公園遊具 過去25年で増えたもの減ったものと危険な遊具

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公園

子どものころ、自分がよく遊んだ遊具を最近みかけない。
僕は最近、丸い球形の「地球儀」を見かけなくなったと感じていました。
この25年で、事故発生などが原因で一番減った遊具は「ゆりかご型ぶらんこ」。
時代の変遷とともに遊具は増えているもの、減っているものがあります。

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一番増えた遊具は「健康器具」で減ったのは「ゆりかご型ぶらんこ」

1998年から2013年の、遊具推移が以下です。
グラフだと分かりにくいので、グラフの下に実数を載せています。

実数
遊具名 1998年 2013年 増減率
健康器具系施設 5,690 26,362 463.3%
複合遊具(鋼製) 7,704 16,225 210.6%
スプリング遊具 26,831 55,740 207.7%
複合遊具(その他) 3,896 6,416 164.7%
踏み板式ぶらんこ 61,226 70,868 115.7%
鉄棒 41,958 47,965 114.3%
すべり台 63,124 67,610 107.1%
フィールドアスレチック用遊具 6,489 6,795 104.7%
砂場 58,879 60,677 103.1%
ラダー 6,888 6,902 100.2%
その他 35,547 35,289 99.3%
シーソー 18,995 16,447 86.6%
石の山・コンクリート製の山等 4,352 3,458 79.5%
ジャングルジム 16,574 12,665 76.4%
複合遊具(木製) 10,462 7,136 68.2%
回転塔 5,526 2,774 50.2%
吊り輪 1,398 522 37.3%
ゆりかご型ぶらんこ 14,198 1,864 13.1%
合計 389,737 445,715 114.4%

出典:都市公園における遊具等の安全管理に関する調査の集計概要について(国土交通省)

一目でわかる通り、この期間一番増えた遊具は[健康器具系施設]の4.6倍。
次いで[複合遊具]が2位と4位に入っています。

最近、たしかに東京の公園を見ていて、健康器具をよく見かけます。
一応ですが、僕は東京の中規模以上の大きさの公園を150か所以上、回っています。
健康器具はたいてい老人が利用していますので、正しいような時代を感じるような。
まさしく少子高齢社会の縮図だと思っています。

減少した遊具の1位は[ゆりかご型ぶらんこ]で約87%の減少。
次いで減ったのが[吊り輪]で。63%の減少。

[吊り輪]は実数も少ないので印象が薄いですが、[ゆりかご型ぶらんこ]はたしかに良く見かけました。
[ゆりかご型ぶらんこ]が減少した原因は「事故」。
2000年初頭に事故が多発、一気に1万個程度減少しています。
思い返すと子どもがブランコの下に挟まれたり、ブランコに頭をぶつけたというニューズがありました。

公園遊具は定期的に、事故を防ぐために検査をしていますが、どんな遊具がよく修理処理対象になっているのでしょうか。

複合遊具が圧倒的に修理対象になっている


出典:都市公園における遊具等の安全管理に関する調査の集計概要について(国土交通省)

[複合遊具]系が1位2位で、次いで[アスレチック]系、4位も[複合遊具]。
一言で言うと、大型で複雑なものが上位を占めています。
[砂場]や[鉄棒]などの単純なものは、修理対象としては圧倒的に少ない。

素材のことも昔といまでは変わってきているようです。
昔は鉄や木製が多かったが、いまは樹脂やプラスチックなど。
塗料も最近は鉛が少ないものなど、時代に即しています。

時代は安全重視になっています。
近年に向けて遊具事故件数は減っているのでしょうか。

事故件数は減っているが6歳4月は危険

ここからのデータは東京消防庁のデータです。
2007年~2011年までのデータで、遊具事故による救急搬送人員が以下です。


出典:遊具に起因する子どもの事故の発生状況(東京消防庁)

[2009年]をピークに下がっています。
というより、[2009年]が突出して高いようです。
ただ[2010年]と[2011年]はそれ以前よりも、救急搬送人数は減っています。

 


出典:遊具に起因する子どもの事故の発生状況(東京消防庁)

月別に見てみると、[4月]がワースト1位で380人。
2位が[6月]、3位が[10月]です。
[8月]は夏休みで少なく、[1月][2月]も寒くて外遊びが少ないのでしょうか。

 


出典:遊具に起因する子どもの事故の発生状況(東京消防庁)

年齢別・性別の救急搬送人数が上記です。
[6歳]がワースト1位、[7歳]がワースト2位です。
小学校に上がって、友達と遊んでいてけがをするようです。
[4歳]がワースト3位、体が動くようになって楽しくなってきてケガしている様子が想像できます。

中等症(入院を要する程度)以上の割合は、[10歳]がワースト1位。
年齢が高いほど、大けがになりやすいようです。
遊びが高さやスピー度など、遊びが高難度化するのが原因と思われます。
全体的には男の子の方が、女の子より救急搬送されてます。

 


出典:遊具に起因する子どもの事故の発生状況(東京消防庁)

最後に遊具別の救急搬送人数です。
個人的には[複合遊具]がワースト1位と思っていたのですが、[滑り台]でした。
[滑り台]は上記の国土交通省データの設置数では2位と多数。
数が多いことが大きな要因でしょう。
救急搬送人数ワースト2位は[ブランコ]、これは事故が多そうです。

中等症(入院を要する程度)以上の割合では、[うんてい]がワースト1位。
2位が[のぼり棒・すべり棒]。
どちらも高さが大きなけがにつながっていると予想できます。

さいごに

公園遊具は昔に比べ、現代の方が安全を意識している流れのようです。
事故件数はやや減っているようですが、子ども人数の減少も加味すると、横ばいくらいでしょう。

事故にあわないための対策として、小さな子どもの場合は親が付き添う。
だれかが遊んでいるブランコや、高さのある遊具で遊んでいる子に近づかない、などがあります。
親側に求められるのは、危険を事前予測して必要に応じてサポートするということでしょう。

ですが、自分が子どものころを思い出してみると、本当に危ない遊具の使い方をしていました。
友達への見栄、子どもながらの危険察知能力の低さ、興奮しての勢い。
いま考えてみると、よく大けがしなかった、運がよかったなぁと振り返ります。

子どもが一定年齢になれば、親と公園に行くより、友達と行くことが多くなるでしょう。
何かのタイミングで親が子どもと一緒に公園に行って、子どもが危険な遊具遊びをしていたら。

僕は何でも親が先回りすることは、子どもにとって悪影響と考えています。
それとともに本当に危険なことはやめさせるのは、親(保護者側)の義務でもあります。

親は子どもの危機管理(察知)能力を信じてどこまで放置できるか、そんな状況も多いと思っています。