子どものウェルビーイング日本の総合順位は14位、身体的ウェルビーイング評価が高い

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・日本のウェルビーイング総合順位は14位
・身体的健康分野では日本は1位だが、精神幸福度は32位
・15歳の生活満足度ランキングでは日本は21位
・15歳の自殺率で日本は4位とかなり悪い結果
・15歳の子どもの学力、日本は3位
・は学校ですぐに友だちができると答えた15歳の子どもの割合、日本は30位

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日本の子どものウェルビーイング2025年情報の総合順位は14位

今回、参照した情報はユニセフが行っている調査で、子どものウェルビーイングの6つの指標(生活満足度、10代の子ども・若者の自殺、子どもの死亡率、過体重、学力、社会的スキル)の結果です。
対象はOECDおよびEUの加盟43カ国です。

 

順位 国名
1 オランダ
2 デンマーク
3 フランス
4 ポルトガル
5 アイルランド
6 スイス
7 スペイン
8 クロアチア
9 イタリア
10 スウェーデン
11 ハンガリー
12 オーストリア
13 スロベニア
14 日本
15 リトアニア
16 ルーマニア
17 フィンランド
18 チェコ
19 カナダ
20 スロバキア
21 英国
22 アイスランド
23 ラトビア
24 ギリシャ
25 ドイツ
26 マルタ
27 韓国
28 ブルガリア
29 ポーランド
30 エストニア
31 コスタリカ
32 ニュージーランド
33 コロンビア
34 メキシコ
35 トルコ
36 チリ

子どものウェルビーイング 総合順位
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記が2025年5月にユニセフより発行された情報による子どものウェルビーイング、総合順位です
上位は西ヨーロッパや北ヨーロッパが並んでいます。
この中で日本は14位で、全部で43か国なので中位から高位に位置づけています。

 

順位 国名
1 オランダ
2 ポルトガル
3 デンマーク
4 スペイン
5 ルーマニア
6 ハンガリー
7 ギリシャ
8 イタリア
9 クロアチア
10 ブルガリア
11 フランス
12 スロバキア
13 スイス
14 スウェーデン
15 マルタ
16 オーストリア
17 コスタリカ
18 ドイツ
19 メキシコ
20 リトアニア
21 フィンランド
22 ラトビア
23 カナダ
24 アイルランド
25 チェコ
26 アイスランド
27 英国
28 スロベニア
29 コロンビア
30 ポーランド
31 チリ
32 日本

子どものウェルビーイング 精神的幸福度
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記が子どものウェルビーイング、精神的幸福度です
上位陣は総合順位と変わらず、西や北ヨーロッパ。
日本は精神的幸福度では32位と、総合順位14位にくらべ順位を落としています。

 

順位 国名
1 日本
2 フランス
3 デンマーク
4 オランダ
5 チェコ
6 アイスランド
7 スイス
8 ポルトガル
9 アイルランド
10 スウェーデン
11 ドイツ
12 ラトビア
13 イタリア
14 リトアニア
15 スロベニア
16 ポーランド
17 オーストリア
18 マルタ
19 英国
20 フィンランド

子どものウェルビーイング 身体的健康
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記が子どものウェルビーイング、身体的健康です
1位は日本で、これが日本を総合順位14位にしている大きな要因です。

 

順位 国名
1 アイルランド
2 スロベニア
3 クロアチア
4 韓国
5 スイス
6 オーストリア
7 デンマーク
8 フランス
9 オランダ
10 日本
11 ハンガリー
12 スウェーデン
13 英国
14 スペイン
15 リトアニア
16 フィンランド
17 カナダ
18 ポルトガル
19 イタリア
20 エストニア

子どものウェルビーイング スキル
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記が子どものウェルビーイング、社会的スキル(コミュニケーションなど)です
アジア勢の中で最上位は4位の韓国で、好位置につけています。
日本は10位で、総合順位の14位よりは良い結果です。

15歳の生活満足度、日本は21位

生活満足度の高い15歳の子どもの割合 2022年
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記は生活満足度の高い15歳の子どもの割合、2022年情報です。
1位はオランダ78ポイント、2位はフィンランド82ポイントで、こうした幸福に関する調査でいつも上位に入っている国です。
日本は21位の71ポイントで、1位のオランダに比べると-16ポイントです。

15~19歳の子ども・若者の自殺率 2022年
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記は15~19歳の子ども・若者の自殺率、2022年情報です。
数字は人口100万人当たりの若者の自殺率です。
1位ニュージーランド17.1人、2位エストニア12.7人、3位フィンランド10.5人。
4位に日本で10.4人、悪い材料で上位に入っています。

15歳の子どもの学力日本は3位

15歳の子どもの学力 2022年
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記は15歳の子どもの学力、2022年情報です。
1位は韓国79ポイント、2位アイルランド78ポイント。
日本は3位で76ポイントと好位置につけています。
参考までに、同じ15歳を対象にした有名な学力調査「PISA2022」結果では、数学的リテラシー5位、読解力3位、科学的リテラシー2位と近い順位です。

上記は学校ですぐに友だちができると答えた15歳の子どもの割合 2022年
出典:レポートカード(Report Card)シリーズ(ユニセフ)

上記は学校ですぐに友だちができると答えた15歳の子どもの割合、2022年情報です。
1位クロアチア84.1ポイント、2位スロベニア83.7ポイント、3位オランダ82.9ポイント。
日本は43か国中、30位(74.8ポイント)なので、シャイな国民と言えます。

ウェルビーイングを現実視点でも考える

まずは言葉の定義としてウェルビーイングをコトバンクで引くと、以下と記載されています。

ウエルビーイング(well-being)
1 幸福。安寧。
2 身体的・精神的・社会的に良好な状態。特に、社会福祉が充実し、満足できる生活状態にあることをいう。

出典:ウエルビーイング(コトバンク)

精神・身体・社会的に良好で、安定して幸福を感じられる生活状態。
抽象的であり、個人の所感なので捉えにくいものではあります。

いまの日本社会を見て、安定して幸福を感じられる人が増えているか減っているか変わらないか、と問われれば僕は減っているに1票入れます。

▼幸福感が増える要素
・自分の意見が言いやすい世界になりつつある
・全員横並び(標準)が崩壊しているので人と比べることが減った
・自分は自分、他人に干渉しない
・モラルの向上、パワハラやセクハラはアウト
・凶悪犯罪発生率など下がり続けている
・食べるものに困らない
・人手不足で仕事は選ばなければある

▼幸福感が減る要素
・可処分所得の減少
・社会の複雑化
・(とくに子ども社会での)ネットでのいじめ
・時間が足りない
・他者不寛容
・未来への不安

上記はおもに大人目線での要素ですが、子ども社会でも共通する部分はあります。
大人も子どもも何かに追われ続けている感は、一昔前に比べ随分感じるようになりました。
また日本が斜陽なのもあり、下り坂の国でどう立ち居ふるまっていくのか。

多くの国際調査において日本における「はたらくWell-being」が諸外国と比較して低い傾向

はたらくWell-beingとは
仕事を通じて、喜びや楽しみを感じることが多く、怒りや悲しみといった嫌な感情をあまり感じずにいる状態

出典:グローバル就業実態・成長意識調査-はたらくWell-beingの国際比較(パーソル総合研究所)

上記も大人目線の「働く」視点でのウェルビーイングに関する情報です。
そもそも考え方や状況が違う諸外国との比較が妥当なのかはありますが、仕事に対して「楽しい」と思えるのか「お金のため」と割り切るのかで、感じる幸福感は違う。

ただ、幸福感という個人主観をあまり前面に掲げすぎるのも微妙であり、Aさんにとって良い状況がBさんが望んでいるかは分からない。
どちらともとれる条件なら、現実的視点をもっと前面に出しても良いのではないか。
・自分の得意なスキルの職業についている(≠自分好きな仕事)
・他者貢献できている(周囲のメンバーやお客様に対して)
・嫌な環境や状況が少ない
・給与/報酬が妥当

僕の周囲を見ていると、比較的、現実的な視点で物事を考える人が多く、僕がそれにつられている面はあります。
思い通りにならないことを前提に、できるだけ良い環境を目指す。
自分ではどうしようもない内容を受け流す(ネガティブ・ケイパビリティ)。

今回見たデータではウェルビーイング総合順位で日本は14位でした。
身体的要素が総合順位を高い順位に押し上げており、精神的要素が低めなのは日本の課題点です。

幸福の条件として身体的健康度が高いのはベースであり、日本はそこはクリアしている。
その上で子どもを持つ親視点として、精神的な部分で子どもたちが追い詰められることが少ない車内になって欲しいと思っています。

さいごに

知人のITエンジニア(SE、プログラマー)職の方が、先日、転職しました。
彼に転職理由を聞いたところ「自分にも子どもができ、もう少し社会の基盤に近い会社で働こうと思って転職しました」と電力やガスに関する会社へ移動されました。

彼曰く、昔は自分が堅い会社に入るとはまったく考えなかったらしく、ITなどの最先端職種を就活で選んでいたらしい。
それが子どもを持って地に足の着いた会社に魅力を感じるようになり、転職に踏み切った。
さまざまな経験を経て、土台が大切な事に気づけた。
そして家族が大事であり、仕事ともうまく付き合って、自分の人生を作り上げていきたい。

同意できる内容であり、年齢を重ねた何割かの中年以降の人には納得できるお話です。