映画館で2度同じ映画を見る

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育児・子供観察

子どもと初めて映画館に行く。
いまの映画デビューは3歳くらいから小学校中学年くらいまでが主流のようです
同じ映画を映画館で2回以上観る人は、約1/3いる。
それは本当に好きな映画ですが、心に残る映画はその人の中で大きな存在になります。

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映画館デビューは3歳から小学校中学年

子どもが映画館デビューする年齢の情報が以下です。

映画館デビュー年齢
出典:こどもたちの映画デビューは何歳のとき? 先輩ママにアンケート!(スタジオアリス)

1位は3歳、2位が4歳と5歳。
3歳から5歳で58.8%と、半数強がこの年齢で映画デビューしています。
補足ですが、この情報はスタジオアリスが行った2018年のアンケート結果です。

映画館で家族と一緒に映画を観たのは何歳ですか?
出典:映画館で家族と一緒に映画を観たのは何歳ですか?(ベネッセ)

こちらはベネッセが取得した2013年のデータです。
子どもが回答しているアンケートで、先ほどのスタジオアリス情報と違い、映画館に行ったことがない子どもが14.3%います。
行ったことがない理由が、家族方針なのか映画館が遠いなどの立地問題か、金銭理由か分かりません。

こちらのアンケートの1位は8歳以上で32.2%、2位が6~7歳の20.9%。
1つ上のグラフに比べ、少し年齢が上がっています。

横道に逸れますが、映画館に行く人が減っていないかの確認として、2000年以降の映画館入場者数情報が以下です。

映画館の入場者数 興行収入
出典:日本映画産業統計(一般社団法人 日本映画製作者連盟)

入場者数も興行収入も、2020年のコロナ過で大きく下がっていますが、それまでは横ばい。
この情報元サイトにはチケット単価もにあるのですが大きくは上昇しておらず、コロナ事情を除けば大きな増減はない業界です。

子どもの映画館デビューで気を付ける点

映画館には、作品毎に設定されている年齢制限は別として、こどもの年齢による入場制限はありません。
2022年現在、子どもの映画館入場料は2歳までが無料、3歳から900円くらい。

2歳以下が無料だからと言って映画館に行くか、親の判断は分かれます。
子どもが泣いたら、長時間に耐えられるか、暗い場所、大きな音は大丈夫か。
映画館デビューで気を付ける点を、Googleで検索した結果をまとめたものが以下です。

・子どもが楽しめる映画か
・大きな画面、暗い環境、大きな音は大丈夫か
・映画が長時間ではないか
・子どもが騒いだら退出する覚悟
・出口に近い席を取る
・時間にゆとりを持ちつつ、待ち時間も長すぎない
・入場前にトイレを済ませておく
・寒さ対策
・水分対策、お菓子

自宅で映画館に近い暗い環境を作って、そこでトライアルするアドバイスもありました。
他にショッピングモールなど子ども連れが多い映画館を選ぶ、おかあさんといっしょのように明らかに子ども向け作品を選択するのも周囲の理解が得られるため良策。
映画館の中が暗いので、子どもの手を握るアドバイスは、親にとっても良い思い出になります。

映画を見終わった後に、子どもが興奮してたどたどしく自分の意見を言う。
子どもは自分がおもしろいと感じたものを、何度もやりたがる傾向があります。
「また見たい」要望に応え、2回同作品を見た話を身近でも聞きます。

同じ映画を2回見る割合は約1/3

映画館で同じ映画を見たことがあるかのアンケートが以下です。
2022年4月23日~5月9日に1,200名対象です。

同じ映画を映画館で2回以上観たことがありますか
出典:映画館で映画を観たことがある方の36.9%が「同じ映画を映画館で2回以上観たことがある」(スタジオアリス)

これは大人向けアンケート結果ですが、1/3強が同じ映画を映画館で2回以上観ています。
大人脳で考えるなら、結末がわかっていても2回以上観る作品は、よほど強い魅力があると言えます。

映画館で一度観た映画を、「映画館以外」で再度観たことがあるか
出典:映画館で映画を観たことがある方の36.9%が「同じ映画を映画館で2回以上観たことがある」(スタジオアリス)

こちらは、映画館で観た映画を、映画館以外で再度観たかの結果です。
地上波テレビ放送で、映画館で観ておもしろかった作品が放送されるとなれば、それなりに見る人がいる。
72%が妥当か分かりませんが、この結果は再度、作品を観る人がマジョリティと言える数字です。
地上波以外でも、近くにレンタルビデオ屋があったり、サブスク動画配信サービスに加入しているなら気軽に再見できる。

大人には、結末が分かっている作品を観るモチベーションは上がらなくとも、子どもは結末が分かっているがゆえの安心感があります。

悪者は自分の弱さ

映画に限らずですが、暴力シーンを子どもに見せるかの話題は昔からの親の匙加減ネタです。
いまの科学の定説では「暴力的なシーンは子どもに悪影響がある(可能性がある)」で、それゆえ作品にも年齢制限制度があります。

暴力的なものがNGとして、アンパンマンのアンパンチは暴力ではないのか。
他にも、女の子向け番組のプリキュア、男児向けの仮面ライダー、ウルトラマン、戦隊もの。
どれも血しぶきが舞うような演出はありませんが、戦闘場面や悪を倒すシナリオは暴力に当たらないか。

僕の考えは、表面的には他者への暴力面としての使い方でもあり、悪者は人間の負の面を抽象化したもので暴力に当たらない。

これらの番組には、悪者を倒す「善」としての使い方もありますが、暴力がどういう結果を生むかの教育的配慮があります。
また、悪役は正義の味方である自分の弱い(悪い)部分を、子どもが理解しやすく具現化した結果で、その自分の弱さを超克していく。
アンパンチは、他人に向けられているのではなく、自分の負の面との闘っているものであると捉えられる。

仏教思想には「一切皆苦(人生は思い通りにならない)」があります。
自分自身のコントロールすら思い通りにならないし、他人は言わずもがな。

苦しい時、それが耐えられない年齢や状態の時は避けるのは良策です。
プライベートライアンの冒頭シーンを、年少の子どもに見せるのは危険度が高いもの。
ただ、最近は映画もテレビも「清濁併せ飲む」でいう、濁の部分が見えにくされすぎている懸念はあります。

好きな相手に告白して振られる。
濁とは完全にマッチしていませんが、生々しい感情がそこには存在します。

自分の何がいけなかったのか、どうしたらよかったのか。
一時的に相手を悪者にし「見る目がない」と現実逃避して、時間治癒でその痛みをやり過ごす。
自分の中で悶々する時間は、後に生きる知恵として自分の幹になります。

映画は、単なるエンターテインメントメとしても、人間の負の面を知るのも含め、僕は好きです。
子どもを持ってから、親子のシーンや親の心理に目が行くようになり、若いころとは違った視点で映画を楽しんでいます。
子どもが親より先に死ぬシーンや、いじめにあっている場面は観ていてツライ。
逆に仲の悪かった親子が、紆余曲折を経てお互いを許すようなシーンにグッとくる。

観てよかったと思える作品に出会えた時の満足感は「一切皆苦」の清涼剤になります。
映画は本と同じく、終わった後、ほんの少し違う自分に変われる魔法です。

さいごに

大人になると、どっぷり映画にはまり込むのではなく、客観的に観てしまう人がいます。
極端な例としては、庵野秀明さんのインタビュー発言にありますが、カットやコマ割りなどが気になる。

僕は専門的なことではなく、素人批評家として冷静に分析している自分がいます。
このシーンでは、こういうことが言いたかったのか。
もしかするとここは伏線で、最後につながる重要なシーンなのか。
この辺りは、純粋に楽しんでいるとは言えず、やや冷めた目線になっていると言われればそうかもしれません。

ただ、それが悪いとも思っておらず、大人の楽しみ方の1つとして作り手と対話している。
映画を見終わったあとの、子どもとの会話と大差はありません。