子どもの夏休みのスケジュールが過密。
現代の子どもの習い事平均数から考えると当然の結果ですが、実際に調整するとその余白のなさが実感できます。
スマートな人が増えた時代、自分のタイムマネージメントを普通にこなしつつ、子どもの予定調整もその延長線上にあります。
漏れなく遅滞なく采配して、子どもの夏休みの時間を有意義にしたい、今の時代の夏休みの風物詩です。
仕事でプロジェクトを回す経験
仕事でプロジェクトをリードする経験がある人は、スケジュール管理のノウハウを持っています。
OJTで先輩のやり方を見様見まねで体得する、何冊かの本を読む、他に短期講習などもありますが、スケジュール管理ができなくてはプロジェクトは回りません。
目的はプロジェクトを無事、ゴールに導く。
たくさんのかかわる人たちに、タスクを細分化して期限内に納めてもらうために、あの手この手でオンスケを目指す。
慣れてくると、見積力(このくらいの期間で、このくらいのアウトプットがある)の精度が高まり、無茶なスケジュールにならないようになります。
この辺り、筋が良い人はサブマネージャーを何回か経験するだけで身に着けられますが、大半は痛い思いをして、自分の血肉化していくもの。
何度か冷や汗をかいたり、頭を下げたりして、ぼちぼち一人前になっていきます。
家庭料理も、僕はプロジェクトマネージメントの一種と考えています。
今日の夜ご飯は、何人分を、何時に、何皿つくるか。
冷蔵庫にある材料(ありもの)で作るか、スーパーに買い出しに行くか、その時間があるか。
子どもが返ってくる時間が何時なので、料理できる時間はこのくらい、その時間内でできる献立を考える。
ママ友との雑談が思いのほか長引き、当初と想定していた調理時間が取れない突発事項に、どうアウトプットを修正するか。
家庭料理をバカにする人は、イロイロな意味でわかっていません。
作り上げた料理を、子どもが「これ、嫌い」と不用意発言して、雷が落ちるのは必然。
食べ物を粗末にする行為をいさめるのが本質ですが、作った人の感情が爆発したとしても、子どもへの教育としては良い気がします。
プロジェクトマネージャーならずとも、大人になるとスケジュール調整・時間配分は、当たり前に求められます。
そして、子どもがいるご家庭の夏休みのスケジュールマッピングは、一大プロジェクトです。
子ども達の夏休み予定のパズル
「4~6歳の半数が2つ以上の習い事」という文章を、少し前に書きました。
https://rutenzanmai.com/child-care/multiple-lessons/
仮に4歳と6歳の子どもの親だとして、2人が2つずつ習い事しているご家庭で考えてみます。
年齢からは年少と年長の兄弟の、夏休みに子ども達がかかわるスケジュールを上げてみます。
・上の子の1つ目の習い事(週1回)
・上の子の2つ目の習い事(週1回)
・下の子の1つ目の習い事(週1回)
・下の子の2つ目の習い事(週1回)
・保育園/幼稚園の登園日
・友達との約束(上の子、下の子)
・実家帰省(コロナ過なのですが一応)
・家族旅行(これはコロナ過で2021年はナシかもしれません)
それ以外に、夏季だけしかやっていない塾やイベント、上の子のランドセル購入や学習机探しなどネタはある。
考える順番は、重要性の高い順に、夏休みの40日間枠に当てはめていきます。
パソコンでやるなら、Googleカレンダーやexcel。
紙なら、大きめのカレンダーにそれぞれのイベントを書いた付箋を貼り付けていく。
大きく分けて午前と午後で、1日2つイベントが入れられますが、詰め込み過ぎも心配になる。
少し余裕をみて、1日入れるイベントをなるべく1個にすると、40日間のうちほぼ全日が予定で埋まります。
「夏休みのスケジューリングは、ちょっとしたパズルよ」という言葉は、いまは子持ち家庭の標準です。
スケジュール管理能力の必要性
スケジュールパズルは、突発事象や不確定要素も織り込んで、サクッとやってしまうのが、いまの時代に沿ったスマートな人たち。
タスク管理は、目に付きやすい場所のカレンダーに書いたり、スマホで管理したり。
デジタル機器のリマインド機能を活用して、複雑パズルの破城回避を目指します。
子どもを持って、スケジュール管理能力が低いと厳しいですが、苦手な人はどうするのか。
大人が自分のミスで目的イベントに参加できないのはしょうがないとしても、子どものイベントだったら後悔も大きくなる。
回避策を考えてみても難しく、当人ではなく外野、たとえば主催者側に余裕があれば良いですが、保育園や幼稚園の現状から考えるとそれは無理筋。
仲の良いママ友と、密に連絡を取るのは、一策かもしれません。
余談ですが、いまは園からの連絡の大半が、印刷物からメールになりました。
これが、わが家にとってはとてもメリットが多く、夫婦で1つ、共有メールアドレスがあり、それを夫婦両方が見られる環境にしています。
これは忘れ防止策として有効で、夫婦のどちらかが「あのイベントなんだけど」と日常会話で会話が始めり「そろそろ準備しとくか」、などにつながる。
コレも夫婦の会話のきっかけとして、地味に家族内結束力に影響しているような気もします。
失敗ウェルカム
とは言え、習い事やイベントがすべてを決めるわけではなく、いまは定型ではなく不定形が重要な時代。
不確かな状況では、土台固めが有効になります。
コミュニケーション能力であれば、日本語で自分の考えを相手に伝わる言葉で話す。
簡単なようで、なかなかに奥が深い課題です。
習い事を複数やることが良いのかは、子どもによるので答えはありません。
知り合いの子どもで、成熟度が早く、同年代の子どもに比べ運動も文字書きも、1番にできるような子がいます。
その子は、たくさんの習い事を自分から「やりたい」と言って、週に6つのイベントをこなしている。
成長がゆっくりな4歳~6歳の子に、週に6つの習い事は危うさを感じます。
友達との遊びで学べることも間違いなくあり、公園や自然で追いかけっこする経験は、持てるならあったほうが良い。
良い目標設定の1つとしてよく出てくる「実現不可能ではないが、背伸びしないと達成できない」レベルのもの。
いろいろな選択肢の中から、その子にあったギリギリ超えられるハードルを、親が見極めて設定する。
こう考えると、親側の適切な目標設定能力みたいなものも、求められているような。
夏休みの宿題は、子どもにとっては、プロジェクトマネージメントの良い経験になります。
最初はできないのが当たり前で、何が問題だったのか振り返り、どうしたらうまくいくのかを親が一緒に考え、次回に生かす。
失敗体験も成功体験も、どちらも重要ですが、子ども時代は特に失敗経験が多くてよく、成功経験はトライを繰り返せば自然とついてきます。
失敗はできていないことの見える化であり、成功は次へのモチベーション向上です。
さいごに
わが家で、僕の奥様と僕が夏休みスケジュールパズルを組んだとき、その埋まり具合を見て声をそろえたのが「いまの子は、何て忙しいんだろう」。
自分たちの子ども時代と比べているからそう思うのであって、子ども側は嬉々として習い事や友達との遊びを求めていて、それが普通。
ちなみに友達との遊ぶ日は、お互いの家庭のスケジュールパズルの掛け算なので、なかなか合いません。
それでも、子どもにとって仲の良い友達効果は大きく、友達がいると習い事でも楽しいのは、昔も今も変わらない光景です。