父親の育児参加による「お父さん効果」の好影響と注意点

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育児・子供観察

父親の育児参加が、子どもに良い影響を与える可能性があるという「お父さん効果(The Father Effect)」。
たとえば、父親から絵本を読み聞かされて育った子どもは、言語表現が豊かになるというもの。
それ以外にも、子どもの将来の収入が高いなどさまざまなメリットが言われています。
それでも僕は単純にメリットだけではなく、気を付ける点もあると考えます。

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お父さん効果とは

僕が最近知った言葉に「お父さん効果(The Father Effect)」があります。
この言葉は以下記載の英オックスフォード大学の研究チームによって作られました。

▼ニューカッスル大学(イギリス)
1958年に生まれた男女11,000名を対象
成長期に父親と多くの時間を過ごした子供は、そうではない子供に比べてIQが高い
父親が子供によく本を読む、一緒に旅行など行った子どもは、社会的地位が高くなる傾向がある

▼ノースカロライナ大学(アマリカ)
2歳児を持つ共働き夫婦を対象にした調査
父親が積極的に子どもに関わった家庭の子はそうでない家庭の子より、3歳時点での言語能力が飛躍的に発達している

▼国立児童発達研究所(イギリス)
7歳・11歳・16歳の児童17,000名を対象にした調査データを、英オックスフォード大学の研究チームが分析
成長期に父親とよく交流する子供は以下の特徴があった
・非行に走らず学業成績が優秀
・人間関係が良好
・新しいことへの挑戦心、達成意欲が高い
・自身の能力を発揮する職業につく
・結婚して幸せな家庭を築く

▼カルデラ博士(アメリカの発達心理学者)
パパ育児を受けた幼児を調査した結果、以下の特徴がみられた
・癇癪をおこしにくい
・お願いごとを聞いてくれる
・人見知りが無く、他者と打ち解けやすい
・我慢強いなどの特徴が見られた

お父さん効果が高い、という証拠(原文)を探したのですが、見つけられず。
証拠不明という前提でのお話ですが、上述メリットと僕が思いつくものも含めると以下。

・理解力が高く成績が良い
・論理的にものを考える経験ができる(父親の左脳優位)
・言語能力が発達する
・社会性が向上、人間環境が良好
・好奇心が強い
・遊びが活発化するので肉体に良い
・将来、才能を生かせる仕事に従事しやすい
・就業時の収入が高い
・子どもが大人になってから結婚生活が良好
・幼少期にママ以外の考えや動きに接することができる
・ママへの負担軽減
・パパの父親としての自覚が増える

ただ、考えてみると分かりますが、メリットが多いことはたいていの人がうなずけると思います。
母親限定の環境よりも、父親という違う視点や経験が増える、それはたいていの場合、子どもにとってプラスです。

もう一歩踏み込んで思うのは、父親参加型のファミリーであれば、形はどうあれ父親は子どもに肯定的でしょう。
その結果、子どもの自己肯定感(自尊心・自己評価が高い)が高まる。
それが良い影響・結果につながる可能性が高いというのは、僕は首肯できます。

言語能力が発達するという部分については、読み聞かせの話が良く出てきます。
いつも一緒で安心して聞くことができる母親の読み聞かせとは違う、接触時間の少ない父親の新鮮さがあるとのこと。
新鮮であるがゆえ、子どもの集中力が高まり、また母親とは違う父親視点で対話もできる。
証拠がないので話半分ですが「父親の読み聞かせは母親の3倍の効果」という話もあります。

また、パパが育児参加する副次効果として、パパの時間管理も挙げられます。
育児参加をする、それは一定の時間を捻出しなくてはいけない。
仕事の進め方や、自分の余暇時間管理など、父親にとって考える良いきっかけになります。
実際、僕も特に子どもが手のかかる幼少期は、そうとう時間のやりくりを工夫しました。
「育児は育自」という言葉、今は納得です。

いいことづくめのようなので、お父さん効果のデメリットを考えてみました。
子どもにとっては、大きな軸がママだけでなくパパもいるので、ぶれて不安になる。
ですがコレは小さいうちから多様性に触れられる環境であり、基本はメリットでしょう。

次にママにとってイライラのネタが増える、ということが頭に浮かびました。
コレは実際かなりありそうですが、夫婦でうまく調整がポイントのような気もします。

年収が高いパパは教育熱心

たいていの事象に言えますが、行き過ぎというのは歪を生みやすいもの。
父親が子どもへ「依存」するくらい、入り込みすぎるのは考えものだと僕は思っています。
その最たる例として「教育パパ」的な状態があります。
以下に2つのデータがあります。


出典:2016年 親子の関係についての意識と実態(明治安田生活福祉研究所)

1つ目は「親の世帯年収と子どもの進学への関わり」。
世帯年収が高くなるほど、父親・母親ともに教育に関与する割合が増えていることが分かります。

中でも、父親側で1,000万円以上世帯の積極的関与率が24.9%。
800~1,000万円世帯の17.8%から、おおきく上昇しています。
世帯年収の高い家の父親(母親も)は子どもへの進学関与へ積極的のようです。


出典:2016年 親子の関係についての意識と実態(明治安田生活福祉研究所)

2つ目は「親が子どもに希望する最終学歴」。
コレも総論は父親・母親ともに、大卒以上は、子どもにも高学歴を望んでいます。

では年収が高い父親を養護をしてみます。
父親の年収が高いということは、現代の資本主義社会のルールに適合度合が高い。
その自分で切り開いてきたルールと、今の社会情勢を考えると教育は重要と考える。
それを子どもに伝えたいという親心。

僕も親なので気持ちは分かりますし、自分もこの思想を持っている自覚があります。
ただ気を付けたいと思っているのが、子どものためという仮面をかぶって、父親(自分)の考えの押し付け。
押しつけは子どもの自立から考えると、良い結果になるとは思っていないためです。
どうすれば「良い生活・良い人生」などかは、子どもが考えること。

悩ましいのは、白紙の状態であればあるほど、最初は押しつけ要素も必要という部分。
将来の楽しい仕事は、一定は学ばないとたどり着きにくいと考えています。

僕は学歴不要とは思っておらず、できるなら以下の理由から学歴はあった方が良いという考えです。
・高学歴であるということは何らかの競争を勝ち抜いている
・自分なりのやりかたや一定以上の努力、能力を持っている人たちが大半
・学歴は結果論的でもあり基本的な素養(リベラルアーツのようなもの)が備わっている人が多い
・頭の良い人が近くにいると自分も考える能力が幅が広がって楽しい

さいごに

父親の育児参加が、子どもに好影響の可能性、というのは総論として賛成です。
ただそれ以前に考えることは、個別である子どもの個性や環境要因。
どれくらい子どもと関わるのが良いのか、1つだけの正解がないことは真理です。
日々悩みつつ、時には苦しみながら、できるだけ子育てを楽しむ。
子ども側は全力で楽しむことを求めてきます。

自分の子どもをみていてわかりますが、父親には父親の遊びを求めているということ。
この遊びは母親、この遊びは父親、という使い分けを、うちの子はしています。
たとえば僕は「追いかけっこ」、僕の奥様は「読み聞かせ」。
たまに図書館に僕と行って僕が「読み聞かせ担当」など、役割も変わる。

「両方(母親と父親)と一緒に遊びに行くーーー!」と駄々をこねるときもあります。
家事や雑事もたんまり残っているんだけどね、と一定年齢までの嬉しい悩みです。