乳児期の子どもは、何でも口に入れます。
なぜ赤ちゃんがなんでも口に入れるのかは、ものを確認している行為。
そして誤飲件数は、近年が増えています。
たとえそれが脳に良いと言われても、大人にとっては恐怖です。
誤飲件数は増加している
厚生労働省が発表している、毎年の誤飲情報が以下です。
誤飲件数が少ないように見えますが、日本全国の数値ではありません。この情報はモニター病院、8~10施設の数値です。
出典:家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告・小児の誤飲件数(厚生労働省)
上のグラフは、誤飲ラインキングの上位の品物の推移です。
同じみなのかどうか不明ですが、想像のつく物ばかりです。
出典:家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告・小児の誤飲件数(厚生労働省)
このグラフは「1つ目のグラフの詳細分類の7製品」の合計値です。
1点、僕の予想と違ったのが、近年誤飲合計件数が上昇していること。
2016年と2017年に、上昇しています。
この時期も少子化トレンドで、わずかですが前年比では出生数は減少しています。
誤飲率が同じであれば、合計件数は減少するはずですが増加しています。
もともとの数値がそれほど大きくないので、わずかなブレでそうなりますが、それにしても増加ということはバッドニュース。
増加理由を何とか絞り出すとすると、核家族化の進行で親の目がとどく範囲・時間が減った、くらいでしょうか。
誤飲は1歳前後が危険期
出典:家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告・小児の誤飲件数(厚生労働省)
誤飲年齢別に見ると、上記です。
1歳半までが多く、2歳は谷間、3歳~5歳で再度上昇しています。
いつまで誤飲するのか、という点でこのデータを見ると「件数的には1歳前後が危険期」と言えます。
3歳~5歳も増加していますが、期間が他より長いということが原因かもしれません。
なぜ、赤ちゃんがなんでも口に入れるか。
その理由は探求心であり、行為自体が脳に良い影響があるとのこと。
大人のように五感が未発達で、口に入れて知覚し、他の感覚へ転化する「共感覚」ともいわれるものです。
そういわれても、大人から見ると衛生面も気になりますし、別の方法で脳を活性化してください、というのが本音だと思います。
誤飲対策は高いところに物を置くが基本だが
誤飲対策は、子どもの手の届くところに誤飲物を置かない。
ピーナッツやキャンディー、グミなど子どもに誤飲しそうな大きさの食べ物を食べさせない。
端的には上記になりますが、実際、これを100%実行できるかというと、僕は無理だと思っています。
できるだけ100%に近づけるように努力目標というのが現実的。
親が見ているから大丈夫は、実効性は薄いとも思っています。
特に乳児期は、親側が睡眠不足で集中力が途切れることが日常。
これを前提に考えると、誤飲物を乳児のそばに置かないとなりますが、その配慮自体が抜けてしまうことも考えられます。
どれが先かはわかりませんが、誤飲物を置かない、食べさせない、親がちゃんと寝る、あたりが現実解のような気もします。
一般的には38mm程度までものが誤飲しやすいと言われます。
ただ、いまは以下の通り、便利な「誤飲チェッカー」という窒息予防教材もあります。
外部サイト:誤飲チェッカー(一般財団法人 日本家族計画協会)
わが家は1度だけヒヤッとした
わが家の子どもは、2歳くらいまでなんでも口に入れていました。
上記の年齢別グラフのボリュームゾーンそのものです。
その中で1度だけ、ボタン電池が見当たらない、という全身の血流が一気に上昇する経験をしました。
幸いすぐ別の場所で見つかり、事なきを得たのですが、あの恐怖は二度と味わいたくないもの。
その時は努めて冷静に、電池を探しつつ、子どもの様子も観察、おなかが痛いと言い出したらすぐに救急車を呼ぼうとあたふたしていました。
大人の論理で、こんなもの口に入れないだろうは、子どもには通用しません。
どこのご家庭でも同じだと思いますが、わが家でも誤飲しそうなものは、極力高い位置に移動していました。
それでも、誤飲の可能性がありそうなものすべて、子どもの手が届かないところに置けていたかと言えばNoです。
意識していたのは「本当に危険そうなものは絶対子どもの手の届かないところに置く」であり、これくらいが現実ラインだとも思っています。
さいごに
わが家では台所では足元の引き出しに、しょうゆやみりんなどの調味料を入れていました。
過去形なのはご想像の通り、子どもが動き回ってしばらくして、屋内なのに「台所水たまり」ができ上っていました。
その結果、調味料は高い位置に移動、一時、足元の引き出しはフライパンくらいしか入れられない時期がありました。
それでも振り返ってみると、しょうゆでも飲んだら大変なことになります。
子どもの力では簡単にふたが開けられないでしょうが、水たまりくらいで良かった、というのが正直なところ。
大人だけれあれば発生することがない状況を、日常的に発生させる子どもは、大人の脳の活性化に一役買っている存在です。