少子化が進んでいます。
では、1夫婦あたりの子どもの数がどうなっているのか。
外国と比較して、日本の推移は特別な点があるのか。
夫婦の状況や条件によっての子どもの数などを見てみました。
子どもの数は戦後右肩下がりで減っている
はじめに言葉の定義です。
この投稿には「完結出生児数」という言葉が出てきます。
これは「結婚持続期間(結婚からの経過期間)15~19年夫婦の平均出生子ども数」であり、夫婦の最終的な平均出生子ども数を指します。
ですので、「完結出生児数」は一般に認知されている「合計特殊出生率」より、大きな数字になります。
出典:性別出生数および出生性比(国立社会保障・人口問題研究所)
まずは実数である、出生数です。
ピークは戦後1949年で269万人。
その後いったん低下、第2次ベビーブームの1973年が最後の山で209万人。
それ以降は一貫して、出生数は減少しています。
折れ線グラフは、男の子と女の子の比率です。
戦後はわずかに男児が増え107.6がピーク、それ以降は微減横ばいでだいたい105前後です。
105という数字、女児が100人に対し、男児105人ということ。
1966年は丙午(ひのえうま)で、特殊な年です。
でこぼこしていますが、それほど大きな差ではありません。
個人的には男女比は101くらいだと勘違いしていました。
最新の2016年でも、105.6という数字です。
出典:性別出生数および出生性比(国立社会保障・人口問題研究所)
一人の女性が15歳~49歳までに産む子どもの数の平均である「合計特殊出生率」。
女性の数に影響されるものですが、出生数のグラフと同様、やはり減っています。
出典:性別出生数および出生性比(国立社会保障・人口問題研究所)
では、日本は他国に比べてどうなのか。
オレンジ色の線が日本です。
グラフが途切れいているところは、データがないところです。
眺めてみると、日本は下位グループの中の上位という位置。
上位グループが2(人)より少し下、下位グループは1.5(人)を切っています。
出生数が高いということで有名なのは、フランスとアメリカでしょう。
フランス=2.00人(2012年)
アメリカ=1.84人(2015年)
逆に出生数の低いのは、このグラフの中では以下。
香港=1.21人(2016年)
韓国=1.17人(2016年)
日本が1.44人(2016年)なので、やはり下位グループとなります。
移民受け入れなどを除き純粋に出生だけで現在の人口が維持となる目安が2.07(人)。
良好な現代先進国という環境で、2.07(人)がその境目となるそうです。
この数字から考えると、フランスでさえ人口維持を目指すなら移民受け入れなどが必要ということです。
いくつかの国の情報を見て思うのが、近年横ばいから微増という国が多いです。
少子化を食い止めねば国が危うくなる、コレが現代の潮流なのでしょう。
夫婦の状況によっての出生数など
これ以降のグラフは「完結出生児数」の値になります。
先に実数情報ですが、「合計特殊出生率」2016年=1.44(人)。
「完結出生児数」=1.8(人)~2.2(人)にくらべ低い数値になります。
これは「結婚持続期間15~19年」の夫婦という限定となるためです。
出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)
まずは、夫婦の子どもの数。
総論として子どもの数が減っているので、グラフは下に行くほど、左の分類の値が増えます。
[0人(子がいない)][1人]が増加しています。
この中で一貫して、ずっと割合が1位で、大きく増減していないのが[2人]。
ここ40年くらい、50%中盤をいったりきたり。
日本では、この期間は2人の子どもを持つ、というのが半数以上ということです。
出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)
[見合い結婚]か[恋愛結婚か]での子どもの数です。
微差ですが、恋愛結婚の夫婦の方が、すこし子どもが増えているようです。
出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)
妻の最終学歴によっての子どもの数です。
おおむね[中学校]が最上位、[大学以上]が最下位です。
最新年である2015年になるにつれて、[中学校]を除き減少傾向。
[中学校]が2010年、大きく落ち込んでいます。
そして2015年、また盛り返しています。
理由は何でしょうか?
出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)
住んでいる場所が、都市部か人口が少ないところかの分類です。
トピックスは200万人以上の人口集中地区が、2015年に上昇していること。
確かに都市部の待機児童問題とその対策など、近年は育児の話題が増えいている気がします。
出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)
最後に祖父母が、夫婦の近くに住んでいるかという分類。
トピックスは、2015年に[近居]が[同居]とほぼ同じ値になっている点。
たしかに僕の身の回りでも、体感値ですが[近居]が増えている気がします。
そしてたいていの場合、よく週末に実家に行くという話を聞きます。
同居は息苦しいが、近居くらいが経済的にも良い、と考えるのは納得です。
さいごに
少子化だけが原因ではありませんが、少子化によって人口が減る。
以前も書きましたが、個人的には日本の人口は多すぎると考えています。
緩やかな減少が良いと僕は考えています。
ただ、いまの「合計特殊出生率」では、ある時点で一気に減少、国が亡びる数値です。
では日本という国が亡びるとしたら?
正直、あまり関心はありません。
そんなことより、子どもを持ちたいと思っている女性やご夫婦がいたとして。
その人(人たち)が経済的理由や社会的圧力などで、子どもを持つことをあきらめるのであれば。
それは国や社会として、間違っていると僕は考えます。
実際、シングルマザーの貧困率や派遣比率の上昇など、それに近い状況が今の日本の現実としてあります。
この状況で「女性に子どもをたくさん産んでください」といのは、理不尽というか身勝手というか。
国や政治が悪いというのも簡単ですが、その代表者を選挙で選んでいるのは自分。
なかなか険しい道のりです。
現代は個人が自由に選択できる時代、そして多様化が認められつつある社会。
主権(子どもを生むかどうかの判断)は女性にあると思います。
そんな女性たちが、子どもを生むことに前向きになる状況を作る。
対策案としてたまに出てきますし、短絡的かもしれませんが、僕は以下の案に賛成です。
軽く見積もって2兆円前後、必要ですが。
「子ども人数x100万円(1人目100万円、2人目200万円)国からお祝い金」
ではでは。
諸外国も悪いところは悪い
日本は子ども2人がずっと5割強