家族の歴史として魔法にかかる

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育児・子供観察

TDR(東京ディズニーリゾート)で、分かっていて魔法にかかる。
独身時代はなるべく行かないようにしていた場所に、子どもができるとそれが行くきっかけになります。
園内で子どもが楽しそうにしている、帰宅後また行きたいという言葉が自然に口からこぼれる。
色眼鏡をかけない子どもの言葉は重みがあり、それだけに魔法の国の魅力は本物です。

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TDRの入場者数と1デーパスポートの値段

最初に、TDRの基礎情報です。


出典:入園者数データ(株式会社オリエンタルランド)

グラフから2つのことが、分かります。
1つ目は入園者数が右肩上がりだったものが2019年に減少、2020年は大幅減少。
入園者数の最高値は2018年の3,256万人、最低値は2020年の756万人。
2020年はコロナで入場制限をかけての結果なので、外部要因と言えます。

もう1つは、1デーパスポートの値段が上がり続けています。
1デーパスポートの値段の最高値は、このグラフ内では2020年の8,200円ですが、2021年には変動制になっており最高値が9,400円です。
最低値は1983年の3,900円で、2021年の変動制9,400円と比べると、2.4倍になっています。

1980年代のディズニーランドに行った人に聞くと、当時は乗り物も待ち時間もわずかで、園内通路はスカスカだったと聞きます。
それが、コロナ過前の2019年は、乗り物待ち60分以上などは普通、人気アトラクションは120分以上待ちもある。
TDRが企業努力で魅力を上げて来園者を増やした、その結果です。

1人当たり売上は23%増加、来園者は大人が増えている

東京ディズニーリゾートを運営している会社オリエンタルランドの、2021年3月期の決算発表をみると、営業利益が約460億円マイナスとなっています。
前年の2020年3月期は969億円のプラスなので、コロナ影響を大きく受けています。

もともと1デーパスポートの値段を上げる計画だったのか、世界的に見て東京の入園料が安いための是正かわかりませんが、ワンデーパスポート値段が上がっているのは、上のグラフの通りです。
以下、チケット収入もありますが、飲食店や商品販売収入の、最近の値段の推移です。


出典:ゲストプロフィール(株式会社オリエンタルランド)

1人当たりの売上高が、この8年で23.2%の増加。
寄与しているのは2つ、チケット収入が42.2%増、飲食販売収入が30.1%です。
商品販売収入は-1.5%とマイナスです。


出典:ゲストプロフィール(株式会社オリエンタルランド)

この8年で来園者中、一番伸びているのは40歳以上で26.1%、2位が18歳~39歳で9.9%増加。
残りの2つは減少、中人はマイナス26%、小人はマイナス42.5%
大人が増え、子どもが減っています。

出典:ゲストプロフィール(株式会社オリエンタルランド)

地域別のトピックスは、2020年は関東からの来園者が増加、85%が占めています。
そのほかの地域は2020年、軒並み前年比ダウンで、特に海外からの入園者が0%です。

来園者属性が変わった

ここまで、TDR(オリエンタルランド)が発表している数値でした。
ここからは、僕の主観になります。

僕は2021年12月に、東京ディズニーシー(TDS)に行きました。
人数制限がかかっている時期なので、人が少ないのはもちろん、乗り物待ちも15分が最高。
これは当たり前の情報ですが、個人的に来園者について、2つ以前と変わったと感じました。

1つ目は、高級ブランドのバッグやアクセサリーを持っている人が減っている。
僕が高級ブランドをあまり知らないのであてになりませんが、分かりやすいルイヴィトンやシャネルのロゴくらいなら認識できます。
数年前の園内ではこうした高級ブランドを身に着けている人がいましたが、いまは見かけてもわずか。


出典:国内インポートブランド(主要15アイテム)小売市場規模推移(矢野経済研究所)

上記、矢野経済研究所の情報ですが、これを観ると高級ブランド自体が衰退しているとは言えません。
ただ最近は単価が上がっていると僕の奥様からは聞いたので、買う人が少なくなっている可能性があります。

2つ目は、ヤンキーを見かけなくなった。
ヤンキーの境目があいまいですが、以前はパッと見てヤンキーと分かる人が園内にいました。
たとえば、服装は黒ベースで金色のラインが入ったジャージ、茶髪、サングラスをかけている。
駐車場から園内への道すがら、歩きたばこの人を見たこともあります。
そういう人が絶滅している。

理由として、上記の地域別来園者数で「関東が85%」が上げられます。
いま、東京で暴走族のバイクの爆音を聞くことは、ほぼありません。
そういう人たちが減った地域からの来園者ばかりなら、外見で悪そうな人は見つけられない。
そもそも現代の若い人が警察のお世話にならないのは、時代の流れです。


出典:警察白書 統計資料(警察庁)

実際の少年・少女の検挙数、1000人当たりの検挙率を見ても、それは正しく。
そもそも少子化で子どもが少なくなっていますが、検挙される人も見事に減っている。

少年少女検挙人数がTDR来園者と直結とは言いませんが、検挙される人も外見が悪そうな人も減っているのは確かです。
園内で僕が観測した範囲が一般論ではありませんが、TDS園内の雰囲気は穏やかでした。

家族の歴史として魔法にかかる

コロナ過でTDRに行くか、家族会議になるのが一般的です。

家計管理者にとって、その費用はナーバスになる金額。
大人2名+子ども2名がいまの時代の最多世帯ではありませんが、仮にこの家族構成だったとして。

チケット代・・・9,400円x2名+5,600円x2名=30,000円
飲食代・・・昼6,000円+休憩2,000円+夜8,000=16,000円
お土産代・・・4,000円

上記サンプル家族の場合50,000円。
行き返りの交通費は別途、宿泊するならその費用もプラス。
家族レジャーの行先としては、高価に入る部類です。

コロナ過も、1つの判断点です。
リスク回避するなら行かない選択ですし、リスク受容するならマスクや消毒液を持って楽しむになる。
わが家はコロナ過で人数制限が掛かっている点をプラスと捉え、TDSに行きました。
わが家が行くと判断した他の固有事情は以下。

・入場者制限中で乗り物待ち時間が少なく、園内通路の混雑も少ない
・東京在住なのでTDR(東京ディズニーリゾート)が近い
・子どもが友達から楽しかった話を聞く(それをわが家の子どもがうらやましがる)
・子どもはTDL(東京ディズニーランド)には行ったが、TDS(東京ディズニーシー)は行っていない

2021年12月、TDRのチケットはネットでの事前申込制です。
今回、僕がこのネット経由チケットを取得したのですが、これは大変でした。
毎週1回午後2時に、サイトで申し込み開始されますが、アクセス集中で接続はできない。

わが家は週末チケットが希望でしたが、1回目のチケット獲得は失敗。
午後8時頃になって、やっとチケットサイトにアクセスできたと思ったら、週末は完売でした。
翌週、リトライで午後7時頃、無事チケットゲット。
この2日間、他のことをやりながら、数百回以上アクセスを試みてのチケット取得でした。
これが、僕が苦労してチケットを取った認知的不協和として、より来園価値を高く評価している点はあります。

それでも、TDSを退園して帰路途中・帰宅後に、わが家の子どもが何度も「楽しかったー。また行きたい」という言葉を聞くと、行って良かったと月並みですが感じます。
僕の奥様も満足度が高かったらしく、わが家は全員、魔法の時間を過ごせました。

そこにはTDRキャスト(働いている方々)の変わらぬフレンドリーな対応や、TDR自体の魅力が根底にあります。
わが家が全員TDSが初めてという新鮮さも、大きな加点ポイントではあります。

1日のレジャー費用として5万円以上かかったとしても、僕の奥様と僕にとっては、得られた体験・記憶の価値が勝る。
そんな今回のTDS訪問は、わが家の「家族の歴史の1ページ」になるのかもしれないと、僕は考えています。

さいごに

僕は人混みと行列待ちが苦手なので、TDRは近寄りたくない場所の1つでした。
独身時代に数回、グループでいやいや来訪したくらいの記憶しかない。
人工的な場所に高いお金を払って、人ごみにまみれるのを避けていました。

その後、子どもが生まれ、子どもきっかけでTDRと縁がつながる。
子どもの行きたい願望が、友達が行ったからだったとしても、はしゃいでいる姿を見るとTDRの偉大さを感じます。

大人になったいま、ディズニーチャンネルを見ると、その完成度の高さに引き込まれます。
陰陽の陽にフォーカスし明るいストーリーが多く、原典が歪曲されていることもありますが、それはターゲットが子どもとすれば、納得の戦略。
テレビ番組だけでなく、TDRはビジネスでもよく顧客対応の成功例として取り上げられます。

ディズニーは人を楽しませることにかけてプロフェッショナルだと、TDSに行ってみて再確認しました。