学習机市場は下り坂、良いものを買う必要性

スポンサーリンク
育児・子供観察

学習机市場は減少している。
少子化状況を考えるなら当たり前ですが、単価でみてもそれは変わらず。
2021年はコロナ過やウッドショックなど、社会情勢にも影響される業界。
そういう時にも流れを読んで目的達成できれば、子どもにとって良い経験になります。

スポンサーリンク

小学生は減り続けている

子ども向け家具の学習机、その購入タイミングは小学校時点が一番多いものです。
全体の流れを追うにあたり、まずは子どもの人数推移が以下です。


出典:学校基本調査(総務省統計局)

耳タコですが、順調に子どもの数は減っています。
1948年が1,077万人、最高値の1958年が1,349万人、2021年が622万人。
2021年は1958年に比べ46.1%と、半数以下になっています。

2つの山がベビーブームで、3つ目の山が来なかった日本。
この先、よほどインパクトのある政治介入がなければ、日本の人口減少は既定路線です。

学習机市場展望を考えるとき、2つ要素の1つが人数で、もう1つが単価。
学習机値段の推移が以下です。


出典:小売物価統計調査(総務省統計局)

2013年がボトムで、やや回復傾向にありますが、最高価格は2001年の\75,279。
2019年の単価は\58,399で、2001年比で\-16,880、22.4%のマイナスです。

需要(子どもの数)が減って、単価が上昇していない点から、学習机の未来展望は暗い。

学習机保有率は8割強

学習机の保有率情報が以下です。


出典:年齢別学習机の有無(いこーよ)

13歳で83%の子どもが、学習机を持っています。
この情報の年次推移があれば、過去に比べて83%が増えているのか減っているのか分かりますが、その情報が見つけられず。
昔から8割前後あたりなのでは、と僕は予想しています。

いつ学習机を購入するか。
子どもの年齢が上がるほど良い点としては、身体が一定の大きさになっている点と、嗜好がある程度反映できる点が上げられます。

仮に13歳で学習机を購入するなら、身長がそこそこの高さに成長していて、ある程度先も見越せる。
好き嫌いも明確に言える(面倒くさい)年齢で、小学校1年時にはヒーロー/ヒロインものが好きでその学習机を購入したが、小学校高学年で「新しいのが欲しい」と言う子がいるのは想像に難くありません。

僕の予想がはずれていたのは、学習机を購入するのは小学校入学前が最多だと思っていましたが、上のグラフで見るなら、小学校入学時(6歳)の学習机保有率は、37%と1/3強。
7歳時点で61%に上がるので、小学校1年生~2年生で、購入が進む商材です。

就学前はダイニングで勉強

小学校1年生時に学習机がなかったとして、ダイニングテーブルなどで勉強しているのか。
以下、どこで勉強しているかの情報です。


出典:お子さんの家庭学習はどこでおこなっていますか(小学館 HugKum)

このアンケートは、未就学児が対象のアンケートで、リビング・ダイニングが圧倒的で93%。
割合は違いますが、先ほどの学習机購入熱が高まるのが小学校1年~2年生の情報と、合致します。

出典:入学準備品の購入費の負担者(小学館)

上記は2011年のアンケート結果なので、少し古いデータですが、学習机をだれに買ってもらったかです。
子どもの両親が45.1%、祖父母が51.9%で、やや祖父母が上回っていますが近い数字。

ランドセルや子どもの節句(兜飾り五月人形やひな壇)をだれが買うのかにも通ずる、バランス調整のお話です。
両家の祖父母に公平にお願い(おねだり)する目的で、ランドセルは父方祖父母、学習机は母方祖父母という話は良く聞きます。

長く使う物であればなおさら背伸びする

仕事で使うツールにお金を出すのは、よく聞くお話。
ドライバー1本とってみても、日曜大工のものとプロユースのものは、値段に大きな差があります。
パソコンが主戦場のエンジニアやデザイナーも同じく、使うマシンのスペックは作業効率・成果物に大きな差を生みます。
お金をいただくお客様に、ご納得いただけるアプトプットのために、道具の性能・精度は重要な要素です。

用途が同じで金額が違う物を比較するとき、椅子や寝具など身体に影響があるものも良く出る話題です。
長時間接するもので疲れを貯めない、疲れをいやす、このあたりを重要視する視点は、スタンダードな時代になりました。

学習机の使用期間は、小学校1年生から高校3年生までとするなら12年。
かなりの時間を、子どもがそこで過ごすことになります。

素材が良い>素材が悪い
身体にフィットする>フィットしない
子どもが好き>親の趣味でデザインを選ぶ
設置場所との調和>学習机単体の好き嫌い
オンライン学習など先を見据えたもの>古いデザイン
値段が高いもの>安いもの

さまざまな事情が絡むお話なので、正解はありません。
そのうえで全部ではありませんが、僕がモノを買う時には少しお値段が張っても良いものを選ぶ視点を持つ。

一応ですが、高価なものがすべて良いとは思っておらず、適材適所、出すときには惜しまない発想です。
100円均一も日常活用しつつ、より良いものも適宜、選択する。

仕事で学ぶことは多いですが、その1つにコスト感覚があります。
明らかに原価ギリギリで作ったと想像できる商材(量産品)か、手がかかっているなと感じる一品ものか。

手間がかかるものは、人件費だけ見ても高価になるのは当たり前です。
それが自分達にとって価値があるなら、敬意を持って適正な対価をお支払いする。

細かいところまで気配りされた商材に、日常的に触れるメリットは、短期で実を結ばなくとも種として子どもの中に残ります。
良いものは、その基準を経験するための投資になります。

「弘法筆を選ばず」は、最上級レベルの人のお話。
そこにたどり着くまでに、少し背伸びする(ストレッチ目標を持つ)のは、目標設定で最も効果が高いやり方です。

さいごに

2021年はウッドショックの年で、世界的に材木需要が高まり、特に輸入材が入ってこなくなり価格が高騰。
知り合いの工務店の方との雑談でも、「去年の3倍、支払う側は数百万円アップ」と言っていました。
ウッドショックで学習机にどのくらいの影響があるのかと考えると、ゼロではありませんが、たぶんそこまでインパクトはないような気もします。

それよりも販売店の方と話していて、重要ポイントとして言われるのが買うタイミング。
年が明けてから動き出し、4月の入学前までに設置希望でも、納期が長くなったり品切れだったりする。

機を見るに敏は、ほぼすべての事象にあてはまることです。
欲しいものが品切れだったときの残念感は、タイミング次第である程度は避けられます。