フットサル参加人口は減少しているがポテンシャルはある競技

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統計データ

近年、フットサル人口が減っています。
いくつかのデータを見てみると、たしかに一般人・選手登録数ともに減っています。
ただ、フットサル予備軍のサッカー人口は減っておらず、少子化時代でも子どものサッカー人口も横ばい。
サッカー経験者が大人になって全員フットサルプレーヤーにはなりませんが、2024年時点ではポテンシャルを感じる競技です。

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一般のフットサル人口は大きく減少、JFAフットサル選手登録数は少し減少

フットサル参加人口推移
出典:レジャー白書(公益財団法人日本生産性本部)

上記は『レジャー白書』情報でのフットサル参加人口です。
2010年は370万人、2022年は100万人で-270万人、前後比は27.0%(-73%)です。
『レジャー白書』は一般人向けアンケートです。
実際に約1/4までフットサル人口が減っているのか、以下別の切り口でも見てみます。

JFA フットサル選手登録数 年次推移 全年齢層
出典:フットサル選手登録数(JFA)

こちらはJFAの選手登録数情報で、プロから小学生まで登録している選手数です。
2014年は44,053人、2022年は34,512人で-9,541人、前後比は78.3%(-21.7%)です。
先ほどの『レジャー白書』では減少率約1/4でしたが、競技選手として登録している情報では減少率約3/4です。

JFA フットサル選手登録数 都道府県別
出典:フットサル選手登録数(JFA)

参考までにJFAに都道府県別選手登録数情報があったので、上記グラフ化しています。
東京・大阪・名古屋の参加者が多いのは、そもそも人口が多い点はあります。
あとはサッカーと言えば静岡というのもあり、静岡のフットサル人口も多い。
北海道もフットサル人口が多く、静岡よりわずかですが登録者は多い結果です。

フットサル・プロの観客入場者数は17年で約2割減

その競技の人気度を測る1つの指標として、プロリーグの入場者数があります。

JFA ディビジョン1 入場者数
出典:Attendance Division 1(fleague)

上記はプロフットサル・ディビジョン1の観客・入場者数情報です。
2007年-2008年の入場者数は156,841人。
途中、コロナウィルス禍の2020年-2021年がこのグラフ内の最低値18,544人。
その後、盛り返していて2023年-2024年は127,218人。
コロナ過のイレギュラーはありましたが、伸びているのではなく減少傾向です。

そもそも日本は人口減少期なので、仮に同じ割合の人たちが、1つのスポーツを観戦し続けたとしても、総入場者数は減少します。
コロナ過のように、密集を避ける特例が発生したのもマイナス要因ですが、一度足が離れた人を呼び戻すのもそれなりに熱量がいる。
他の種目も厳しい状況なので、減りゆくパイの奪い合い時代です。

フットサルプレーヤー予備軍のサッカー人口は微増

フットサルプレーヤーの入り口は、社会人であれば運動不足解消もありますが、サッカーをやっている知人に誘われて始めるのは良く聞きます。
そのサッカーをやっている人は、たいてい小学校を含む学生時代に部活でサッカーを経験しています。
以下は、笹川財団にあった20歳以上の「サッカー人口 年代別 男女別 割合推移」情報です。

サッカー人口 年代別 男女別 割合推移
出典:サッカー人口(公益財団法人 笹川スポーツ財団)

総論、近年は社会人のサッカー人口は減少傾向です。
一番のボリュームゾーンである男性20歳代をみると、2000年は15.3%、2022年は11.9%。
2番目は男性30歳代で2000年は5.0%、2022年は6.7%とこちらは、伸びています。
男性40歳代の参加人口の前後比を見ても伸長しているので、日本のサッカー人口は踏みとどまっていると言えそうです。

JFA サッカー選手登録数 総数と高校生
出典:サッカー選手登録数(JFA)

上記はJFAのサッカー選手登録数の総数(大人から小学生まで)と高校生(第2種)の数です。
サッカー選手登録者総数は、2000年は795,016人、2022年は817,375人で22,359人増加、前後比は102.8%です。
フットサル予備軍になり得る高校サッカー登録選手数は、2000年は153,840人、2022年は159,598人で5,758人増加、前後比は103.7%です。

サッカー経験者がフットサルに参加するかは別として、その潜在力はある。
悪化の一途を辿っている野球などとは違い、フットサルはポテンシャルがある競技です。

ここまでをまとめます。
・『レジャー白書』によるとフットサル参加人口は10年強で約1/4
・JFAフットサル選手登録人数でみるとフットサル参加人口は8年で約3/4
・都道府県別にみるとフットサル参加人口は都心部と北海道、静岡が多い
・プロ競技のJFA・ディビジョン1の観客入場者数はここ17年で約2割減
・一般人の大人のサッカー人口はやや減少
・競技サッカー登録選手数は総数も高校生も微増

ケガに気を付ければ長く続けられる

僕はいま所属する組織でフットサル部に入っています。
と言っても、コロナ過でフットサル部の集合ができなくなり、それ以降参加していません。

コロナ過になる前は、月に1回~2回、会社が終わってから20人程度が集まってボールを蹴っていました。
コートは屋外・屋内いろいろ、予約が取れた場所におのおの仕事が終わった人から集合。
コート予約は場所を選ばなければ、ほぼ希望日には確保できますが、人気のある屋内コート(体育館)は、たまに当った時だけ使えるので、体育館ニーズは常にあるようです。

僕が所属する組織のチームはガチ勢ではなく、サッカー経験者は半数くらい。
まったくの初心者や女性も混ざっており、ごく一般的な「楽しむフットサル(ファンフットサル)」です。

僕はいまの組織のフットサル部に入る前には、フットサル経験はありませんでした。
子どもの頃、キャプテン翼に影響された世代で、小中学校では部活でサッカーをやっていました。
社内の人との何かの雑談でその話をしたところ、「フットサルやらない」と誘われ参加するようになりました。

社会人ファンフットサルは競技サッカーとは違い、ガチ勢を除けば根性論や必勝とは無縁で、どちらかと言えばエクササイズという言い方が妥当。
定期的に体を動かす1つとしてフットサルはあり、そんな一般的な社会人フットサルの良さを上げてみます。

・ファンフットサルでも走るので良い運動になる
・部活に所属すると「仕事を片付けて出席しよう」意識になる
・フットサルは5人対5人でサッカーほどたくさんの人を必要としない
・日ごろ、かかわりのない人と知り合いになれる
・年代の幅が広い
・体の劣化具合、たとえば体重増も動きに出るので日ごろの節制につながる

社会人の集まりなので、けがをしないようにする意識は全員の頭の中にあります。
フットサルはボディコンタクトはNGですがぶつかり合う可能性はあるので、なるべく身体接触せず、もちろん「削る」ようなアクションはしない。
選手交代も無制限でできるので、ボールを蹴るのが好きな人にとっては、長く続けられるスポーツです。

今回調べた参加者データを見ると、子どものサッカー人口は減っていませんでした。
少子化が進んでいるにもかかわらず、サッカー人口が減っていないので、サッカーは人気維持ができている競技です。

対し、プロフットサルの入場者数は減っているので、サッカー経験者でもプロフットサルに流れ続けてはいないと言えます。
その競技の指標として、最上位クラス(フットサルで言えばJ1)の人気は、競技人口のすそ野を広げますが、現状はそうなっていない。
競技の繁栄を目指すため、サッカー経験者をフットサルに引き込むのは、フットサル業界の課題です。

社会状況を考えると、人口減少、可処分所得が増えない、スマホやサブスク動画の興隆など、フットサルに限らずスポーツ全般に向かい風要素はたくさん思いつきます。
追い風としては、健康志向の普及は思いつきますが、手軽をもとめるなら散歩やジョギング、公共のスポーツジムなどが先に実行されそう。

いまは個サル(フットサルコートで開催される有料練習、個人で参加)もありますが、いきなりそこに参加できる人はそれほど多いとは思えません。
門戸を開くため、ビギナー向けに楽しんでもらうのはその競技の未来には有効です。

シュートを決められると気持ち良いもその1つで、楽しみながら汗をかく。
シュートも良いですが、僕はキラーパスと呼ばれるゲームを決めるようなパスに、子どもの頃からあこがれています。

さいごに

以前、このブログで調べたデータでは、世界一のスポーツ人口はバレーボールでサッカーは5位。

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日本のスポーツ市場は、右肩下がりです。中でもコロナウィルス禍で大きく下げたカテゴリもあり、その業界にいる人たちにとって向かい風となりました。プロスポーツ選手は華やいだ表面であり、そこへたどり着くためには厳選が存在します。プロスポーツ選手に覚...

僕がサッカーを好きなので、ひいき目コメントになりますが、サッカーの良さはボール1つあれば楽しめます。
プロサッカー・ビッグクラブのプレーを見ていると、ボール1つで人々を熱狂させられる。

少子化確定の日本では、この先、だんだん団体チームスポーツの存続が難しくなっていきます。
野球やサッカーなど、多人数が必要な競技は、地方から徐々に消えていきます。

全校合わせて20人しかいないような島の学校を思い浮かべると、5人対5人のフットサルは体育の授業でボール蹴り競技として妥当です。