フィットネスクラブ利用者数はコロナ過で減少したのち復調

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統計データ

日本のフィットネスクラブ利用者は、コロナ過以前に増加、コロナ過でいったん減少しましたがその後また増えています。
利用者は増えていますが、会員数は減っているので、可処分所得の減少あるいはコスパ志向が原因かもしれません。
世界と比較するなら日本のフィットネス参加率は30位と微妙な位置。
運動は大切と分かっていても運動・スポーツ実施率が停滞している現状からは、実際に身体を動かす心理的ハードルは高いと言えそうです。

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フィットネス利用者数はコロナ過を除けば増加

このブロックは、フィットネスクラブ利用者に関する情報です。

フィットネスクラブ 利用者数
出典:特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)

経済産業省にある、フィットネスクラブ利用者数が上記です。
主要な企業にアンケートを取っての合算集計なので、1人で複数のフィットネスクラブ所属の場合もカウントしており、合計値が日本人の総人口より多くなっています。

推移を見てみると、コロナウィルス時には減少していますが、それを除くと伸びています。
最高値は2018年の2億0668万人、2020年に1億3518万人、2022年は1億6041万人です。
2000年と2022年を比較すると、182.6%の伸長率です。

フィットネスクラブ 会員数と割合
出典:特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)

上記も経済産業省のデータで、会員数と利用者が会員かどうかの会員率の情報です。
会員率(グラフ内 オレンジ色折れ線)は右肩下がり。
会員数(グラフ内 青色棒グラフ)の流れは、1つ上のグラフのフィットネスクラブ利用者数と近いですが、増加率は低い。

運動・スポーツ実施率の年次推移
出典:スポーツライフ・データ 2022(笹川スポーツ財団)

上記は参考情報ですが、笹川スポーツ財団にある、運動・スポーツ実施率が上記です。
「年1回以上」「週1回以上」「週2回以上・1回30分以上」、いずれも2018年~2020年まで伸びています。
グラフでは分かりにくいですが、2022年はいずれも少し下がっています。

スポーツクラブ・同好会・チームへの加入率の年次推移
出典:スポーツライフ・データ 2022(笹川スポーツ財団)

上記は、スポーツクラブ・同好会・チームへの加入率の年次推移です。
男性(グラフ内 青色)の加入率減少が大きく、1992年は24.2%が2022年は16.9%と下げています。

フィットネスクラブ売上高や店舗数も利用者数と同じ

フィットネスクラブ 売上
出典:特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)

上記はフィットネスクラブの売上推移です。
最高値は2018年の3,400億円、その後2020年に2,200億円、2022年は2,700億円。
当たり前ですが、フィットネスクラブ利用者数と近い流れです。

フィットネスクラブ 従業員数・指導員数・事業所数
出典:特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)

上記は、フィットネスクラブ 従業員数・指導員数・事業所数の情報です。
右軸となる事業所数(グラフ内 青色線)が、この3つの中では一番伸びており、2000年と2022年を比べると前後比213.1%。
実際、2024年現在、東京の駅に近い立地には小型のフィットネス店舗が増えています。
3つともピークはコロナ過蔓延のはじめくらいの2019年から2020年で、それ以降下がっています。

 

スポーツクラブ業界 売上高と利益率
出典:スポーツクラブ業界 売上高ランキング(業界動向サーチ)

上記はコナミやセントラル、RIZAPなどの認知度が高いところから、大手ホールディングスの一部門が運営しているものまでの売上高上位10の情報です。
折れ線グラフが利益率で、この中で0%を下回っているのはRIZAPグループの-7.9%、ルネサンスの-2.7%です。
コロナウィルス禍でいったん需要が落ち回復中のフィットネスクラブ業界。
その他のフィットネスクラブが利益率プラスになっている点から、利益率マイナスの原因は戦略的な出店加速や広告費の増大など思いつきます。

日本のフィットネス参加率は3.35%で世界30位

2018年各国フィットネス参加率(IHARSAグローバルレポート)
出典:フィットネス業界有識者で議論する会議(株式会社hacomono)

上記は、世界各国のフィットネス参加率です。
2018年の集計情報で、上位は欧米とカナダ、オーストラリア、ニュージーランド。
上位国を眺めてみると、先進国が並んでいます。
フィットネスクラブが盛んになるには、生活安定が先と考えると後進国より先進国側の可能性が高い結果ともいえます。

この中で日本は30位の3.35%。
約30人に1人が、フィットネスに参加している計算です。

ただ僕の周辺だけを考えてみると、この3.35%ではなくもっと高い。
低く見積もっても10人に1人は、フィットネスジムに通っている人たちがいます。
僕が住んでいる場所が東京で、加入している健保組合でサポートがあるのはその大きな理由となります。
あとは、コロナ過でフルリモート業務も理由になります。
フルリモートになると、僕も含めたいていの人はコロナ太りを経験します。

リモートで雑談するとき、誰かの就業前にジムに行っている話に触発されたりもする。
通勤がそれなりのエネルギーを消費していたのを全員が異口同音に発し、在宅勤務は意識して体を動かす必要性を感じた人は多い。
自宅に閉じこもって、iPhoneでプリインストールされている「ヘルスケアアプリ(歩数などを勝手に計測してくれる)」を見ると、1日1,000歩も歩いていない話も聞きます。

僕は出社するのであれば電車通勤環境ですが、車通勤の人も運動不足になる要素はあるのではないか。
仕事への行き返りが車で、仕事をして帰宅するだけなら、運動量は多くはない。
そう考えると、適度な運動をするのであれば、どんな環境でも意識的なアクションが必要となります。

ここまでをまとめます。
・フィットネスクラブ利用者数はコロナ過前まで増加
・コロナ過でいったん減少しがたそれ以降復調中
・フィットネスクラブ会員率は減少中
・フィットネスクラブの売上は利用者と同じ流れ
・フィットネス事業所数は2000年と2022年を比べると2.1倍
・フィットネス参加率の上位は欧米の各国
・日本のフィットネス参加率は3.35%で世界30位

フィットネスクラブをロボットメンテナンスと見立てる

1年前、僕の友人は路上で脳梗塞を発症し倒れ緊急手術、いまもリハビリを続けています。
いまの彼の状態は日常生活に支障はなく、仕事にも復帰していて、ほぼ以前と同じ生活に戻っています。

術後一段落した頃、彼がお医者さんから言われたのは「適度な運動をしてください」。
その意図は2つで、1つは体重の減少、もう一つは運動量が少なく病気の原因(発症確率を下げる)でもあり再発防止(予防)です。

僕は彼の奥様とも連絡をする間柄なのですが、その後の彼の状況を奥様から聞くと「やっぱり運動はしないねぇ」。
大病を患っても生活習慣は変わらない、良くある話です。

病を患った彼はプロ野球観戦が好きで、仕事を終えた後、自宅で野球をテレビで観ています。
熱烈に応援している球団があり、球場へも足を運ぶこともしばしば。
日頃、自己主張はあまりしない性格ですが、野球に関して話し出すと止まらず、その熱量は相当です。

平日の夜、プロ野球観戦をするなら、同日に運動するのは時間的に難しい。
仕事から帰ってきてすぐにテレビ視聴開始、PM9:00前後で試合が終了するとしたら、そこから運動はしない。

サブスク動画サービスDAZNに入っているなら、テレビ中継ではなく試合がある日はほぼテレビで野球視聴できる。
娯楽の手軽さは、身体を動かす時間を確保する面から見ると強敵です。

お医者さん推奨では、週末だけではなく平日も定期的に動いてほしいですが、平日は厳しいならせめて週末くらいはとなるが、実際週末に身体を動かすかと言うと、そんなわけもなく。
「楽しみ」と「健康に良いから(嫌々)運動する」を天秤にかけると、前者に傾く人間の性(さが)です。

最近は、健保組合側で太り気味の人に対し、BMIを一定値まで落とせたらAmazonギフト券がもらえるなど、報酬制度が出てきました。
健保組合側もどれだけ効果があるのか恐る恐る試行しているのではないかと予想していますが、いっとき頑張ってBMI値を落としてAmazonギフト券をもらったのち、リバウンドする可能性が高いのではとも思っています。

身体を定期的に動かす習慣を身に着ける(身に着けさせる)のが難しいとして。
「仲間を作って一緒に楽しくできる何かを見つける」あたりは、対策として思いつきます。

一人だと「今日はいいや」になってしまうので、誰かと一緒なら強制力が出てくる。
ジョギングのように淡々としたものだと継続が難しいのであれば、ボール競技や水泳なども多目的にして、今日はこれ来週はアレのように工夫する。

こう考えると、フィットネスクラブはこれらの要件を満たしています。
他人の目があって、たくさんの種目がある。

他人と一緒が苦手な人であれば、自分の中でのルールを決める。
あまり高い目標設定して継続しないのも本末転倒なので、例えば平日1日、土日のどちらか1日はフィットネスジムに通うと決める。
少し頑張ればたどり着けるストレッチ目標設定は、組織でもよく使われます。

身体を動かす理由として健康維持が目的となる人が大半だと思いますが、目標設定倒れはいただけない。
ルール作りまでは誰でもできますが、それと実行までの距離が最大の課題点かもしれません。

気分や忙しいなどを持ち出してしまうと運動しなくなるので、自分をロボットとみなす。
フィットネスクラブは、ロボットのメンテナンス工場と自分をだます。

若い時はノーメンテナンスで徹夜や暴飲暴食を乗り越えられましたが、年齢を重ねると自分の身体が意図通り動かなくなってきます。
単なる加齢現象ですが、適度なメンテナンスをすると老化は遅らせられる。

運動を習慣化するなら、自分だましは一つの手段です。

さいごに

コロナ太り対策で、ある同僚が部屋内で運動できる自転車こぎ「エアロバイク」を購入。
テレビを見ながらやスマホゲームをしながら、30分から1時間くらい自転車運動を実施したそうです。
結果、彼はエアロバイクで大幅減量に成功。

スマホゲームで好きなゲームが見つかれば、30分くらいはあっという間です。
テレビでもドラマだと1本、アニメなら1本~2本、視聴しながらというのも時間を忘れそう。

室内なので天候に左右されず、暑い夏や寒い冬、雨も無関係。
エアロバイクを置く場所が必要ですが、手軽に継続してできる運動としてインドア派には1つの理想形です。