子どもと一緒に魚を食べる

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育児・子供観察

日本人の魚を食べる量が減っている。
子どもも同様、幼児では年齢が上がるほど、魚を食べる回数が減っています。
魚を食べる機会がほとんどない内陸国もあるので人間にとって必須ではないですが、日本は海に囲まれた国。
魚は肉より値段が高い時代ですが、回転ずしや魚の缶詰のように、良心価格でおいしいものも存在します。

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魚を食べる量はピークの2/3

魚をどれくらい食べるのかの前に、日本の国民1人当たりへの「供給熱量」についてみてみます。
「供給熱量(カロリー)」とは、「国民に対して供給される総熱量」で、食べた量ではありません。
食べた量についての情報は厚生労働省「国民栄養調査」の「摂取熱量」ですが、魚の分類がみつけられず。
よってここでは、農林水産省が出している「供給熱量」の情報で見ていきます。


出典:食料需給表(農林水産省)

1965年からの合計値データがあり、その結果が上記ですが、1990年代に小さな山があるだけで、基本は横ばい。
日本人の食べる量が増える理由として、平均身長が昔に比べ伸びていますが、現代では肥満が減っている。
そのためか、2000年頃にピークがあり以降少し下がってあとは横ばいになっています。
このグラフを見ていると、供給されるカロリー合計値はほぼ変わっていません。


出典:食料需給表(農林水産省)

次に分類別の増減情報が上記です。

一番変化が大きいのが、グラフ内灰色の「米」。
グラフ内の最新年の2019年と一番古い1965年を比べると、マイナス52.4%と半分以下。
2019年と2000年比でもマイナス17.7%です。
減反政策やご飯離れが、理由として思いつきます。

今回一番見たかった魚を食べる量ですが、グラフ内赤色線です。
2019年と1965年比だとマイナス4.5%、2019年と2000年比だとマイナス30.7%。
1995年が最高値の148.4で、そこから2019年にかけて約2/3に向かってゆっくり減っていき、2019年は最低値の94.1。

グラフ内最新年の2019年が最低値なので、日本人の魚を食べる量は減っています。

世界では需要が伸びている

日本の漁業従事者が子どもには仕事を継いでほしくない、という話を見聞きします。
縮小産業にわが子を入れたくない気持ちは、親として同意です。
成長業界はそこに身を置いているだけでチャンスが多いのは間違いなく、これは大事な視点です。

日本ではなく世界では、魚を食べる人が増えているニュースも近年よく出てきます。


出典:令和2年度 水産白書(水産庁)

上のグラフは、いくつかの国・ブロックの漁業生産量の情報です。
水色線のインド、緑色線のインドネシア、黄色線の中国が伸びています。

このグラフ、中国だけメモリを右軸にしてあります。
理由は値が大きすぎて、左メモリだとグラフが見にくくなる。
最新年の2019年、中国は8,268と、2位のインドネシアの2,342と4倍弱。
人口が多い3つの国で、漁業・養殖が急激に伸びています。
日本(グラフ内赤色線)は1980年~1990年がピークで、それ以降は緩やかに下がっています。


出典:令和2年度 水産白書(水産庁)

補足のグラフですが、国民一人当たりの供給量情報が上記です。
赤色線の日本は、2000年以降、減少傾向です。

年齢が上がるほど子どもが魚を食べなくなる

ここまでは、日本と諸外国の情報でした。
ここからは、日本の子どもについてです。
以下、1~6歳の子どもを持つ745人の親が回答した、2021年のアンケート結果です。


出典:子どもが『魚』と『肉』を食べる頻度(homeal(ホーミール))

年齢が若いほど、魚を食べている。
1歳のところのグラフの右の2つ、「濃い青色」と「濃い灰色」が毎日魚を食べている層です。
それが、年齢が上がるほどに、幅が小さくなっています。
分かりやすくするため、魚を食べる回数が週3回以下の、年齢別グラフが以下です。


出典:子どもが『魚』と『肉』を食べる頻度(homeal(ホーミール))

1歳の時は74.6%、4~6歳になると87.2%と、魚を食べる機会が減っています。
比較として、肉を食べる回数の情報が以下です。


出典:子どもが『魚』と『肉』を食べる頻度(homeal(ホーミール))

肉を食べる子どもは、魚に比べ約2倍。
1歳~6歳が対象なので、肉と言ってもハンバーグなどひき肉系がメインですが、それでも肉を食べる機会が多い。

スーパーに買い物に行って、肉と魚を単純にグラム当たりで比較するなら、現代は肉が安価です。
昨今の若年夫婦層の所得状況と子どもへの未来資金を考えると、値段だけで比べるなら、肉に軍配があがります。

回転ずしや缶詰はおいしい

ここからは僕の周囲のお話で、一般論ではありません。

僕の身の回りの子ども達で、魚を食べない子は約1/3。
そういう情報を、僕の奥様経由のママ友情報として聞いています。
「ウチの子ども好き嫌いが多くって」の流れで出てくる、ママ友トークの鉄板ネタです。

魚を食べるお家は魚の良い点、たとえばDHAなどを考えて、なるべく積極的に取り入れている。
食べるご家庭は少数派ですが積極的に魚を食べ、そうではないご家庭は食卓に上らない。
最近、「二極化」の単語が使い古されているのですが、魚に関してはその通り。

わが家は、僕の奥様と僕が魚好きなので、干物など週に数回、食べています。
わが家の子どもは、好きな魚とそうでないものもありますが、子どもが好きな味醂干しなどをメインになるべく食べるようにしています。

魚を食べなくとも人間は死なないので、魚が必須でもなく。
とは言え、魚を食べるならいまの時代、親が積極的に魚を食べる機会を作らないと、子どもは魚と疎遠になる。
他の事と同じで取捨選択の1つでもあり、親の嗜好(指向)がその原動力になります。

日本人の魚を食べる量は減っていますが、近年の回転ずし業界は好調です。
回転ずしだけで外食全体とはなりませんが、外食で魚を食べる回数が増え、自宅では減っている可能性を感じます。

僕の身の回り観測ですが、回転ずしが嫌いな子を聞いたことがない。
子どもにとって回転ずしは、アミューズメント要素も含まれていそうですが、バクバク食べる姿から、あの価格帯であれだけおいしいお寿司が食べられるのは嬉しい。
美味しくて、手ごろな値段であれば普及します。

似たものとして、僕の義父は魚の缶詰を肴にお酒を飲んでいます。
僕も独身時代、缶詰をおかずとした一人ご飯を覚え、いまでも缶詰を食べます。
牛丼屋さんのキャッチフレーズと似て、缶詰はおいしく、手軽、そして安い。

家族向けにも缶詰レシピの習得は、時短料理の強い味方です。

さいごに

昭和期に小学校時代を過ごした人は多分経験していますが、学校給食メニューにクジラの竜田揚げがありました。
クジラは魚類ではありませんが、いま一般で見かけなくなった絶滅食です。

クジラの竜田揚げとは言葉通りの食べ物で、当時、日本は捕鯨国としてそれなりの量のクジラを漁獲していました。
量があるから、子ども達の給食に出てきていたというお話です。
いま、くじらを食べるならネットでも手に入りますが、お値段もそれなりに高くなっている。

クジラが縁遠くなったいま、またクジラを食べたいかと聞かれても、僕はNoです。
クジラメニューはなくなったものと考えており、そこに執着はない。
子どもっぽいですが、僕が東京在住なので関西以西限定販売となった、お菓子のカールの方が懐かしい。

いま簡単に手に入っていて、食べられなくなったらイヤだと思う物というお題は、雑談ネタして良い話題です。