子どもの一人会話「プライベートスピーチ」は学習能力・問題解決能力が向上

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育児・子供観察

子どもが自分の頭の中で架空の友達をつくる「イマジナリーフレンド」。
僕はその経験がないのですが、研究結果では半数弱の子どもが、その存在がいるとのこと。
この「イマジナリーフレンド」と会話は「プライベートスピーチ」と呼ばれ、これには学習能力・問題解決能力が向上するという結果が出ています。

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「空想の友達」イマジナリーフレンドとは、学習能力・問題解決能力が向上

イマジナリーフレンド(Imaginary friend)とは、自分が頭の中で作り出した「空想(架空)の友人」のこと。
別名イマジナリーコンパニオン。
本人以外はその存在を認知できませんが、本人が頭の中で作り出した仮想の人物や動物のことです。

映画のモチーフとしても取り上げられることがあるものです。

 

主に幼児期にみられる現象で、年齢としては3歳から7歳がピーク。
子どもは自分で作り出したイマジナリーフレンドと、会話(プライベートスピーチ)したり遊んだりします。どんな空想なのかの一例が以下です。

・茶色の巻き毛の目に見えない少年
・黄色いおばあちゃん
・トイレに住んでいるいたずら好きな少年
・小さい目に見えないリス
・古くて常にすべてを知っている人格化されたクマ(テディベア)
・速く走ることができる猟犬

出典:Individual differences in children’s private speech: The role of imaginary companions(Journal of Experimental Child Psychology)

子どもが定期的に一人でブツブツ何かを言っている。
またはオモチャで遊んでいる時、1人なのにだれかと会話しながら遊んででいる。
一見、よくみかける「一人ままごと」ですが、一人で行うプライベートスピーチは、以下の強味と相関があるとされています。

子どものプライベートスピーチの頻度と問題解決能力には相関関係があることが明らかになっています。
・計画立案
・パズル解決
・認知能力
・認知した課題の解決能力
・記憶能力
・会話能力
おおきくまとめると、学習能力・問題解決能力が向上するということ

出典:Individual differences in children’s private speech: The role of imaginary companions(Journal of Experimental Child Psychology)

イマジナリーフレンドを持つ子どもの割合は半分弱

本当にそんな存在がいるのか、ご自身でこうした経験がないと疑ってしまいます。
それに対し、ダラム大学のPaige E. Davis博士、Charles Fernyhough博士、ヨーク大学のElizabeth Meins博士の共同チームによって調査が行われました。

調査対象は平均5.1歳の148人(73人の女の子、75人の男の子)。
この結果、148人のうち68人(46%)は想像上の仲間がいたと述べ、そのうちの34人(50%)は母親によって裏付けられたとのこと。
約半数弱の子どもに、イマジナリーフレンドがいるという結果になりました。

イマジナリーフレンドが他者(かどうか僕には判断ができませんが)であれば、客観的な視点が自分の中で養われそうです。AとBという登場人物(動物?)の役割、セリフを自分が考えて自分で進める、文章力や物語作成能力にも影響しそうです。

物語作成能力は、この先、社会において重要度がいま以上に高くなると思っています。
自分の中で他人にも納得してもらえる、できれば楽しんでもらえるコンテンツを生み出す。
それは孤独の時間のうちに、どれだけ正しく考えて行動してきたかも影響すると思っています。

子どもが一人で遊んでいる姿を見て、親は心配になることあります。
「自閉症なのではないか」「友達と外で遊んでほしい」。
ですが、上記の通り一人遊びがすべて悪いのではなく、それは将来的には優位に働くこともあるというお話です。

振り返って、わが家の子どもが一人でオモチャで遊んでいる時、ブツブツ言っている。
僕はイマジナリーフレンドがいるか観察した時期がありました。

イマジナリーフレンドがいるかどうかはどちらでも良い

ある時、わが家の子どもが一人でブロック遊びをしているのを、すこし離れてみていました。
多分、ほぼすべての子どもがやっていることだと思います。

「わたしはこちらから行くよ」と言ってブロックAを動かす。
「じゃあ僕はこっちの道を使うよ」と言ってブロックBを動かす。

イマジナリーフレンドの知識をいまは知っているので、その存在がいそうか子どもを観察していました。
ですが、それっぽいしぐさは、僕には見つけられませんでした。
だれかに向かって話している、どこか一方向に何度も顔を向けるようなそぶりがありません。
遊ぶ時以外、たとえばトイレや寝室でも、目に見えないだれかに話しかけていることもありませんでした。
よって、多分、わが家の子どもはイマジナリーフレンドはいないだろうと思っていました。

わが家の子どもにイマジナリーフレンドがいなかったとして、僕は落胆はしていません。
自分でどうにかできるものでもないものに、一喜一憂してもしょうがない。
子どもが楽しそうに遊んでいる、それだけで十分です。

さいごに

僕自身、子どもの頃を思い出してみると「イマジナリーフレンド」はいませんでした。
忘れている可能性もありますが、上記の調査対象者の平均年齢が5.1歳と考えると、多分、記憶はそれなりにあります。
それを踏まえても、僕には「架空の友達」はいなかったと思っています。

僕がその存在を認知できなく、子どもを持ってからそんなものがあるのだ、と知りました。
その後、わずかな人数ですが身の回りの大人に、子どもの頃、「イマジナリーフレンド」がいたか質問しました。
結果、「いた」と答えた人はゼロでした。これは上記研究結果の46%とは大きく離れています。

子どもの頃、いたかもしれないがその存在を忘れたのか、と考えることもできますが、平均年齢が5.1からは無理筋。多分、実際に存在していた人でも、大人になって答える段になって「言いにくい」というのが強いと予想できます。
「そんなお化けみたいなのいるわけないじゃん」というようなことを、成長段階のどこかでだれかに言われて、Yesと言えなくなった人もいるのではないでしょうか。

「幽霊」や「UFO」の存在を信じるか、という言葉があります。
僕の回答は「見たことがなく、頭の中で存在を組み立てられないので、答えられません」です。

ただ、大人が考える「幽霊」「UFO」と、子どもの「イマジナリーフレンド」は別だと思っています。
子どもに「イマジナリーフレンド」的な友達がいたとしたらそれは幸せなのでは、という僕の中の例外です。