いま、花粉症患者は増加、5~9歳の子どもでも13.7%発症

スポンサーリンク
育児・子供観察
Royal Botanic Gardens, Kew

春になるとスギ花粉に苦しめられる人は年々増加しています。
花粉症は一定の年齢になってからではなく、1歳児でも発症します。
対処法として最近は「舌下免疫療法」という治療法が確立されてきました。
花粉症は放置すると症状が悪化したり、他のアレルギー疾患につながることもあります。

スポンサーリンク

花粉症とは、発症メカニズム

花粉症とは、スギ花粉が鼻に入ってきたとき、くしゃみや鼻水で異物を追い出す(免疫)、人体が備えている防御作用です。
この場合、スギ花粉は抗原と呼ばれ、抗原が鼻に入ってくると、体の中に交代(IgE抗体)が作られ、アレルギー反応(くしゃみなど)を起こします。

この抗体を作りやすい体質がどうかが、「アレルギー体質」かどうかということ。
よって全員が発症するものではなく、ひとそれぞれ個体差があり、環境やストレスも影響していると言われています。

東京都全体の花粉症患者割合は48.8%


出典:花粉症患者実態調査報告書(東京都福祉保健局)

そもそも日本で最初のスギ花粉患者は1963年。
これ以降患者が増加している要因として、戦後に住宅材木用として植樹したスギが原因と言われています。
スギが花粉を大量に生産し始めるのが植樹から約30年後。1950年植樹のスギが1980年ころから大量に花粉を生産、花粉症拡大という流れです。

グラフの通り、1983年以降、花粉症患者は右肩上がり。
2016年は48.8%と、ほぼ半数の人がスギ花粉症にかかっています。

5~9歳子どものスギ花粉割合は13.7%

僕は自分が子どもを持つまで、小さな子どもが花粉症になることを知りませんでした。
というのも、花粉症になるメカニズムとして、コップあふれイメージを持っていたためです。
人にはそれぞれ違ったサイズの「花粉症許容量のコップ」を持っていて、そのコップに花粉がだんだんたまっていく。
一度コップに入った花粉は減ることはなく、毎年、蓄積。
やがてコップ全体に花粉がたまりきって、あふれたときに花粉症が発症するイメージです。

コップの許容量が小さい可能性はありますが、小さな子どもはコップあふれになる可能性は、ほぼないと勘違いしていました。
しかし以下が、小さな子どもでも花粉症になるという統計データです。


出典:鼻アレルギー診療ガイドライン(鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会)

0~4歳が1.1%と、すでに乳児年齢で花粉症は発症する子はしています。
5~9歳が13.7%、8人に1人は花粉症患者です。
10歳~19歳では31.4%と3人に1人。

検査と対処方法

対処の前に、そもそも花粉症と他のアレルギーや風邪かどうか、まず検査が必要です。
血液検査や抗体検査、その他の精密検査をふくめ、花粉症かどうか判定。
子どもの場合、どの診療科か迷うかもしれませんが、一般的には小児科ではなく、症状に応じて耳鼻咽喉科か眼科。

花粉症が確定すれば、アレルギー反応原因となる室内ダニの除去のために部屋の掃除。
ペットなども抗原となるので、室内飼育環境であればさらに清潔を維持。
外出時はマスクや眼鏡でガード。外から持ち込まないために、帰宅時に玄関で花粉を落とす。

薬での治療法として、いまは「舌下免疫療法」があります。
薬液や錠剤を舌の下に投与して、アレルギー症状根治を目指すもの。
年齢は病院によってさまざまなようですが、5歳~治療が可能なところもあります。
保険適用で、費用は1月当たり数千円から。

さいごに

上述しましたが、そもそも花粉症が増えた原因で確定しているのが、スギの木の増加。
それ以外に今回、調べてみて気になったものとして「衛生仮設」があります。
戦後、社会全体の衛生状態が良くなり、また抗生物質普及で体内の必要な細菌が少なくなり、人間の体が弱くなったというものです。
仮にそうであったとしても、家の中を意識して汚くすることはできない、というジレンマでもあります。

ジレンマと言えば、親がアレルギー体質だと、子どももアレルギー体質になりやすいという点もそうです。わが家は僕の奥様も僕も花粉症発症者(アレルギー体質)なので、子どももその可能性が高いということになります。

対処しようがないので、直近は日常のケアと、対処療法を行うしかないようです。