この文章のトピックスは以下です。
・ここ44年で理想の子どもの数は2.61人から2.25人に減少
・ここ44年で予定の子どもの数は2.17人から2.01人に減少
・理想では子どもの数は2人か3人が多い
・実際の予定で考えると2人が圧倒的になる
・理想の子どもの性別は女児の方が男児より人気が高い
・子どもが2人だと男女各1名の人気が圧倒的
・実際に産んだ子どもの数は2人が1位
・子どもがいると生活が楽しくなると考える人が多い
夫婦が理想・希望とする子どもの数は漸減中
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は夫婦の平均理想子ども数と平均予定子ども数推移です。
近年その差は縮まっていますが理想子どもの数の方が、予定子どもの数より大きくなっています。
また、近年に近づくにつれどちらも僅かずつ、減少し続けています。
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は夫婦の理想の子どもの数の推移です。
1977年の1位は「3人以上」で50.4%、2021年の1位は「2人」で53.3%。
「3人以上」は1977年50.4%、2021年33.8%と、前後比-16.6%です。
「2人」は1977年51.5%、2021年53.3%と、前後比+11.8%です。
「1人」は1977年2.7%、2021年5.2%と、前後比+2.5%です。
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は夫婦の予定子どもの数の推移です。
1つ上の理想の子どもの数は「2人」「3人以上」が大きな割合を占めていましたが、予定となると「2人」が圧倒的1位。
「1人」も2021年は15.0%になっています。
子どもの性別の希望は女児の人気が高い
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は夫婦の理想の男児女児の総和です。
1982年は「理想女児割合」は47.8%、「理想男児割合」は52.2%。
2021年は「理想女児割合」は52.6%、「理想男児割合」は47.4%。
ここ44年で男女割合が入れ替わっています。
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は子どもの数が1人の時、理想の子どもの性別です。
基本は女児希望が多いですが、全体的にバスタブ型になっています。
女児希望の最も高い年は2005年77.8%。
それ以降徐々に女児希望が減少し、2021年は56.4%になっています。
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は子どもの数が2人の時、理想の子どもの性別です。
圧倒的に1位は男女1人ずつで、2021年は90.3%と9割超えです。
残った割合では、女児2人が大きく、男児2人は不人気です。
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は子どもの数が3人の時、理想の子どもの性別です。
子どもの数が3人だと2021年の1位は「男児2人女児1人」53.8%。
2位は「男児1人女児2人」41.3%で、この2つを足すと95.1%と大半です。
この中で2021年、一番人気がないのは「女児3人」で1.4%です。
これまで女児の人気が高かったですが、女児3人は人気ではないようです。
子どもを持つ理由の不動の1位は「子どもがいると生活が楽しくなる」
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は理想や希望ではなく、実際に生んだ子ども数です。
回答者は子どもを持たない考えの人や結婚直後の人たちも含まれていることもあり、0人は12.8%です。
1位は「2人」44.6%、2位は「1人」23.4%、この2つを足すと68.0%と約2/3です。
子どもの数について理想や希望とは異なり、さらに現実的には一人っ子が増えています。
出典:出生動向基本調査(厚生労働省)
上記は子どもの持つ理由の推移です。
1位は「子どもがいると生活が楽しくなる」で2021年は80.0%です。
減少しているのは「結婚して子どもをもつことが自然」で、2002年53.0%、2021年33.8%になっています。
この期間で増えている1位は「夫や親など周囲が望むから」で、2002年10.4%、2021年14.1%です。
子どもの性別は重要ではない
僕は以前、子どもの性別について、一緒に働いていた女性に対し、子どもの事が分かっていない失言をしました。
その内容は「どちらの(性別の)お子さんの方が育てやすいですか」です。
当時、僕には子どもがおらず、子どもに関わるアンテナが低かった、現実を理解していなかったがゆえの発言だったといまでも記憶に残っています。
思い出すと声を出して消したいほどの後悔ではありませんが、子どもの性別に関する話題が何かの拍子に上った時、かさぶたがとれた後の傷口を触るとじんわりとした感覚に近い記憶です。
その女性は男女1人ずつの2人のお子さんをお持ちで、その方と子どもの話をしていた時、上記の質問をしました。
女性の回答は「どっちもどっちですね」と、表情を変えず回答してくれました。
その後、その女性との関係性は変わらなかったので、気にならなかったのか、女性側が受け流してくれたのかは分かりません。
ただ、子どもを持った今なら分かりますが、どちらかを選ばせるような、痛い質問とも受け取られない内容と、子どもを持った今なら分かります。
子どもは千差万別であり、育児に悩んでいる方だったなら「そんな簡単なお話ではない」とイラっとする可能性を含んだ内容です。
いま(の一般的な科学で)は子どもの性別は選べるのではなく、授かるだけです。
今回見てきたデータでは、一般論として男女のどちらの子どもを希望するなら情報で、総論は女児希望が多い結果でした。
女の子を希望する理由として以下があります。
・かわいい洋服を着せたい
・一緒に買い物やおしゃれを楽しみたい
・母子で良い関係を築きたい
男の子を希望する理由としては以下があります。
・跡継ぎ(いまどきこの理由がどの程度あるのか不明ですが)
・キャッチボールやアウトドア活動する
他の視点では「育てやすさ」、どちらが育てやすい論争もあります。
これはいつものことで、男女差より個人差の方が大きいのは当たり前ですし、長い目で見るなら手がかかるから嫌かというとそうでもなく。
女児希望だったとしても回答者はそれほど確たる感覚で回答しているとは思えず、あえて聞かれたので51対49くらいの感覚で選ぶような。
赤ちゃんが生まれて初めて自分の手に抱いた時、言葉にできない感覚が僕にはあります。
現代では、生まれる前にたいてい性別は判明していますが、無事生まれてきたとき子どもの性別は些事です。
同様、子どもが巣立ったとき振り返ってみるタイミングでも子どもの性別など意味はなく、一定期間一緒に生活した人がいなくなる喪失感含め、子どもは何物にも代えがたいと今は考えます。
さいごに
最近、子どもをほしくない若者が増えたというニュースが良く取り上げられます。
対し、今回のデータでは「子どもを持つ理由」の1位は「子どもがいると生活が楽しくなる」でした。
この回答者はもともと子どもがほしかったのか、何となく子どもができたがいざ育ててみると楽しいと感じたのか。
僕はこの意見にやや賛成で、子どもがいると楽しいというか、楽しくなる要素が増えると考えています。
子どもが小さいうちは特に、強制的に子どものペースに合わせなくてはいけないので、知らない世界や初めて興味がわくことがたくさん出てくる。
親側の性別が男性で子どもが女児、あるいは逆の場合は特に、知らないに出合う機会が多くなる。
子育ては大変ですが、冒険機会でもあります。