家庭で食品ロスを減らすために冷凍庫の活用

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育児・子供観察

冷蔵庫の推移をみると、単価は上がり出荷数は減っています。
日本は世帯数が増えているので、出荷数が増加していても良さそうなものですが、性能が上がって壊れにくくなっているのか。
また、少し前までは大型冷蔵庫の方が消費電力は低かったのですが、いまはそうでもなく。
家族構成が変わるタイミング、特に子どもが増えると大型冷蔵庫が活躍します。

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出荷台数は減少傾向

日本の世帯数は増え続けていますが、冷蔵庫の出荷は減っています。


出典:生産動態統計(経済産業省)

上記は金額推移で、1990年は4,262億円、2020は3,122億円。
その差は-1,140億円で、73.3%になっています。
上のグラフでは2002年頃下がって、その後少し回復していますが、全体は右肩下がりです。


出典:生産動態統計(経済産業省)

出荷台数はもっとわかりやすく、ほぼ右肩下がり。
1990年は511万台、2020は268万台、-243万台で52.4%の増減率です。


出典:生産動態統計(経済産業省)

対し、唯一上昇しているのが冷蔵庫1台当たりの金額です。
この期間、物価は上昇していないので、単価上昇になります。
1990年は83,334円、2020は116,649円、プラス33,314円で140.0%です。


出典:2017年度の家庭のエネルギー事情を知る(環境省)

冷蔵庫は家族構成(世帯内が何人、何家族なのか)が影響するものです。
家族構成別に、一家に何台冷蔵庫があるかの情報が上記です。

イメージ通り、たいていの家では冷蔵庫は1台、グラフ内ではオレンジ色部分です。
次いで灰色部分の2台保有、三世代家族が39.0%、夫婦と子・高齢家族で24.0%です。
高齢者がいるお家には、2台ある比率が高い結果です。

大型冷蔵庫が消費電力は低くはない

瞬間的に電力消費量が大きい家電製品として、IHクッキングヒーターや電子レンジ、炊飯器は有名です。
冷蔵庫の瞬間電力は低いですが、24時間365日稼働している点が特徴の製品です。


出典:主な電気機器のアンペアの目安(TEPCO)

上記は東京電力ページからの数字です。
この数字で見てみると、冷蔵庫は2.5Aで下から3番目。
消費電力で見ると最低(最も電気消費量が少ない)の部類です。

古い家電を最新のものに買い換えると、同型であれば消費電力はほぼ100%下がります。
10年以上前の製品買い換え効果は高いですが、近年は省エネ技術も進み、2~3年前のものであれば大差はなくなりました。

一応ですが技術的に変革したものは、その差は1年でも大きく変わります。
例えば、照明器具の「電球形LEDランプは一般電球と比べると約86%の省エネ」のようなものはあります。

また、2000年代くらいまでは、冷蔵庫は大きい方が消費電力が低かったものが、いまはそうでもなく。
当時は、大型製品の方が高価で最新技術を投入できたり素材を工夫しやすいため、容量(リットル数)が大きい方が年間電気代が安価でしたが、2022年6月の以下を見ると中型機が最低消費電力になっています。

型番 容量 年間消費電力量
MR-WXD70G 700L 310kWh/年
MR-WZ61H 608L 273kWh/年
MR-WZ55H 547L 266kWh/年
MR-MX50H 503L 265kWh/年
MR-MX46H 455L 258kWh/年
MR-CG37G 365L 332kWh/年
MR-CX27G 272L 319kWh/年
MR-P15G 146L 304kWh/年

出典:三菱冷蔵庫 2022年6月時点(三菱電機)

子育て期は冷凍庫が便利

家族が増えるとき、冷蔵庫を買い換える1つのタイミングです。
大型冷蔵庫にすると、入れられるものが多くなりますが、フードロスの可能性は高まります。


出典:【日常の食材購入と収納】に関する意識調査(日本テトラパック株式会社)

フードロス経験がない人は20.5%と、意外に食材を使い切る人が多いようです。
単身者で、ほとんど冷蔵庫を使わないのであれば納得ですが、家族が多いご家庭は難しい。
人が多ければ、それぞれ入れるものもあり、地層に埋もれ忘れ去られるものが出てきます。

僕は自分が子育てを経験して、特に子育て期に強い味方だと感じたのが冷凍庫。
冷凍させたからといって数か月間放置して良いとは思っていませんが、例えばお肉であっても期限が近付いたら冷凍庫に入れておくのは、フードロス対策になります。
また、料理する時間が少ないので、大量調理し小分けにして冷凍庫保存は、料理する方であれば全員活用している手法。

上記に「2022年6月 冷蔵庫の消費電力」を記載しましたが、同じページに冷凍庫のみ製品の消費電力がありました。

型番 容量 年間消費電力量
MF-U14G 144L 455kWh/年
MF-U12G 121L 400kWh/年

出典:三菱冷蔵庫 2022年6月時点(三菱電機)

年間消費電力量は、冷蔵庫より冷凍庫単独機能製品の方が高い。
それを知ったうえでも、大きな冷凍庫がある状況は、料理する人にとっては安心材料です。

子育て期は冷蔵庫・冷凍庫ともにフル活用

母乳メイン育児を目指し、働いているママさんであれば、母乳の冷凍保存はたいていの人が使う手段。
冷凍ではなく冷蔵保存もありますが、どちらのしても冷蔵庫・冷凍庫に保存場所が必要です。

母乳以外に乳児は大人と食べるものが違うので、大人と別に冷蔵庫内の保管場所が必要になります。
幼児になって大人と同じ食べ物が食べられる頃も、食べる量が増えてくるのでやはりキャパが必要。
子どもが育っても、冷蔵庫・冷凍庫ともに場所確保と整理は続きます。

フードロスを考えるなら、視認性(見える化)は大きなポイントになります。
なるべく四角いタッパーウェアを積み上げたり、ブックスタンドを利用して平たくした食品を縦型に冷凍庫で並べて保管するなど、それぞれに工夫はある。
僕は冷蔵庫の収納はテトリスだと、思っています。

視認性を上げても、フードロスさせてしまう物としては、ドレッシングなどの縦型のビンや、小さなチューブ状の物。
冷蔵庫ドアの上の方に入れて、パッと見えないモノは、デッドエリアです。

あとは、比較的賞味期限の長いモノ、少しお値段の張るものなども、フードロスになりやすい。
1か月を超えるくらいのもので、「後で食べよう」という気の緩みが、せっかくいただきものなのに捨てる羽目になり、食べられなかった点ともらったものを捨ててしまう申し訳なさのダブルパンチ。

この辺りは、冷蔵庫・冷凍庫保存に限らず、常温保存するものでも思い当たるものもある。
1年以上の消費期限の物など、気が付いたら2年くらい賞味期限が過ぎているものもでてきます。

非常食といて保存しているものは、1年に1回など定期的に見直して必要に応じて買い換える話はよく聞きます。
そうではなく、缶詰や乾麺など、非常食に指定していないものが危ない。
1か月に1回とか、3か月に1回など、日付を決めてルーチン化しておくのは、有効な対策です。

何にせよ、子どもがいると食材が増え、冷蔵庫は大きいものが欲しくなります。
冷蔵庫の買い換えタイミングは難しく、壊れてしまってからでは中の食材を腐らせてしまう。
一般的には冷蔵庫の寿命は10年弱くらいらしく、10年前後経過時に次の製品を探すくらいが目安になります。

上記グラフ内に、一家に2台の冷蔵庫保有世帯が、全体平均で16.3%います。
障害対策の基本、1次障害まで考えられている発想でいうなら、2台冷蔵庫があれば理想的ですが設置場所がネック。
家が広ければ2台設置も現実的ですが、東京で2台設置はレアケースです。

さいごに

冷凍庫の場所取りアイテムの1つ、アイスクリーム。
子どもが一定の年齢になると、夏場にアイスクリームを常備するお家も出てきます。

大人も一緒に楽しむために、複数個入りの箱入りアイスや大型アイスをストックしておく。
子どもが学校から帰ってくると、汗だくで「アイス!」というのも、子どもらしい光景です。

アイスクリームには賞味期限が表示されていません。
それは食品表示基準にて賞味期限表示の省略が認められているためです。

数年前の物でも食べられるのですが、さすがに1年前のものは食べるのに躊躇します。