この文章のトピックスは以下です。
・ケーキ支出額はここ約10年で110.3%に増加
・世帯消費に占めるケーキ支出の割合はここ10年で107.8%に増加
・ケーキをよく食べるのは12月で2位11月の2倍以上の支出額
・地方ブロック別では関東が首位、北海道が低い
・スイーツ・デザートが好きと答える人は10年で10.5%増加
・誕生日・クリスマスにスイーツ・デザート類を食べる回数に変化なし
・好きなスイーツ・デザートの1位は「ショートケーキ」
ケーキ支出額は約10年で約10%増加
出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(総務省)
上記は、2人以上世帯のケーキの年間支出額推移です。
緩やかに増加しており、2015年と2023年を比べると、110.3%になっています。
出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(総務省)
同じ期間の、消費支出全体に占めるケーキ支出額の割合が上記です。
1つ上のグラフでケーキ支出額前後比が110.3%でしたが、消費支出に占めるケーキ支出額の増額割合は僅かに低く107.8%。
言い換えると、ケーキの値段が上がったが、上がった値段ほど食べる回数は増えていません。
特に近年は物価上昇、原材料費高騰で様々なモノの値段が上がっています。
ケーキも影響を受ける1つで、値段は上がったが買い控えも発生しています。
ケーキ支出は12月が最多、関東が最高額
出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(総務省)
月別のケーキ支出額が上記です。
12月が\1,431円で圧倒的首位、クリスマスケーキ需要が原因です。
12月の次点が11月の\686、3位が3月の\681。
3月は異動のシーズンで理由が思い当たりますが、11月が2位の理由は何なのか。
出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(総務省)
上記は、地方ブロック別のケーキ支出額と購入頻度です。
青色棒グラフの購入金額をみると、それほど大きな差はありませんが、北海道が低く関東が高い。
あとは西に行くほど低くなりますが、沖縄は全体で2番目です。
オレンジ色折れ線グラフの購入頻度を見ると、東京が1位で沖縄が最下位。
沖縄は購入頻度が低いが購入金額が高いので、単価が高いと言えます。
スイーツ・デザートが好きと答える人が約10%増えている
ここからはケーキのみではなく、スイーツ・デザートに関しての民間アンケート結果です。
出典:出典:スイーツ・デザート類に関するアンケート調査(myvoice)
上記はスイーツ・デザートが好きどうかのアンケート結果です。
近年に近づくほどグラフ内青色の「好き」が増加、2013年と2022年を比べると10.5%増えています。
一番減っているのは「どちらかと言えば好き」で、2013年と2022年を比べると-6.4%の減少。
ケーキを「好き」と答える人は2022年時点で63.4%と約2/3です。
出典:出典:スイーツ・デザート類に関するアンケート調査(myvoice)
上記は誕生日・クリスマスなどの行事やお祝いにスイーツ・デザート類を食べるかの結果です。
結果はほぼ横ばいで、スイーツ・デザートを食べる頻度はここ10年変わっていません。
出典:スイーツ・デザート類に関するアンケート調査(myvoice)
最後に上記は好きなスイーツ・デザートの種類です。
1位は王道の「ショートケーキ」で、クリスマスケーキやひな祭りなどでよく見かけます。
2位は「シュークリーム・エクレア」、3位は「チーズケーキ」で、身近さを感じます。
4位の「アイスクリーム」もそうですが、この辺りはスーパーで購入できるラインナップです。
ケーキはハッピーフード
1つ上のグラフで好きなスイーツ・デザートのランキングを眺めてみると、洋菓子店で並んでいるケーキをイメージします。
あるいはスーパーでも購入できる商品は多く、プリンやシュークリーム・エクレアなど、日常に近いケーキ購入場所です。
子どもがいる家庭なら、ホットケーキも身近なケーキ。
ホットケーキミックスがあれば、あとは卵と牛乳で完成という手軽さ。
休みの日、雨で出かける予定もなく手持無沙汰なとき、おやつに子どもと一緒に作って食べる。
就学前の子どもがいるご家庭では、かなりの割合で実行したのではないか。
親が子どもに「今日のおやつ、ホットケーキにしようか」と問いかけると、子どもは「うん」と返事する。
親側は、暇なのだがダラダラテレビをみるのもイマイチ、他にやることもない。
子ども側はホットケーキの甘い思い出につられ、作るところから手伝う。
日頃、料理を手伝うことはなくとも、甘い思い出につられ親と一緒に子どもが台所に立ちます。
共同作業であり、子どもに料理に慣れ親しんでもらえることも考えると、両者の利害一致です。
まずは、ボールに卵と牛乳をまぜる。
カシャカシャまぜる行為も、子どもは最初はうまくできませんが、安易に手を出さずまずはトライさせてみる。
慣れれば何のことはありませんが、子どもにできるところまでやらせて、その後、親のやり方を見せる。
リズムよくかき混ぜる行為を子どもが横で見ている姿は、その時、平凡な日常の1ページですが家族の平和の象徴シーンです。
卵と牛乳がよく混ざったら、ホットケーキミックスを入れてザックリかき回します。
「混ぜすぎるとぺったんこになって、膨らまなくなるんだよ」と独り言のような発言をしつつ準備完了。
フライパンを熱して、油を引く。
手をフライパンの上に持っていき温度が上がったの確認して、弱火にする。
日頃、料理をしている側は普通の行為ですが、子どもにとっては「手で温度を図っているんだ」の自分の引き出しを増やす観察です。
熱したフライパンにホットケーキミックス液体を流し込みます。
小さな「じゅっ」の音とともに、黄色い液体がフライパンに広がっていく。
そのまま2分から3分待ちます。
表面に小さな泡が出てきたら、ひっくり返すタイミング。
フライ返しをホットケーキの下に差し込み、一気にひっくり返します。
180度垂直回転させて、ペタンとフライパンに着地させる。
あとは2分ほど待つだけで完成で、いよいよ子どものボルテージも上がってきています。
「お皿やフォーク、準備しておいて」と言うと、喜んで自分から動く。
日常の食事時間に何かを頼んでものっそり動くところ、動きが鋭い。
焼きあがったホットケーキを適度な大きさに切り分け、食卓に運びます。
ホットケーキにかけるのはバターやはちみつ・メープルシロップ、時にはチョコソースやホイップクリーム。
夏場はアイスクリームを載せるのも、アレンジとしてアリ。
温かいホットケーキに、MOWのバニラアイスはグッドテイストになります。
3時のおやつを食べすぎると、夕食が入らなくなる懸念はありますが、ホットケーキの時はそれが少し緩和される。
子どもは結構な量のホットケーキを自分の皿に確保して、いろいろな味で楽しみます。
満面の笑顔ではないにしても、満足顔でばくばく口の中に入れている。
それを見ると、自宅内レクリエーションとしてのホットケーキは良いことだらけです。
ケーキを食べて不快な気持ちになる人はほとんどいない。
ケーキ屋さんで怒っている人がいないのも同じ。
ケーキ屋さんになりたい理由として「人が笑顔になれる商品を作りたい」とどこかで読みましたが、ケーキはハッピーフードです。
さいごに
育児経験者のどのくらいの割合なのか分かりませんが、ホットケーキと言えば以下の絵本を思い出す人はそれなりにいるのではないか。
ミリオンブックのサイトでは2022年時点で343万部の重版を重ねている、長く愛されている1冊です
この「しろくまちゃんのホットケーキ」は対象年齢は0歳で、内容はホットケーキを焼いて食べるだけです。
最大の見どころは、ホットケーキを焼いているシーンで、液体から完成までのシーンが見開きページで順番に描かれている。
読んでいると頭の中に浮かぶ情景でお腹が空きます。
食べると言う人間の根源的要素を、柔らかいタッチで描く。
「食育」は乳児ではなくもう少し年齢が上の子どもに対して使われる言葉かもしれませんが、大人になってもこの絵本を思い浮かべる人もいる点から、この絵本は食育の第1歩かもしれません。