が必要ですし、たくさんの選択肢から選ぶのも人間にはストレスになる。
どこかで割り切って、いまあるカードの中から最良の選択肢を(勇気を持って)選び、幸福な時間を目指す方が幸せになる可能性が高いのは理にかなっています。

僕は「マキシマイザー」の凄さが分かっていませんが、突き抜けられるなら「マキシマイザー」が最大幸福なのかもしれないとは考えています。
ただ、そこにたどり着くまでが安易ではなく、平均値的な比較するなら「サティスファイザー」に軍配が上がるに同意します。

「サティスファイザー」として、自分の好きな分野、趣味やスポーツに注力し、それ以外はそこそこの状態を維持する。
他人からの不用意なプレッシャーが減った現代、衣食住もひととおりそろう日本では「サティスファイザー」が増える土壌があります。

別視点ですが、結婚生活を継続できている人は、サティスファイザー思考が必要なのは全員がうなずくのではないか。
パートナーが思い通りに動いてくれずに腹を立てたり、ケンカする。
ケンカ直後は自分の想いに固執して視野狭窄になっているが、時間をおいてみてみると相手の言い分も分かる。
この時点で不完全な自分がいるのに、相手に完全性を求める矛盾。
こうして、どちらか一方の満額回答ではなく落としどころを見つけて、結婚生活が成り立っていきます。

幸福と言うと、村上春樹さんが作られた「小確幸」という造語があります。

小確幸とは「小さいけど、確かな幸福」を略して単語化したもので、小さくても確かな幸せを感じて生きていけば、なんとななるというニュアンスで用いる。
小確幸は作家:村上春樹が自身の著書『村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた (新潮文庫)』の中で用いた造語である。村上春樹の書籍は世界で発売され、欧米の他、東アジアでも人気があるが、小確幸は特に台湾で流行し、用いられた。

出典:小確幸(日本語俗語辞書)

僕は東日本大震災が、特に関東以北の人たちに大きな影響を及ぼしたと思っています。
いまある日常が強制的に書き換えられる可能性が、いつも横にある。
そう考えると、「小確幸」解説の中の誤植だと思いますが「なんとかなる」は、生きていくうえで大事な視点となる。
どこにいても自分で考えて何とかしていける漠然とした自信は、平時も緊急時も生きやすくなるポテンシャルです。

置かれた状況の中で大切だと思うものを見つける。
散歩、ゲーム、ドライブ、美味しいものを食べる、庭いじり。
村上春樹さんは、神宮球場の外野席で飲むビールはその1つです。

この「小確幸」、「サティスファイザー」要素が強いですが、「マキシマイザー」的な覚悟も感じられます。
金額の大小ではなく、現実に即した身近なモノの中から、自分が幸せと感じられるものを決める。

若い時は自己顕示欲もあり、本来的な意味でのマキシマイザー的な行動は若気の至りとして良くあります。
とは言え、最近の若い方たちはそうでもない方も増えており、あえて目立たないよう振る舞う人をみると多様化の1つだと感じます。

僕はすでに若者属性ではなく、上の世代です。
オッサンになって分かったのは、幸福は年齢とともに変化する。
若いころは存在すら認識しなかった植物をみて、いまは宇宙を感じ取れる。
他人との違いに一喜一憂することも減り、自分と向き合えるようにもなる。
選択肢が狭められた影響もありますが、突き放してマクロとミクロの両視点でモノが観られるようになってきました。

青年時代の、ハイカロリーなハッピーもある。
中年以降の、地に足の着いた楽しみもある。
この先の老年期、どんなことに自分が幸福を覚えるのか楽しみです。

さいごに

自分の親や僕の奥様の親を見ていると、それなりに幸せそうだと感じます。
彼ら・彼女らは、自分勝手に横柄に振る舞う老害ではなく、世間に迷惑をかけない意識を持ちつつ自分のやりたいことをやっている。
そのために、人に気を使わなくて済む環境を目指し、自分のために時間を使っています。

そこには自分の足で歩いて移動できる、健康がベースにある気もしています。
寝たきりになって不幸かは、現段階の僕では理解が追いついていません。
自分の足で自分のできる範囲で自分のやりたいことができているのは、幸せな状態と感じます。