いまが最低、あとは登るだけ

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育児・子供観察

縄跳びの飛び方を子どもに教える。
やってみると分かりますが、普通に前飛びできる大人なら、最初は何を教えれば良いか悩みます。
できると教えるの間に、大きな差があることを知り、段階をおって1段ずつ階段を上る。
根気よく続けると、子どもにも大人にも気づきと達成感があります。

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縄跳びが普通にできる

前飛び100回を飛ぶのは、たいていの大人はでき、僕も引っかかることはあったとしても、何度かトライすればクリアできます。
しかし「縄跳びを飛ぶコツは何ですか」の質問に、一度も縄跳びを教えた経験がない僕は、答えられませんでした。
実際にだれかから聞かれたわけではありませんが、わが家の子どもと縄跳びの練習をした最初の日、この質問にぶつかりました。

自分が無意識に飛べている、自転車に乗る行為や、車の運転と同じく、空気を吸っているのと同じで無意識にできてしまう。
それを言語化しようと思ったことがないので、どうやって教えるか分からない。

子どもの飛び方を見ると、飛べていないのはもちろん、悪い点も何となく分かる。
その悪い点を確認するため、自分で飛んでみて「手の位置はココ、足はこうやって着地する」とやってみて子どもに伝える。
ただ、それも後から考えると、「木を見て森を見ず」ではありません、思いついた点をただ羅列しているだけで、縄跳びを一から教える時の順序に沿っているわけではありません。

子どもの練習に立ち会った初日、そのとっかかりのなさを、まず認識しました。
その日は、あせらず問題点の把握、現状分析に徹する。
そのうえで、そもそも縄跳びを飛ぶには、どうなっているのが理想なのかは、後で調べる。

初日の練習を終えて、僕はネットで縄跳びの飛び方を説明しているサイトを、いくつか見ました。

縄跳びのコツ

縄跳びのコツ、気を付けないといけない点が以下。

・手が体の横の位置でほぼ固定しているか
・手のひらが上を向いているか
・グリップの握り方は親指がグッドの形になっているか
・飛ぶ前に両足がそろっているか
・着地時に両足がそろっているか
・着地時にかかとが地面についていないか
・膝がうまく使えているか、足全体が直線になっていないか
・不必要に猫背になっていないか
・視線は遠くを見ているか

飛べる人は、上記を読んで「そうだよな」で終わりますが、飛べない子どもは複数ができていない。
その中から飛ぶために、順位をつけてクリアしていく。

最初は手首ではなく、腕全体で縄を回しても良いが、手のひらは意識させる。
縄を飛ばずに縄跳びを体の横で回したり、縄を足の位置でいったん止めて、ぴょんと飛ぶ。

一気に最終系を目指してもたいていの場合、余計に時間がかかります。
根性論で飛ばせ続けるのも1つのやり方ですが、急がば回れは最終的には最短距離。

ザックリと道筋をつけるために、ネットは強い味方です。

ネット普及で教えるハードルが下がったが

ネットが普及していなかった時代、縄跳びの飛び方を知るには、いまよりハードルが高かった。

自分で調べるなら、図書館で本を借りるか本屋で探すか。
身近に、体育教師や体操に強い人などがいれば、その人に聞いてみる。
どちらも今でも通用する方法ですが、限定的で効率的ではありません。

Google検索で「縄跳び 練習」と入力すれば、いまはたくさんの方法が無料で閲覧できます。
玉石混合、たくさんあるので、情報選択能力が求められはします。

たとえば、Google検索順位を決める要素の1つと言われている「権威」。
そのページを作った人はどれくらい専門家なのか。
NHKのページであれば、信憑性は高いなどのルールを知っていると、役に立たない情報を捨てるフィルターとなります。
良くも悪くも書籍に比べれば、精度が不安定なネットの情報です。
いくつかにあたってみて、その中で信頼できるものを判別できるようになると、良い情報にわずかな時間でたどり着けます。

スマホの普及も、昔にはなかった便利ツール。
子どもが練習している姿と動画撮影して、子どもと一緒に見る。
「ほら、手の位置はどうなっている?」と、視覚的に子どもが理解できる。

動画と言えばYouTUBEも、インパクトが大きい。
縄跳びの練習を本で学ぶとき、動きを頭の中で想像する必要がありますが、動画でみると圧倒的に分かりやすい。

中には動画の冒頭で、自分の信頼性を担保するために「縄跳びを年間1,000人以上の子どもを指導しています」などの情報も入っている。
それが正しいかファクトチェックはできませんが、それなりの数字を言っている人は、1つの参考値にはなります。
また、縄跳びを教える指導者を見つけようと思ったとき、すぐに見つけられます。

数本の良さそうなサイトや動画を見る。
その中から、ピックアップしたサイト・動画の共通点は肝になる点なので大切にして、枝葉の部分は対象の子どもに合いそうなものを選択する。

情報選択(捨てる)能力と、その情報を生きたものにする能力(知性)は、いまの時代、価値あるものです。

教える能力が自分にあるのか

教える側に立って、初めてわかる「自分が何が大事なのか理解できていない」現実。

なまじ自分ができることは「何でこんな簡単なことができないの?」と思ってしまう。
リーダーになったり、組織長になったときに最初につまずく、いつものお話です。

基本は、最初からうまくはできない前提で、シナリオを組み立てる。
教わる方も、教える方も、どちらもできないから入る。

子どもに「何でできないの」と言っても、良い結果にはなりません。
それは自分の教える能力のなさを、責任転嫁しています。

子どもに何が悪いか、客観的に分析させるのも論外。
教える側(親)がそこはカバーして、モチベーションにも気を配る。

叱って嫌になるのは、普通です。
逆に「いまの良かったね」の誉め言葉は、年齢が若ければ若いほど必要。
たまに、もので釣るのも、僕は良いと思っています。

できればゲーム性を取り入れたりして、楽しめる状況を作る。
できないを楽しくするために、できなかったことを細分化して少しずつクリアしていくのは基本です。
できなかったものが、できるようになるのは、間違いなく楽しいもの。

「楽しいからできる」もありますが、「できるようになるから楽しい」もあります。
生涯学習ができる人とできない人がいますが、少しずつ達成していくのは、大事な方法です。

縄跳び練習の最後に「今日気を付けたことは何だった?」「今日できたことは何だった」となど振り返りをしておく。
そうすることで、記憶への定着にもなり、次回へのモチベーションにもつながります。

縄跳びを子どもに教えて僕が感じたこと。
子育てと同じで、どちらが教えられているのか良く分からない、いつもの感覚になりました。

さいごに

自分が親になって、子どもが「せめて人並み」に、と考えてしまうことがあります。
周りの子どもは、前飛びはクリアしているのに、うちの子は何でできないの。
周囲との比較が間違っていると分かっていても、ついマイナスポイントに目が行ってしまう。

運動能力も、体格や性格と同じく得手不得手があり、すべてクリアできる人はいません。
極論、縄跳びを飛べなくても死にはしない、と考えるのも1つの方法です。

世の中、厳しさを学ぶ場面は少なくなっており、縄跳びの練習も、時に厳しくする必要があるものです。
それでも、ただ厳しいだけではなく、「うまくできたね」の寄り添いがあったほうが、たいていの場合、良い結果につながる。

いまが、最低。
あとは登るだけ。

子どもにとって、たいていのことは、伸びていく序章にすぎません。