自然災害が増えている。
何となく増えている感覚値ではなく、データを見てみると実際に増加しています。
一人暮らしだと防災意識が低いのは自分の経験からも納得で、子どもを持つと備蓄品を持つ人が増える。
リスクを回避・転化・受け入れるのか、いまはご家族で話す通常話題になった気がします。
短時間強雨は増えている
人は悪影響がある、インパクトの強い情報に引っ張られます。
最近は「〇〇が悪くなった」というのも、実際のデータを見てみないと分かりません。
夏に豪雨が増えたのか。
出典:全国(アメダス)の1時間降水量50mm以上の年間発生回数(気象庁)
気象庁発表データで、その回数が増加しています。
点線が近似値線で右肩上がり、ここ50年で約1.6倍になっています。
印象的には毎年発生しているイメージがある、人が亡くなる土砂災害ニュース。
上記、短時間強雨の発生回数から考えると、毎年かどうかは置いておいても、増えているのは間違いなさそうです。
出典:我が国における自然災害の発生件数と被害額の推移(中小企業庁)
上記は、自然災害の発生件数と被害額です。
このデータ、何となく右上がりですが、2011年の東日本大震災の影響が大きすぎて、やや見にくい。
それでも1990年以前に比べ、1991年以降の数字が伸びているのは間違いない。
やはり、日本の自然災害は増えています。
被災者が実際に困った物
東日本大震災の被害に会われた方にアンケートを取ったデータがありました。
出典:被災した際になくて困ったもの、必要だったと気づいたもの(ジョンソンエンドジョンソン)
実際に被災者が、実体験を元にしたアンケートなので、リアルデータと感じられます。
結果は、目新しくなくとも、納得感の高いものが並んでいる。
3位の「充電器」は、スマホがこれだけ万能になると、実際の災害時にはスマホが使えるかどうかは大きな差になりそう。
その対策として、いま有効だと思うのは、太陽光発電できる充電器です。
出典:避難所で生活した際に不便だった/困ったこと(ジョンソンエンドジョンソン)
同じく、東日本大震災の被害にあわれた方のアンケート結果、避難所で不便に感じたことが上記です。
いまはこれに加えて、コロナウィルス対策、マスクと除菌関連グッズ、密をどう避けるかが出てきます。
地域別の防災バッグ常備率は中部が1位
出典:防災バッグの常備率(サントリー)
東日本大震災の影響が考えると、東北地方が高いのかと思ったのですが、1位は中部。
南海トラフ地震を意識されていて、準備している人が多いのか。
2位は関東・甲信越で、こちらも首都圏直下型大震災を想定しての行動なのか。
出典:防災バッグの点検頻度(サントリー)
防災バッグがあっても、メンテナンスしていないと、いざという時に使えない。
食料・飲料は、数年単位の賞味期限のため、忘れやすい面もありますが、[定期的に点検している]と[定期的ではなく気づいたとき]を足すと75%と、全体の3/4。
防災バッグ準備する人は、メンテナンスも相応にやっているようです。
出典:現在用意している防災用品・性・年代別(株式会社インテージリサーチ)
上記は年齢別に、防災用品を何も準備していない人のデータです。
若い人ほど準備しておらず、年齢が上がるほど準備率が高い(グラフの値が小さい)。
僕も一人暮らしの時は、何も準備していなかっていたので納得です。
出典:食品などの備蓄の経験・家族構成別(花王「暮らしの研究」)
最後に、家族構成別の情報です。
[備蓄をしている]が一番多いのが、「子どもあり」の63%。
わが家もいまは、ここに属していて、備蓄しています。
子育てしてみて僕は理解できましたが、乳児用品は特殊。
オムツもそうですし、粉ミルクや食べ物など、専用のものが多い。
それを、被災時に入手できるかと想像すると、一定の備蓄は必要という結論になります。
子どもがいると、防災意識が何段階か高まるのは自然な流れ。
わが家も、子どもを持ってからやっと、避難所の場所を家族内意識合わせしました。
『防災』と『減災』の違い
『防災』とは・・・災害そのものを未然に防ぐこと。
『減災』とは・・・災害が発生することを前提とした取り組み。
出典:家庭での減災(ミドリ安全)
僕はいままで「減災」という単語を知らず、また「防災」の単語を間違って理解していました。
防災バッグは、その漢字から防災の時に用意しておくバッグだと思っていましたが、上記区分では「減災」に当たる。
また、同じサイトで、知らなかった単語が「分散避難」。
「分散避難」とは
災害時に避難所などに多くの人が密集すると新型コロナウイルスの感染リスクが高まることから、避難所以外の場所に避難することです。避難所以外の避難先として「親戚・知人宅」「ホテル・宿泊所」「在宅避難」「車中泊」などさまざまな避難先に分散することで密を避けることができます。出典:家庭での防災対策(ミドリ安全)
コロナ過で、過密を避ける必要性が高まりまり、場合によっては家族別々の場所に非難する。
ただ、小さな子どもがいるご家庭が別々になるのは、相当の大変さになることが予想できます。
自宅が災害に弱いエリアなのか、ハザードマップの確認が重要になります。
出典:ハザードマップ・避難場所の認知度(モバイル社会研究所)
最近の土砂崩れニュースを持ち出すまでもなく、ハザードマップの言葉自体、いまは一般浸透してきました。
その土地がどの程度、災害に強いか。
地盤の固さ、低い地点や谷になっていないか、川などの水がそばにないか。
避難指示が出ているエリアで、自宅に残るのはマズイですが、避難する可能性の低いエリアに住む。
子育て世帯が家を探すとき、一考した方が良い視点です。
さいごに
知り合いのママさんで、親が住んでいる敷地内に、ご自宅を構えた人がいます。
その方のお住いのすぐそばに川があり、最近、その川が氾濫直前になり、冗談交じりに「ヤバくなったらお宅に伺うかも」と、僕の奥様と話したことを聞きました。
親と同じ敷地内に住むメリットは、間違いなくある。
嫁姑問題のような人間関係問題がなければ、育児に祖父母の手を借りられるのは本当に心強く、自宅購入の金銭的節約も見込みる。
ただ、上記のママさんのように、そこが川の側だったなら。
どこに住むか、いまは制約が少なくなりました。
防災条件だけでなく、村社会(強制力)なども僕には大きなリスクと感じますが、リスクを洗い出しどこまで受け入れるか視点は、コスパ思想が標準装備された現代人には、当たり前になりました。