僕は通勤電車の中で女性が体調不良で倒れた状況に何度か遭遇したことがあります。
電車であれば駅員さんをはじめ他の乗客など周りにたくさんの人がいます。
これが1人だったら、そしてそれが妊婦さんだったらとあまり現実味のない想像。
幸いにも実際にそうした状況に遭遇したことはありません。
通勤電車で女性が倒れた
それはいつもの通勤電車内でのお話。
電車は走っている状況、駅で止まっていない時のことです。
社内の混雑状況は、座席が埋まっており、立っている人も数人。
その時、僕は立って本を読んでいました。
斜め後ろから「どしん」という鈍い音が。
振り返ってみると2メートルくらい先で女性が床に倒れていました。
そば座席が空いていることから、座っていた状態から床に倒れこんだと想像しました。
女性の格好から察するにOLさん。
身綺麗な格好をしておりました。
すぐに倒れた女性のそばにいた中年女性が「大丈夫ですか?」と問いかけていました。
倒れた女性はうつろな状態で声を発することはほぼできておらず、うなずいて「大丈夫」応答しています。
どうみても大丈夫な状態ではないですが、この辺は日本人の生真面目さを感じました。
その状況を僕は見ていました。
周りのほかの乗客も僕同様「傍観者」という状態です。
僕の頭の中ではどうでもよい次元の以下の内容でした。
すぐに手を出すとちょっと距離があるので出しゃばりっぽくないか。
僕より倒れた女性に近い周りのだれかが手を貸す?
倒れているのが女性なので、僕が行くのもやらしくならないか?
10秒弱、そのような状況が続きました。
結局、介護に入った女性以外、だれも行動を起こしません。
バレーボールでいうお見合いに近い状態。
さすがにこのままではラチが開かない、と僕は行動を開始しました。
自分の荷物を網棚からおろして背負い、倒れた女性に近づきました。
相変わらず介護している女性は倒れている女性に「大丈夫ですか」と問いかけています。
僕が行動を起こした背景を一応補足しておきます。
僕は医者ではありません。
しかし日米2か国の救急救命講習を受講しています。
一応、わずかながらの知識と経験、そして救急救命の思想を知っています。
救急救命講習を受けても、当然、医療行為はできません。
ただ、本当に命にかかわる状況の時などに蘇生行動などはできます。
また致命的にならない工夫のようなものは分かっています。
状況を判断して正しい体位にするとか、安定したら安静体位を取らせるなど。
吐いた食べ物がのどに詰まらせないようにする、などのことです。
僕は倒れた女性の近くによって、女性の顔を見ました。
呼吸は比較的安定しており、顔色も真っ青ではなく、嘔吐物もありません。
言葉を発することはできないようですが、意識はそれなりにあります。
これらのことから、少なくとも緊急事態ではないと判断しました。
電車はまだ駅間を走っている状態です。
よって駅に下ろすことはできません。
やがて僕の後方からスーツを着た中年の男性が近づいてきました。
サポートの意思を持っているような雰囲気です。
それ以外の乗客は、傍観者状態でした。
知らない人に「指示する」というのは、通常の僕ではよほどのことがない限りありません。
しかしこのまま駅到着までぼんやりとするのもどうかと思い、以下の発言をしました。
「次の駅で降ろしましょう。(当たり前ですが)
(サポートに来た男性には)足の方を持ってください。
僕が上半身を抱えますので、プラットフォームに運びましょう。
(介護している女性には)倒れた女性のカバンをお願いします。」
両者は「分かりました」といい、実際、その通りに動いてくださいました。
倒れた女性をオトコ2人で駅の椅子に運びました。
降りたそばの椅子に、なるべく楽な姿勢として斜めに座らせる。
斜めになった上半身背中部分を僕が支えている。
すぐに駅にいる駅員さんが駆けつけてくれ、無事引き渡しが完了。
倒れた女性は駅員さんが持ってきた車いすでどこかに移動していきました。
その後の女性のことは分かりませんが、僕の視界内範囲では大事にはいたっていません。
ひとまず大事に至らなかったこと、良かったという安堵の気持ちでした。
身近に発生したことがないシミュレーション
僕には子どもがいます。
臨月から出産まで、比較的状況が良かったと思っています。
僕の奥様が臨月の時、倒れるなどの状況になったことはありません。
また破水も、僕がいる状況、我々2人が朝いつも通りの時間に起きたタイミングでした。
よって、救急車にお世話になるなどの状況にはなりませんでした。
別の話ですが、妊娠期間中に産婦人科医にたいてい言われることがあります。
「できるだけ散歩してください」
確かにその理由を医者に聞いたり様々な情報を調べると納得でした。
妊婦さんの体調が許せば、できればやったほうが良いと思っていました。
それとともに1つ気になったのが、散歩中に産気づいたら、ということ。
今の日本であれば、多分、周りのどなたかがサポートしてくれると予想します。
しかし、万が一、周りに人がいなかったら、などと想像していました。
結果は杞憂だった、ということですが、
もう一つは、僕が不在時に産気づいたら、ということ。
ただコレはあらかじめ「陣痛タクシー」を2社登録しておくことでリスクヘッジしていました。
「陣痛タクシー」とは、陣痛が始まったらあらかじめ決まった電話番号に連絡。
事前に行き先病院を登録しておくことで、道迷いもナシ。
タクシー会社側も状況が分かっているので、迅速な対応をしてくれる、というサービスです。
登録料は無料、社内を汚しても大丈夫(無料)。
最近は登録すると、無料でマタニティギフトを配布する会社もあります。
▼東京の代表的な陣痛タクシー取り扱い会社
タクシー会社名 | 提供地域 | 公式サイト |
日本交通 | 東京23区、三鷹市、武蔵野市 | 日本交通 |
kmグループ | 東京23区、三鷹市、武蔵野市 | kmグループ |
京王自動車 | 京王線・中央線・青梅線沿線、 町田市、都内の一部、 相模原市緑区・中央区(一部地域を除く) |
京王自動車 |
東京無線 | 都内23区・武蔵野市・三鷹市内 | 東京無線 |
荏原交通株式会社 | 品川区・目黒区・大田区・世田谷区 | 荏原交通株式会社 |
日の丸交通 | 東京23区・武蔵野市・三鷹市 | 日の丸交通 |
意味のない妄想なのですが、倒れている女性が妊婦さんだったら。
しかも周りにだれもいなくて、自分ひとりの状況だったら。
結論は一つで妊婦さんが産気づいた場合、救急車を呼ぶしかないと思っています。
一応ですが、僕が受けた救急救命講習に、出産サポートという項目はありません。
救急車が来るまで、妊婦さんが望む安静体位で待つしかないと思っています。
仮に救急車の到着が遅くなった場合、出産サポートもあり得るのかなぁとも一応考えています。
というのも、過去の同僚の話で実際、緊急時があったということを身近に起こったのを知っているからです。
車の中で出産
その妊婦さんは2人目の子どもをおなかに宿していました。
旦那さんは日中は会社、近くに旦那さんのご両親が住んでいたそうです。
旦那さん不在の日中、妊婦さんが産気づいて、以前からの取り決め通り旦那様のご両親に妊婦さん自身が電話。
ご両親がご両親の車でかけつけて、病院につれていくという手はず、実際その通り動きました。
結果「病院に着く前に、ご両親の車の中で出産し終えた」というお話。
どれくらい出産に影響したかは不明ですが、車がエスティマという大型ミニバン。
病院についてスライドドアを看護師さんが開けたときにはすでに赤ちゃんは出てきていたそうです。
母子ともに無事だったので今では笑える話ですが、実際は修羅場なのかと想像しました。
それとともにやはり女性は偉大だなぁ、と感じたお話です。
さいごに
僕は生涯5回、人が倒れるという状況に遭遇しています。
それが多いのかよくわかりません。
倒れたのは女性が4人、男性が1人。
女性の方が倒れやすいのか、正確なデータがないのでわかりません。
ただ個人的経験からすると、最初に介助に入るのは女性が圧倒的です。
実際に自分がサポートしたのはそのうち3回。
これは多分割合としては多いのでしょう。
3回とも僕の認識では、幸運にも致命的な状況にはなっていません。
そうした場面に遭遇するたびに思うのですが、駅だとこちらも安心できるということ。
これが普通の道で、サポートできる人が自分一人だった大変かつ不安だと想像しています。
そうした場面に遭遇するたびに思うのですが、駅だとこちらも安心できるということ。
周りに人が不在で自分一人だったら、大変かつ不安だと想像しています。
介助に入るのが女性が多かった、という個人的経験を上に書きました。
わずかな経験なのでそれで全体を指しているとは思いません。
それでも女性はやはり社会性が高いのかなぁ、と思っています。
男性目線でいうと、本質論ではないですが女性に触って訴えられたり、ということは心底納得しています。
世知辛い時代です。
が、本当に緊急時だったどきは、そんなことは言っていられません。
AEDを使うのをためらって命を落とすというのはナンセンス、救急救命講習を受ける人は全員知っています。
消防署の救急救命講習は千円ちょっと費用がかかりますが、1度は受けておくと良いと思っています。
ご自身の自信にもなりますし、ご家族やお子さんに何かあったとき、救急度が高いほど意味を持ちます。
こういうのを公費助成で全員無料、そしてできる限り受講者が受けやすい環境を公的機関が作る。
そうするともう少し傍観者が減るのかなぁ、と思っています。
ではでは
◆今回のまとめ◆
救急救命講習はたまに役に立つ
産気づくタイミングは不確定
女性は偉大