この文章のトピックスは以下です。
・2024年時点で職場での飲みにケーションを必要と考える人は43.5%、不要と考える人は56.4%
・男女比では女性が不要と考える人が多い
・年代別で大差はない
・飲みにケーションのある職場で働きたいと考える人は32.6%
・2024年度に職場の方との飲みにケーションがあった割合は34.1%
・職場での飲みにケーションが必要と思う理由1位は本音を聞ける・距離を縮められる
・職場での飲みにケーションが不要と思う理由1位は気を遣うから
飲みにケーションは不要と思う人の方が多い
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は2024年のアンケート結果で、職場での飲みにケーションは必要だと思うかの結果です。
全体では必要が43.5%、不要が56.4%とわずかに不要が上回っています。
男女比では、男性の必要回答は52.1%、女性の必要回答は34.4%と、女性側が不要と答える割合が高い。
年代別にはそれほど差はなく、唯一70代~のみわずかですが他の世代に比べ不要と答える割合が高い。
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について 2023年調査(日本生命保険相互会社)
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は、同じニッセイインターネットアンケートで2023年と2024年の情報です。
どちらもコロナウィルス渦明けで、1年の違いですが必要と答える人が-1.2%です。
わずかの差で他の要因で下がっている可能性はありますが、近年、飲みにケーション不要論が高まって徐々に不要と考える人が増えている1つの経過の可能性を感じます。
飲みにケーションのある職場で働きたいと思う人は3割強
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は2024年の飲みにケーションのある職場で働きたいかの回答です。
全体で必要と答える割合は32.6%と1/3以下、1つ上のグラフで職場での飲みにケーションが必要と答えた割合43.5%より低い。
男女比では男性が必要と答える割合が高い。
年代別では意外にと言って良いのか「~20代」が「70代~」に次いで2位です。
ここからは若者が飲みにケーション嫌いとはいえず、中年の方が嫌がっている。
年代ゾーニングが進んだ、あるいは今の若者の悩みといわれる仕事で成長できない対策として、若者が飲みにケーションできっかけがつかめないか、ともがいているシナリオを思いつきます。
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は今年度(2024年度)、職場の方との飲みにケーションの有無です。
全体で飲み会が開催された回答者は34.1%と、約1/3です。
男性み会が開催された回答者は39.7%、女性は27.4%。
年代別が一番特徴的で、若年層ほど飲みにケーション開催された割合が高い。
世間一般では若者は職場飲み会を嫌うニュースがあふれていますが、逆の結果です。
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は2023年度に比べ2024年飲みにケーションは増えたか。
全体では増えた24.3%、減った12.6%と増えたと回答した人が多く、2023年と2024年を比べると2024年の方が回数増加しています。
男女比では、これまで見てきたデータと同じく男性側が増えたと回答した割合が女性より多い。
年代別では、若年層が増えたと答えた割合が多い。
飲みにケーション必要と考える人の理由1位は距離を縮められる
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は飲み会が必要と答えた人の中で、職場での飲みにケーションが必要と思う理由の上位回答です。
1位「本音を聞ける・距離を縮められる」
2位「仕事の悩みを相談(できる)」
3位「情報収集」
4位「ストレス発散」
5位「人脈を広げられる」
6位「お酒が好き」
この中で1位「本音を聞ける・距離を縮められる」、5位「人脈を広げられる」は昔から変わらずの最重要項目と考えられます。
2位「仕事の悩みを相談(できる)」は、30代と70代は必要と思う理由で1位です(それ以外の世代は2位)。
他の世代と比べ、この世代は飲みにケーションで仕事の悩みを相談したい人が多い。
4位の飲みにケーションで「ストレス発散」できる人は、恵まれた環境です。
出典:ニッセイインターネットアンケート 「勤労感謝の日」について(日本生命保険相互会社)
上記は飲み会が不要と答えた人の中で、職場での飲みにケーションが不要と思う理由の上位回答です。
1位「気を遣うから」
2位「仕事の延長と感じる」
3位「お金がもったいない」
4位「お酒が好きではない」
5位「拘束時間が長い」
6位「職場でコミュニケーションがとれている」
1位「気を遣うから」、2位「仕事の延長と感じる」からは、飲みにケーション不要と考える人にとって、オンとオフを切り替える人が多いと予想できます。
6位「職場でコミュニケーションがとれている」もこれに通じており、仕事上のことは業務内に適切なツールや1on1などで十分と考える節を感じます。
一昔前の飲み会といまの飲み会は違う
以下、飲みにケーション開催時の特徴と、それに対する僕の感想です。
・人間関係構築、信頼関係醸成できる
おおむねYesだが、Noとなる関係性もある。
良い関係が築けている人たちの集まりであればプラスに働く。
もともと悪い関係値や強制要素が入ると悪くなる。
・一緒に働いている人の人となりやプライベートがわかる
趣味が一致すれば一気に距離が縮まり、仕事上でもプラスに働く。
ただ、仕事で関わる人はあくまで仕事のみという考え方をよく聞くようになった。
・情報共有の場
いまは業務時間中は集中、残業しない流れが主流で、一般的には雑談が減っている。
そうした中、飲み会の席は社内政治的や自分の業務トピックス、だれかの退職理由などを話す場になる。
これは特にリモート業務だとなかなか話題にならず、リアルだと世間話的な話も普通にできる。
それでも夜の飲み会ではなく、だんだんランチにスライドしていっている。
・時間とお金の消費、浪費
自分の時間を大切にする人が増えている。
可処分所得は減っている。
帰宅したときに「疲れたー」と思われる飲みにケーションなら忌避される。
・健康への影響
科学的に少量でもお酒が人体に悪影響なのは現代では定説。
飲みにケーションを開催するにしても、少量飲酒やノンアルコールは今風。
2次会に行かない、2次会を開催しない、あるいは1次会のみで絶対帰る人が受け入れられている。
・強制参加は時代にそぐわない
中途社員入社時など歓迎会は発生する。
ただ、これもいまは夜の飲み会ではなくランチ開催が増えている。
夜の飲み会開催は、育児メンバーなど全体配慮を考えると難しい時代。
頻度が減って耐性が減ったのか、現場メンバーの「昨日の飲み会、ホントに気を遣って疲れた」はいまでも聞きます。
僕は飲み会(飲みニケーション)について、必要か不要かどちらかしか投票できないなら、不要に1票入れます。
ただ、それは自分がいまの組織で知っている人が多く、何かあっても誰に何を伝えるか把握できており、自分で完結できるためです。
とは言え、飲み会が効果的に働くシチュエーションはあるのも認識している。
特に中途採用者など、1日でも早く関係者との接点を深め、自分を知ってもらうと仕事がしやすいのは言わずもがな。
入社後の最初の3か月程度のボーナスステージ、自分を知ってもらい結果を出すために、距離を詰めたいと僕なら考えます。
言い換えると、関係性が薄い状況での1回目の会合は一気に他人からお隣さんくらいの距離感になれる可能性が飲み会にはあります。
苦手なものは惰性で開催される飲み会で、これが僕が不要に1票入れる最大の理由です。
あとは、コロナ過で飲み会が強制停止になって、仕事上の問題は起こっておらず、プライベートが充実した。
また、上に記載しましたが、いまはランチ会が多くなり、確かに夜の飲み会ではなランチで良いとも思うようになりました。
再掲ですが僕の周囲の若い人たちは、会社の人たちと関係を深める意味が薄いと考える人が増えています。
個人主義が進んで、この先もこの流れは止まらない。
結果、飲み会離れは流れと言えます。
さいごに
コロナウイルス渦で部署の会合は壊滅し、いまは大規模プロジェクト終了時の打ち上げがたまにある程度になりました。
それでも、コロナ過以前からあった、気の合ったメンバーで小さな会合は生き残っている。
スポーツバーなどに繰り出して、楽しい夜を過ごす話はいまも聞きます。
そして、中高年側の意見は「いまは誘う側が気を遣う」ので、上司が部下を誘うのはレアケース。
若手側はオッサン達と飲んでも、仕事の延長線感が強くできれば出席したくない。
それでも若手側は全面的に飲みにケーションが不要だとは思っていない節も感じます。
上司の自慢話は聞きたくないが、「仕事上で成長実感が持てない」きっかけ探しははあると想像しています。
利害の一致が難しい、そもそも利害を持ち出す時点で違うと思う人もいるのを考えると、細分化が進みました。
自分の若いころを思い出してみると、飲み会は上司に気を遣うのが当たり前で苦痛でした。
いまはお酒の強要はなくなりましたが、それでも誘い方や回数など配慮が必要な時代です。
飲み会を開催するなら、参加者全員できるだけフラットであるのが当たり前になったのは良いと思っています。