好きな教科も嫌いな教科も役に立ちそうな強化も数学だが

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育児・子供観察

小学生と高校生が好きな科目と嫌いな科目の1位は、算数/数学です。
また、小学生が将来役に立つと思う科目は算数、高校生は外国語で、両者はどれだけ社会を知っているかの違いだと感じます。
そんな中、国語は好きな科目としても有用科目としても上位に位置していますが、1位ではありません。
社会で最も大事な教科は、一もニもなく国語です。

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小学生の好きな科目も嫌いな科目も1位は算数

2022年9月、小学生の各学年男女100名ずつの合計1,200名に、好きな教科と嫌いな教科に関する回答が以下です。

小学生 好きな教科 2022年
出典:小学生白書(学研)

全体では、1位「算数」、2位「体育」、3位「図画工作」。
1位の「算数」について男子は30.3%が好きですが、女子は14.7%と女子の中では好きな科目3位。
女子の1位は「国語」の18.7%で、2位は「図画工作」の16.0%。
「国語」は男子の中では4位と、Top3には入っていません。

小学生 嫌いな教科 2022年
出典:小学生白書(学研)

嫌いな科目の全体の1位は「算数」と、好きな科目でも1位の「算数」が嫌いな科目のトップです。
「算数」は、1つ1つ積み上げていく科目で、どこかでパーツを習得し忘れると、その先に進めなくなります。
苦手意識を持ってしまって後回しにすると、取り返すのにエネルギーが必要な科目です。

嫌いな科目全体の2位は「国語」ですが、男女比較を見てみると男子が圧倒的に多い。
因果ではなくこのデータだけで見ると、男子は理系・女子は文系と言えてしまいます。

高校生も小学生と同様1位は数学

2021年8月、高校生の男女各学年100名ずつの合計600名に、好きな教科と嫌いな教科に関する回答が以下です。

高校生 好きな教科 2021年
出典:高校生白書(学研)

高校生全体で好きな科目1位は「数学」と、小学校1位の「算数」が高校生になっても続いています。
数学の解答にたどり着いたときの達成感、ときに世界の深淵の一端に触れたような全能感、数学が好きな子は大好きです。
全体第2位は「地理歴史」、ただし、男子16.3%、女子8.0%とダブルスコアで男子が好きな科目です。
女子1位は「数学」14.3%、2位は「外国語」です。

高校生 嫌いな教科 2021年
出典:高校生白書(学研)

全体の嫌いな科目1位は「数学」と、これも小学生の時と同じく、好きも嫌いも1位が「数学/算数」。
微分積分と聞いて遠い目をする人は、大人になってもよく見かけます。
高校生全体の嫌いな科目の2位は「外国語」で、やはり習得に時間がかかりどこかで躓いたのかと感じる科目です。

将来役に立つ科目は小学生は算数、高校生は外国語

上記の小学校・高校の同じ情報元に、将来役に立つ科目についてアンケート結果がありました。

小学生 将来役に立つと思う教科 2022年
出典:小学生白書(学研)

小学生が答えた将来役に立つ教科の1位は「算数」2位「国語」3位「外国語」4位「総合的な学習」。
正直、小学生時代の将来展望は、実社会をベースにしているとは思えず、テレビやネットなどフワッとした情報から回答していると推測できます。

現代らしさと言えるのは3位の「外国語」です。
昭和時代には「外国語」はいまほど身近ではなく、令和時代では小学校から英語授業があります。

男女差を見てみると、その差はほとんどありません。
わずかに全体1位の「算数」は男子が高く女子が低いくらいで、あとはほぼ同値。

高校生 将来役に立つと思う教科 2021年
出典:高校生白書(学研)

小学生に比べ、社会人年齢に近くなった高校生の将来役に立つと思う教科が上記です。
全体1位が「外国語」、2位が「国語」、3位が「数学」、4位が「家庭」、5位が「情報」。

外国語が話せれば役に立つと思う高校生が多いのは、ボーダーレスが当たり前と思っている世代からなのか。
他にも、海外の大学の授業が無料で見られる時代で、そこで使われている言語は英語が多いことからも、英語が身近に感じる要因かもしれません。

4位の「家庭」が将来役に立つと考える理由は思いつかず、料理ができる人は生活が安定するというロジックなのか。
5位の「情報」は、ITエンジニアあたりを想像しているのは理解できます。

読み手にやさしい美しい文章が大きな武器になる

ここ数年、僕の身近にいる管理職のうちの数人から、以下のようなボヤキを異口同音に聞きました。
「配下のメンバーがだれかとやり取りする時、何を言っているか相手に伝わっていないことが多い。
そのやり取り文章を読み返してみると、こちら側の伝える点が抜けている。
どうやって直していくか、頭が痛い。」

それを指導するのが管理職の仕事と言う人もいるのかもしれません。
ただ、20歳を過ぎの社会人が「人に物事を伝えられない」なら、それは上司の仕事なのか。

それでも、僕は「上司は選べない」と同じく「部下は選べない」と考えています。
面接で選べると思っているならそれはおごりで、短時間でその人の大半を把握はできません。
自分のチーム内に相手にものを伝えるのが苦手な人がいるなら、根気よくつきあうしかない。

話が分かりにくい人に「それで相手に伝わるの」と皮肉を言っても、何も解決はしません。
本人は何が悪いのか、そもそも分かっていない可能性もあります。

管理職側にできることは、忍耐を強いる親身なサポーターになる。
どこが伝わっていないのか、本人が作った文章を一緒に読んで確認する。
どの視点が落ちているのか、どうしたら次回からそうならないか。

人に伝わらない理由を紐解いていくと、間違いなくあるのが、伝え手の独りよがりです。
受け手がキャッチできていない情報をベースに、勝手に話を進めている。
あとは、どちらともとれたり、何を言っているのか分からない抽象的な表現。
本質ではありませんが、読みにくいもあります。

一文一義から一文二義くらいにし、読み手の負荷を下げる。
冒頭に結論を持ってくるや、箇条書きも有効に使う。
9割以上の人が読み違えない文章が、現実的な目標点です。

仕事をしていくうえで絶対的に必要になる、人にものを伝える。
一般的に日本人相手ならそれは国語に当たり、英語を使う環境なら英語です。

その意思疎通の手段が国語であるなら、好き嫌いは別として、一定レベルは前提条件です。
これは、STEM教育やリベラルアーツ以前のお話です。

以前もこのブログで書きましたが、僕は国語力が最重要で、他の教科はその次と考えています。
英語は間違いなくできたら良いと思いますが、あれもこれもやってどっちつかずになるくらいなら、最初は国語に全振りで良い。

最近は「文章を読めない大人が増えている」話もありますが、相手に物事を伝えるのに国語で考えるのが第一歩。
受け手側の立場のときは、相手が何を言っているのか理解し、反応する言葉を厳選する。
言葉の機微や、行間を読むところまで考えるなら、国語が決して簡単ではないことが分かります。

国語も漢字練習のように、息の詰まる反復は必要な教科なので、できれば楽しいと思える方法も取り入れる。
幼児期の絵本読み聞かせして、子どもが本好きになったなら、とてつもない未来資産になります。
読書が好きな子は、日本語のストックが増え自然に表現が豊かになり、他者コミュニケーションの疑似体験(トレーニング)もできます。

「聞く」「話す」「読む」「書く」を並べただけでも、国語の必要性が思い浮かびます。
薄っぺらい物言いで「コミュニケーションが大事」と言われる時代ですが、そのコミュニケーションの最初の一歩が国語です。

さいごに

日本で普通に暮らしている日本人が、外国人に対し日本語を教えられるか(日本語教師として役に立つか)。
体系的に日本語を教える訓練を受けていない人は、その職務を全うできない話があります。
僕は、日本語の難しさを日々感じており、これはそうだろうな、と同意します。

自分が日本語を使えていると思うのも甘い考えで、人に教えられるのは思った以上に日本語を分解して理解していないと難しい。
「知っている」と「できる」の差でもあり、「知っている」と言えるのかのお話です。
日本で日常生活していくうえで問題ないレベルの日本語と、日本語を人に教えるの間には、グランドキャニオンクラスの断崖が存在します。