子どものラジオ体操経験は減少一途

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育児・子供観察

子どものラジオ体操参加者が減っています。
少子化時代で子どもおよび子ども会も、そして子どもの参加率も減っています。
夏休みの朝のラジオ体操は、友達が行くから僕も行くは参加理由になりますが、その機会が減っている。
夏に子どもがスタンプシートを持って歩いている姿は昭和では日常風景でしたが、令和は任意の時代です。

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いまは2/3弱の学校でラジオ体操している

戦後、日本で導入・普及したラジオ体操の概略が以下です。

ラジオ体操(ラジオたいそう)は、国民の体力向上と健康の保持や増進を目的とした一般向けの体操、または、その体操用音楽をピアノ伴奏にのせて指導を行うラジオ番組。
1925年、簡易保険局の進藤企画課長が海外の保険事業の視察に派遣される。
「国民の健康保持に基く社会的幸福増進事業」として、ラジオを用いた体操事業を日本に紹介。
1927年、進藤氏が海外での見聞をもとに、『逓信協会雑誌』に「健康体操放送を開始せよ」と題する論文を発表。
日本人の体格向上のため、国民すべてが行うべき運動として、「老若男女を問わず」「誰にでも平易にできる」「内でも外でも、いかなる場所でもできる」「多少趣味的な」体操の開発を提唱。
1930年、神田万世橋署の面高巡査がラジオ体操の会(子どもの早起き大会)を始める。その後全国に普及。

出典:ラジオ体操(wiki)

戦後、海外で実施していたものを取り入れる形で、日本ではラジオ体操が普及。
上記の「いかなる場所でもできる」あたりは、動乱期ならではの説明です。
昭和後期は夏の風物詩だった子どものラジオ体操ですが、いまの実施状況は以下です。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

この情報は2021年の情報で、学校でラジオ体操しているかです。
2/3弱がラジオ体操を実施、残りがラジオ体操をやっていないようです。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

地域別にみると、関東と東海が低くそれ以外が高い。
都市部でも近畿は低くはなく、ほぼ平均と近い数字の62.1%です。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

自治体規模別では、人口が多い地域が低調で、人口が少ない町村が高い数字。
東京を含む都心部に比べ、地方がラジオ体操実施者が多い結果です。

子どもはやりたいと思っていない

親が回答しているラジオ回答のアンケート結果がありました。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

「健康維持や運動習慣作りに役立つ」と考える人が94.9%で、賛成多数です。
積極的にラジオ体操が健康の要因と考えているのか、身体を動かさないよりは動かした方が良いレベルで役に立つと回答しているのかは分かりません。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

子どもにとって、身体つくりにラジオ体操が良い影響を与えているかの解答です。
好影響と考える人が88.2%で、こちらも大半は肯定的です。
ラジオ体操自体、危険な動きは少なく、やってマイナスになる可能性は低いのは確かです。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

子どもがラジオ体操に参加して楽しいと感じるか、再掲ですがこれは親の回答です。
約2/3が、子どもにとって楽しい活動と思っていない。
楽しくはないが、身体に良いと考えているので参加させる。

その時はやりたくないが長期的にはプラスと親が捉えているのであれば、勉強と同じです。

子ども会参加者は純減、子ども会は7割減

ラジオ体操を開催するのは、子ども会。
子どもが子ども会参加しているか、結果は年々、減少しています。


出典:小学校におけるラジオ体操の実態調査報告書(一般財団法人簡易保険加入者協会委託調査研究)

これは日本全体のデータですが、質問が「子ども会+ボーイスカウト参加者」です。
それでも、もともと高くない数字が、純減しています。

2006年と2018年を比べて、42.3%の減少率。
2019年以降のコロナ過・イベント自粛で、さらに減っているのは想像に難くありません。

最後に、子ども会の推移を見ていました。
日本全国のデータが見つけられなかったので、神戸市の情報です。


出典:子ども会数および会員数の推移(神戸市子ども会連合会)

一目でわかる右肩下がり。
1990年と2018年を比べると、ちょうど70%減、3割になっています。
主催者が(も)減る、参加者が(も)減る、鶏と卵のお話になっています。

子ども会主催のイベントで、メインどころの2つ、盆踊りとラジオ体操。
盆踊りもラジオ体操も、コロナ自粛で開催しなかった地域で、存在意義疑問が浮上しているのではと想像できます。

音について、朝からのラジオ体操、盆踊りの長時間音量は、問題としてニュースで取り上げられる時代です。
波風立てない、周囲に迷惑をかけないなど、リスク回避が基本行動指針になった時代には、それだったらやらない派が増えていきます。

時代のやすりに削られ残れない

僕は、ラジオ体操がなくなって良いと思っています。
理由は、僕は大人になっても体を継続的に動かしていますが、ラジオ体操をした記憶がないため。

ラジオ体操に近い動きをするシチュエーションとして、水泳前の準備運動は思いつきます。
手を頭の上にあげて、身体を横に曲げる運動など。
ただ、自分が実際にラジオ対応的な動きをしているかというと、屈伸と伸脚以外、縁がありません。

僕が準備運動として主にやっているのは、大半はピラティスの動きです。
同時に、呼吸を意識しています。

とは言え、これは自分の話で、ラジオ体操を積極的に廃止したい気持ちもなく。
僕の義父はいまでも、ラジオ体操をほぼ毎日やっており、後期高齢者ですがまあまあの健康を維持しています。
習慣となっている人にとっては、ラジオ体操はきっとやらないと気持ち悪い、歯磨きのようなものと想像。
その人にあったやり方で、身体と精神の整えている、そういうアクションしている人たちを肯定的に見ています。

ただ、時代の流れから、夏休みのラジオ体操が縮小方向になるのはしょうがない。
その最大の要因は、個人社会化です。

多様性、ダイバーシティ、グローバル化など、昭和時代は全体が同じ方向に向きやすかったものが、いま判断は個人にゆだねられています。

戦後は良し悪しではなく、横並びで画一的、皆が高度経済成長できました。
翻って、令和の日本は縮退期で、先進国はどこも個人社会に突き進んでいます。

日本総人口は減少、子どもも少なくなっていく。
外国の方が、日本でラジオ体操を熱心に進める人が増えるとはイメージできず。
ラジオ体操の未来は、想定通りのジリ貧感は否めません。

僕は東京在住で子どもがいますが、子ども会が存在しない地域に住んでいます。
この地域では夏休みの5日間だけ、ラジオ体操をボランティアが開催しています。
任意参加で、実際に参加する子どもはわずかです。

ある程度明確な目的がないと、存続が難しい時代。
ラジオ体操が健康のためになるというのは、ラジオ体操推進派の意見です。

支持されるものは残り、そうではないものは滅びていく。
時代の流れと言うやすりに削り取られて残るものが一握りとして、子どものラジオ体操が復権する未来はイメージできません。

さいごに

今回、取得できたデータは、コロナ流行前までの情報です。
コロナ流行以降のデータで、どれくらい減ったのか興味があります。

子どもに身体を動かす習慣を身に着けてほしい。
規則正しい生活習慣の基礎として朝のラジオ体操が好影響。
多様性の時代にマッチしない。
PTA活動と同じくいままでやっていたから思考停止的に継続している。

推進・反対意見が拮抗していた状況だったのなら、コロナ過は子どものラジオ体操人口減少に、寄与したのと予想します。