家族旅行の情景

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育児・子供観察

旅行需要は、コロナ過でいったん減少しましたが、2022年は2019年比で94%まで回復しています。
2022年時点では、まだコロナが収束しておらず、旅行に行く人は行き、自宅近辺で過ごす人もいる状況です。
子どもをつれて家族旅行する意味として、最上位に出てくる思い出作り。
何が思い出になるかはわかりませんが、非日常は家族の歴史の1ページになる可能性が高い体験です。

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夏休みの旅行 2022年は2019年比94%

JTBの情報では、2022年の夏休みの旅行は2019年と近い数字まで回復しています。

夏休みに1泊以上の旅行
出典:2022年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向(JTB)

コロナが世界拡散したのが2020年春。
2019年は、コロナ前の通常の夏シーズンでした。

その2019年と比べ、2022年は93.6%まで旅行に行く人が回復しています。
海外旅行+国内旅行の数字なので、内訳をみると違いはあります。

海外旅行は、2019年は294万人、2022年は50万人。
国内旅行は、2019年は7,240万人、2022年は7,000万人。
海外旅行人数が約1/6に減少しています。
ただ、海外旅行者減少の原因はコロナだけではなく、外国と日本の物価の違いや円安など、海外旅行が高価な時代になったニュースは最近よく見聞きします。

夏休みシーズンの予定
出典:予算「増やす」約3割 ~今年の夏休みは‘らしさ回復’の兆し!(株式会社インテージ)

夏休みシーズンの予定についての情報が上記です。
1位が「自宅で過ごす」の38.6%。
コロナが要因なのか不明ですが、安全意識や他者配慮を考え自宅近辺で夏休みを過ごす人たちは身の回りでも思い当たります。

このアンケートでは4位「国内旅行」、5位「自分の実家帰省」です。
前年比較データがないのですが、コロナ蔓延以前に比べ、長距離移動が減っていると思われます。

ポジティブ結果アンケートでは夏休みの満足度は半数強

親向けアンケート結果で、夏休み何族度について、ポジティブ回答の情報が以下です。
2020年の結果なので、コロナ拡散後の初めての夏の情報です。

夏休み期間中のお子様との過ごし方に満足しているか
出典:今年の子どもの夏休み(ALBUS(アルバス))

「満足」と「やや満足」を足すと50.7%。
「不満」と「やや不満」を足すと27.0%。
ダブルスコアに近い、満足度です。

夏休み 子どもとチャレンジしたこと(2020)
出典:今年の子どもの夏休み(ALBUS(アルバス))

同じ情報元の、夏休みに子どもと何をしたのか。
結果は、自宅近辺でできるものが大半です。

2位の「お菓子・スイーツづくり」も、コロナ過以降で良く聞くお話。
親のリフレッシュも含め、料理をするお家では、開催回数が増加したと予想できます。

夏休み 子どもと思い出つくりができたか(2020)
出典:今年の子どもの夏休み(ALBUS(アルバス))

最後に「夏休みに子どもと思い出つくりができたか」の結果です。

「できた」と「ややできた」を足すと56.0%。
「できなかった」と「ややできなかった」を足すと32.0%。

半数強がうまく思い出つくりし、約1/3が思い残しがある。
どちらも2つ上のグラフの「満足度」に比べ少しずつ高い数字になっています。

ネガティブ結果アンケートでは夏休みの満足度は不満が7割

こちらは1つ上の段落とは違うアンケート結果です。
アンケート実施年も違い、こちらのアンケートは2021年、1つ上の段落は2020年です。

お子様との夏休みの過ごし方に満足していますか?
出典:子育て世帯における夏休みの意識・実態調査(popIn株式会社)

「満足」と「やや満足」を足すと28.3%。
「不満」と「やや不満」を足すと71.8%。
その差は倍以上です。

夏休みの旅行で不満の理由は?
出典:子育て世帯における夏休みの意識・実態調査(popIn株式会社)

不満理由の1位が「行きたい場所にいけない」。
2021年は特に、社会全体に外出抑制圧力が高かった年で、旅行を含むと遠出を控えた人が多かった時期。
2位「やりたいことができない」、3位「自宅で過ごし方に不満足」とコロナ疲れか、うっぷんが溜まっています。

夏休み中にお子様と行きたくても行けなかった場所はどこですか
出典:子育て世帯における夏休みの意識・実態調査(popIn株式会社)

最後に、夏休みに子どもと行けなかった場所です。
1位が「観光地へ旅行」の66.4%で、この文章の一番上のグラフ、JTBの夏休みの旅行人数とシンクロしており、2021年は特に旅行控えが発生した年です。

この段落は、ネガティブ意見が多いアンケート結果情報でしたが、まとめると2021年はフラストレーションの年と言えます。

何が情景になるのかは分からない

夏休みに家族旅行をどのくらいのご家族が、行っているか分かりません。
実家帰省は家族旅行に含めるのかなど、あいまいな部分もあります。

僕は子どもの頃、祖父母宅を訪問する以外、家族旅行がほぼない家庭で育ちました。
父親の仕事の都合がその理由で、親族の結婚式でどこかに行くなどを除けば、旅行が目的の移動回数は片手に納まる程度です。

家族旅行が少なかったから不幸と思っているか、と言えばそんなことはなく。
数少ない家族旅行で、楽しい印象が残っていないこともありますが、家族旅行にあこがれはありませんでした。

僕の高校生くらいまでの記憶をたどってみると、旅先自体の楽しさほぼ感じられない子どもでした。
修学旅行は楽しかったのですが、それは仲の良いクラスメートと、非日常にいられる環境がその理由です。

京都の寺社仏閣巡りは大人にワクワク感があっても、精神的に子どもだと「じじくさく」感じる。
東大寺の大仏が「でっけー」以外の感情を持てず、公園の鹿を追い回すのに夢中。
大人目線では「何のためにここまで来たのか」ですが、思い出としては残っています。

家族旅行の目的としてアンケートで最上位に必ず来る「(楽しい)思い出作り」。
アンケート回答しているのが大人なので、大人目線の「思い出」だと、いまは分かります。

翻って、いま、子どもと旅行する目的を考えてみると。
子どもに楽しい経験、非日常を味わってほしいともくろんでいる親としての自分がいます。
文字にしてあらためて認識できますが、これは親側のエゴ・自己満足でしかなく、子どもの記憶に残るかは別。

親が一生懸命、大人向けの観光地に連れて行っても、観光地の楽しさは子どもには味わえない可能性が高い。
かと言って、子どもの楽しみを優先して、子どもが行きたい場所のみを目的地にするのも微妙。
子どもの嗜好、親のエゴをうまくミックスしたあたりが、家族旅行の行先バランスポイントです。

僕は、旅行自体に意味があると思っています。
旅行は、目的地はもちろん、その道程も含め非日常になります。
いつもと違う景色、行動の結果、楽しいか辛いかは別として記憶に残るものは残る。
それは、目的地でのインパクトが強い経験なのか、移動途中などの日常の取るに足らない一コマなのか、どれが思い出になるかは本人にも分かりません。

後で振り返った時、明度高く浮かび上がる情景が思い出であり、家族の歴史の1ページです。

さいごに

毎年実家に帰省するような経験がある人は、実家以外の何かが思い出として残る話をたまに聞きます。

実家へ行くマイカーの中で食べる、母親が作ったおにぎり。
中間地点で必ず立ち寄るレストラン。
さびれた観光地で食べるソフトクリーム。

他人がその話を聞いても「そうなんだ」だけですが、一緒に行動した家族にはしみじみと伝わります。