印鑑を子どもに贈る

スポンサーリンク
育児・子供観察

子ども用に印鑑を作成するか。
必要になる場面として最初に思いつくのが、子ども用の銀行口座開設です。
銀行口座開設時に、子ども専用印鑑にする人の割合は約1/3。
他にも、女の子用印鑑の彫刻文字の約2/3は下の名前です

スポンサーリンク

子どもの印鑑を作る人は約6割

ピジョンに子どもが生まれて印鑑を作ったかのアンケート結果がありました。
子どもが何歳かの情報がないのですが、多分生まれて月齢が浅い時期の解答だと思います。
他に、何の目的の印鑑なのかも質問にはなく、銀行口座開設用なのか記念用なのか分かりません。

こどもが生まれて印鑑をつくりましたか
出典:お子さんの印鑑つくりましたか?(ピジョン)
https://pigeon.info/mamaenq/answer-13061.html

1位の作っていないが41%で、子ども用の印鑑を作る人は半数弱。
生まれてすぐに印鑑が必要になるわけではないので、作った人は記念的な意味かもしれません。
作る人の中で、最上位は下の名前のみの31%です。
2022現在の日本で、最初に子ども専用印鑑が必要になるシチュエーションは、銀行口座開設が思いつきます。

こどもの口座の銀行印 親と共用
出典:こどもの口座の銀行印(おひるねぽてこ)

子どもの銀行開設に当たり、保護者の印鑑を流用するのか、子ども専用印鑑を作るのかのアンケート結果が上記です。
約1/3が保護者印鑑、残りが子ども専用印鑑です。

親の印鑑で口座開設すると、子どもに口座を渡すのであればひと手間必要になります。
口座開設目的が、子どもの教育費支払い用などに限定するのであれば、親の印鑑での口座開設は分かります。

苗字か名前かは男女で差がある

彫刻文字を、苗字にするか名前にするか。
男女でその割合が違っています。

印鑑の彫刻文字
出典:こどもの口座の銀行印(おひるねぽてこ)

男児の1位は約半数で苗字、下の名前は31%です。
女児の1位は下の名前で68%、2位が苗字で18%。

女性が結婚して男性の苗字に変わる場合、銀行印変更の手間が発生します。
それゆえ最初から苗字ではなく名前で銀行印を作っておけば、変更不要になる。
離婚されている女性から聞いてなるほどと思ったのは、離婚したときにも名前にしておけば楽だったというお話もあります。
男児の31%が下の名前にするのは、下の名前に愛着があるのかもしれません。

実印登録は約6割

日本で成人までに子ども専用の印鑑が必要になる場面として、銀行印と認印が思い当たります。
銀行印の方が認印より少し大きいものが主流ですが、銀行印と認印を共用するのも1つの手段です。

他に印鑑種別として出てくる「実印」。
車やバイクの購入、不動産取引や相続時など、重要取引書類に必要になる印です。

東京都の2020年のデータでは、印鑑登録割合は以下です。
印鑑登録総数 7,565,854 ÷ 本籍人口 12,660,383人 = 59.7%

実際には印鑑登録していない人もいるため、6割以上の人が実印を持っている結果です。
2022年4月1日の東京の19歳未満人口割合が15.3%なので、19歳未満でも一定割合の人が実印を保有しています。

実印を作るのは、それが必要になった場合と、親が子どもに成人祝いや社会人になるタイミングで贈るケースがあります。
以下、人生で初めて実印を作成した時期についてのアンケート結果がありました。

人生ではじめて実印を購入したのはいつ
出典:人生ではじめて実印を購入したのは、いつ?(Certificate & Society)

学生時代に実印が必要かと言うと、車やバイクを自分名義で購入する以外、使う機会は限られます。
それゆえ、社会人になるタイミングや、成人時に親が子どもに贈るのは分かりやすいシナリオです。

実印は、認印や銀行印よりも、さらに一回り大きいものが一般的。
認印であれば、樹脂製の安価なものを選ぶとしても、実印は素材を厳選する人もいます。

一般的に、印鑑の素材は動物の角・牙、硬い木、金属や樹脂などあり、時代とともに変わっています。
消えた素材として象牙、新素材としてコバルトクロムモリブデンなどが出てきています。
その中で、長く使うのであればチタンがいまの有力候補で、その硬度から耐久性では一生モノと言える。
チタンの素材らしく重さがあるため、捺印性も高い。

チタンの印鑑を子どもの銀行口座開設時に作り、将来子どもが巣立つときに銀行口座とともに引き渡すのは、いまの時代らしい動きです。

印鑑は斜陽産業

印鑑と聞いて僕の頭に残っている話ですが、会社で複数の人が押印する際、上位の役職者が押す印の場所に下位の役職者はお辞儀するかの如く斜めに押印する。
本当にそんな業界があるのか、ネットのネタなのかは分かりません。
もし存在するなら、微笑ましい世界があるものだと感じます。

僕は印鑑廃止に1票入れます。
すべての書類から、印鑑がなくなれば良いと思っています。
理由は単純に、押印が必要な時に印鑑を持っていない場合、再度来訪などの手間がかかるため。

海外に目を向けるなら、国外企業との書類には押印ではなくサイン、海外の銀行口座開設もサインです。
100均やネットで印鑑が購入できる点も、印鑑(認印)の意味が良く分かりません。
実印は印鑑登録しているので個人認証として効果はありますが、これもサインで置き換えは可能です。

印鑑が有効なシチュエーションを考えてみると、宅配便の受け取り時、シヤチハタ印であればサインするより早く手軽。
あとはコロナ過のご時世、ペンのやり取りに抵抗があれば、自前の印鑑だと不特定多数が触れたペンには触れずに済む。
これは、荷物が不特定多数に触れられているので、片手落ちではあります。

僕はIT企業に所属しているためか、押印書類がほぼなくなりました。
会社間の契約書も、徐々に電子契約に切り替わってきています。

その背中を押した1つは、コロナ過のリモートワーク。
リモートワークで出社しない人が大半の組織であれば、物理的な押印は大きな壁になります。
「押印のために出社する」のは、いまの効率重視発想からは「ばかばかしい」と切って捨てられます。

印鑑がこの先、いつまで残るか。
蒔絵の万年筆のように、海外で評価されるようなものが開発されれば、細々と残っていけるのかもしれません。
それでも、子どもの就職先としては、僕には明るい未来が描けません。

100年後の日本では、印鑑は風化した文化の1つになっている気がします。

さいごに

わが家では子どもの銀行口座を作る必要があり、それにあわせ子ども用のチタン印を作りました。
いつか印鑑不要な未来がくるとしても、いまはまだ印鑑が必要。

僕は、自分用の印鑑で金属製のものは1つ持っておらず、金属製は子ども用のチタン印が初めてでした。
出来上がったチタン印は、どっしりしていてカッコ良い。

チタンだと色も選べるので淡い色を選んで女の子が持っても良いですし、モノトーン色の金属の塊は機械好きの男の子は多分好きになります。